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prologue それは突然
昔々ある森におかしな少女が暮らしていました。
少女はいつも耳の取れた猫のぬいぐるみを抱え、
腕のない兎を飼って、
一枚しかないトランプで遊んでいました。
その少女の名は―
「初・・・・。」
「はっ!?」
神無前初は振り返った。
呼ばれた気がしたから。
しかしそこには誰もいない。
「・・・・?」
今朝、突然自分の家に届いた手紙を思い出す。
【神無前 初様】
あなたはbesta meeting の結果、
世界で一番神様に向いてるとされたので、
明日から空烏界で神様をして頂きたいのです。
今日、迎えの者を送ります。
差出人は不明。
いたずらだろう。
そう思っていた。