ゲームオーバー!
そこの君!右に曲がりなさい!
はぁ?
何が何やら分からぬままに、人々の流れのままに走った。
これって、もしかしたら群集心理、バンドワゴン効果?
次の曲がり角まで来た俺にまた、ガードマンらしき奴が叫ぶ。
そこの君!右に曲がりなさい!
はぁ?
何でこうなるン?
さらに次の曲がり角まできた。
更にガードマンらしき奴が叫ぶ。
そこの君!右に曲がりなさい!
えーーーー!!
さっき、俺が買い物してたコンビニやん!
どーなっとるの?
すると、さっき、パートのおばちゃんとレジを代わった可愛い女の子、紅葉が自転車に乗り通りすぎた。
はぁ?
とりあえず、俺は彼女を追いかけ、騒ぎになって危険が迫っていることを知らせた。
『ごめん!』
『そっちの方は、行かないほうがいいよ!』
『みんな反対側へ避難しているから』
彼女はニコリと笑い返しおじぎをして答えた。
『あ、いっもお店に来て下さっているお客さんですね、親切にありがとうございます♪』
『私はマイナンバーを免除されてますので、自由に行動できるのですよ。』
俺は彼女に訊ねた『マイナンバーて?』
『あら、ご存知なかったのですね。』
『一人一人に割り当てられる個人シリアルナンバーのことです。』
『皆さんが、あのようにガードマンらしき人の指示に忠実に従っているのは、マイナンバーに原因があります。』
『もし、少しでも反抗的な態度をとろうものなら、衛星通信で体内に嵌め込まれたメガチップが破裂し即死するのですよ。』
『民主制からファシズムへの転換期なのです。』
俺は彼女の言葉を疑った。
『そんな馬鹿なことがあるもんか!』
彼女は、コンビニで買い物をして、出てきた男がガードマンらしき者の指示を無視して反対方向へ走り出したところを指差した。
『あの人を見てて。』
すると、右手の親指と人差し指の間に埋め込まれたメガチップが衛星通信により破裂し、その男はその場に倒れ絶命した。
俺は茫然と立ち竦んだ。
『なんだ!この世界は!』
彼女は再び、俺の方を見て呟いた。
『あーこのゲーム飽きた!』
『消去しちゃおう!』
『俺はデータなのか、はぁー?』
彼女は優しく俺に手を振り、自転車のbellを鳴らした。
チリリリーーーーン))
真っ暗闇。
俺は消えた。
子供部屋の一室、。
『おにーちゃん、このゲーム飽きたよ、』
『これ売って新しいゲーム買おうよ♪』
兄が妹に優しく語りかけた。
『紅葉、もう飽きたのか(笑)』
『じゃ、これから、ゲームショツプへいこうか♪』
彼の名前は
『東.進悟』