外出
その後、3人での密会を繰り返しながら、魔法や剣の訓練、それと文字の勉強をする、中でも文字を覚えるのに苦労しながら、5年の歳月が流れていった。
ある日、兄との話の中で。
「ジークは、大きくなったら何になりたい?王様?それとも魔王?」
「え~~両方とも同じだし、パス 」
「え~僕としては、ジークに王を継いで貰おうと思ってたのに~」
「長男の義務だ!諦めろ。それに手伝えそうな事があれば、簡単な事なら手伝う、かも、しれないから。」
「手伝う気さえ無いんだね。で、何になるの?」
「冒険者!」
「冒険者か~でも、ジーク弱いけど大丈夫?加護も、チートも無いよ?」
「ま~その辺は、コネを頼る。」
「コネ?」
そう言って、父の執務室に向かった。
コンコン、部屋のドアをノックする。
「はい、どうぞ~」
「失礼します、お父様。」
「ジークか、どうした?」
「はい、実は、お父様のお力を、お借りしたく参りました。」
周りを見渡し2人切なの確認してマサトが言う。
「2人切だから、”普通に”話していいよ、何?お兄ちゃん」
「マサトのチート能力”銃”と後、おこずかい と、城を抜け出す許可がほしい。」
マサトのチート能力は、銃器を作り出せる事だった。(それは~剣と魔法の世界では無敵だはな)
「”おこずかい”と城を抜け出すのはま~判るが、銃はどうして?」
「護身用かな?」
「城下町なら、そんなに治安も悪くないはずだけど?」
「冒険者になろうと思ってね。薬草採集で外に出るだろからな。」
「それでか。 でも、撃てるのか?」
「反動の少ないタイプなら、大丈夫じゃない?サバゲーやってたし。」
「で、何が欲しい?」
「ハンドガンが1丁と予備弾」
「なら、このコルト・パイソンでいいか?」
M357コルト・パイソン、某アニメの主人公の使ってた銃。だが、それのシルバーモデル。
「マグナム弾だろこれ、威力有り過ぎないか?」
「魔物相手だとコレでも倒せない、ヤツも居る」
「じゃあ、それと、アサルトライフルと携帯バズーカ砲で」
「おい!欲張りすぎだ!竜でも倒しに行くのか?」
「居るのか?竜が?」
「あぁ、近くだと北の国境近くの森の中に住んでいるし、竜の国も在るらしい。」
「大丈夫なのか?」
「今のところ被害も無く大人しくしているからな、でも森に勝手に入ってチョッカイかけるなよ。」
「了解」
銃とガンベルト、予備弾、それと”おこずかい”金貨10枚を受け取り、部屋に戻ってしたくする。
服は、地味な普通ポイ服に着替え、ガンベルトに予備弾と銃をしまう(西部劇ポイけどま~いいか)
仕度が出来たので、早速町に繰り出す事にした。 改めて見ると、大きい城だな~訓練している兵隊さん達の横を抜け、堂々と、城の門から、出ようとしたところで、(正確には出て10メートルほど経ってから)門番に捕まった。
「王子!どちらに行かれるつもりですか?」
「え?王子?だれが?」
「しらばくれても、だめです!王家の方々のお顔は、皆、存じ上げております!」
(顔でバレてたか)
「で、どうしたんです?外出はお父様の許可をもらっていますが。」
「いえ!我々は、そんな話は、聞いておりません。ですので、至急お戻りください!」
「判りました。では、日を改めて伺う事とします。」 そう言って町の方に歩き出す。
「どこへ帰ろうとしてるんですか!城はこっちです!」
門番からは、逃げられなかった。
「お願いしますよ。王子を一人で城から出したと知られれば、自分達が叱られますんで。」
門番の泣きが入ったところで、やめる事にした。
(さすがに自分の事で叱られるのは可哀想か)
門番に、”ごめんなさい”と子供らしく謝り、城に戻った。