なんでやねん!マジか、ほんまに!
『さぁてと……今日の昼飯は何にしょうかな~?』
自宅から近い工場で働く二十歳の青年。
彼の名は『東.進吾』。
大学を中退して、今は特に何をしたいでもなく、ただ単調な毎日を過ごしていた。
行き着けのコンビニには、超キュートで可愛い彼好みの女の子がいる。
進吾は、わざわざ近くのコンビニを飛ばして、この店に足繁く通い詰めていた。
彼はお目当ての女の子がレジに立つタイミングを計っていた。
おにぎりや、ペットボトルのお茶、雑誌などを買い物カゴに入れて店内をウロウロ……。
今、レジに立っているのは、オカマぽい男の子。
『ありがとうございましたァ~ン♪』
背中に寒気を感じる俺(汗)
早く彼女がレジに立たないかな~
休憩時間がなくなるよぉ……
しばらくすると、ドヤドヤとお昼ご飯を買い求めるお客が押し寄せた。
レジがお客さんの列でいっぱいになったので、もう1台のレジを彼女が開いてくれた。
『お待ちのお客さま、おとなりのレジへどうぞ♪』
若い女の子の張りのある可愛いい声が店内に響いた。
俺は、今だと思いとなりのレジへ急いだ。
すると前を遮るようにガテン系の恐面の兄ちゃんが
買い物カゴいっぱいに品物を詰めてレジに置いた。
これは時間が、かかりそう(汗)。
そうこうしている内に、となりのオカマチックな男の子のレジが空いた。
『お待ちのお客さまァ~ン、おとなりのレジへどうぞ~ン』
彼を横目で見て、俺は心の中で激しく拒否した!
((いやだ!、行きたくない、!))
そろそろガテン系の兄ちゃんの買い物の計算が終わりそう……
ここで、移動したら何のために、ここまで来たか分からない!
すると白髪混じりおばちゃんが大声でバックヤードから現れた!
『はーい!いらっしゃい!いらしゃいませー!』
どうやらバイトのおばちゃんらしい……
『紅葉ちゃん。おっかれちゃん!』
『ワシがかわる!』
『あ、お疲れさまです。よろしくお願いいたします。』
彼女はペコリと頭を下げて、俺の番におばちゃんとレジを交代した。
彼女の名前『紅葉』ていうんだ……初めて知った。
てゆーか!、何でここでチェンジするねーん!!
涙うるうる……。
ニコニコ顔のおばちゃんの前に買い物カゴを差し出す俺。
お目当ての彼女はバックヤードへと姿を消した。
『はぁ……』
溜め息しかでない。
気を取り直して!
『明日があるさ!』
俺は買い物を済ませコンビニの自動ドアを出た。
交差点の横断歩道、赤信号で待つ俺の前を大勢の人々が慌てて走って行く。
空を見上げるとジェット戦闘機が編隊を組んで通り過ぎた。
『な……何だ?、いったいどうしたんやろ?、何があったんや?』
俺はぼーぜんと走る人々を見ていた。
交差点の角から戦車や装甲車が現れた!
『何で、この平和な国で共産国の軍事パレードなん?』
俺の前を、同年ぐらいの男が横切り様に叫んだ。
『おい!そこのお前も早く逃げろ!』
え?俺……
『いったい何があったんや?』
男はおうむ返しに答えた。
『それは俺が聞きたい!』
『とにかく、今は早よう逃げやー!!』
俺は何が何やら分からぬままに群集の逃げる方向へと走った。
『退屈やったし、まーえーか!』
『逃亡者やー!』