先々代魔王マジェス
昨日孫のジークが、城をぬけだしおった。 冒険者に成りたいと言う孫の気持ちは解るが、まだ早すぎる。婿のマサトは楽観視しているが、心配で堪らんのじゃ、昨日の、あの顔じゃと、絶対に諦めとりはせん!今朝は早くからジークを見張る。危なくなったら、直ぐに助けに入ろう、少しでも危ない目に遭えば、少しは考えるかも知れんし、ワシの話も聞いてくれるじゃろう。
上空から見張って居るとジークが、壁をロープで登っている。 しかし、壁の向こうは堀じゃ飛び越えられる距離ではないぞ。 迷いも無く飛んだのを見て一瞬あせったが、どうやら魔法を使ったらしい、向こう岸にゆっくりと着地しおった。 その後、街に行き、鍛冶屋により、その後、食堂に入ってた。
マジェス(そういえば、ワシもまだ朝飯食ってないの、入って行けばバレるし、仕方が無い我慢するか。)
食事の後どうやら、そのまま外にでるようじゃ、しかしどうする?門には門番がいるぞ?
門番が止めるのを期待しが、そのまま何も無しに外に出してしまった。
「これ!そこの門番何を見ておった。」
「は? マジェス様!あの、どうかされましたか?」
「今、お前達の前をジークが通り過ぎて行ってしまったではないか!」
「え?ジークフリード王子、今日も抜け出して来たのですか?」
「たるんで居るぞ!もっとシッカリとせい!」
30分ぐらい門の前で説教していると。完全にジークを見失ってしもうた。
(いかん!ジークを探さねば!)
魔法を使って、上空高くに飛び上がる。見渡してもジークの姿が見えない。 1発の銃声が聞こえた。
(森の方じゃ!急いで森の方へ飛ぶ。)
ジークの前にゴブリンが1匹。
(ジークが危ない!)
「ファイヤーアロー」慌てて魔法を放った
「ジーク!大丈夫か?怪我は無いか?」
「御祖父様、なんで?」
「危なくなったら、助けようと思ってな。 お前が冒険者に成ろうとしてるのは、聞いて居るし、昨日も城を抜け出した。今日も抜け出すのではないかと、見張って、おったのじゃ。」
「で?今の場面が危なかったと?」
「銃声が聞こえ。急いで飛んでくれば。ゴブリンが1体、孫のすぐ前に居るではないか、あせったぞ。」
「え~と。御祖父様。周りをよくご覧ください。助けに来てくださった事は、嬉しいのですが。」
周りには、5体のゴブリンの屍骸が転がっている。
「1,2,3,4,5・・・・・5体のゴブリンに襲われてたのか?すでに4体倒した後?」
「最後の1体は、魔法の練習台にしょうと思ってたのですが。」
「ひょっとして、邪魔した?」
「良いですよ。助けに来てもらえた事は、嬉しかったですし。 それよりも、教えて貰いたい事と、お願いしたい事が、あります。」
笑顔でお願いされる。 この笑顔には弱いんじゃ。
「ん?何じゃ?」
「地面に大きな穴を開けれる魔法は無いですかね?」
「そんな事、ワシの攻撃魔法なら町1つ飲み込む様な、クレーターができるぞ。」
「いや、そうではなく。ゴブリンの屍骸を埋める、穴が作れないかなと? 後、爆発は、無しで。」
「それなら、アースの魔法じゃな。」 地面に手を着き丁度良い穴が出来上がる。
「では、少し待っていてください。」
そう言って、ゴブリンの魔石を回収し、屍骸を穴の中に入れ。魔法の”ファイヤー”で燃やしだした。
「なぜ?燃やす必要がある?」
「生き物は、死ねば、腐り、また腐れば、そこから病原菌が発生します。」
「病原菌?」
「はい。色んな、死に至る病です。 ですから、ただ埋めるだけでなく、燃やす必要が有るんです。」
ワシの知らない事を知っていおる。しかも、ゴブリン4体を瞬く間に倒す腕。
(やっぱり、虎の子は、虎なのじゃな、猫と見間違えておったか。)
ふと、1匹だけ、他のゴブリンよりも大きい事に気づく。
(まさか?あれは、ゴブリンリーダー? と言う事は、こやつら偵察部隊か!)
燃えきって灰になった所で、ジークがアースの魔法で元に戻した。
「もうお昼ですね、御祖父様、一緒にお弁当を、食べませんか?」
マジックバックから、お弁当を2つ取り出し、1つを、ワシにくれた。
(おお!なんとやさしい子じゃ。朝も食べてないし、ありがたい。)
2人で並んでお弁当を食べていると。
「それと、お願いなんですが。城を抜け出して冒険者をする許可をください。」
ワシの手の中の、お弁当をチラ見して言う。
「う、・・・高い昼飯になってしもうた。」駄目とは言えなくなった。
「有り難うございます。御祖父様。」
お弁当を食べ終わり、王都に戻る事にした。
王都に戻り、兵にジーク外出を許す、事を言い渡し。婿殿の所に報告に行く。
「大変じゃ!婿殿!」
「どうしました?御父上?まさかジークに何か在りましたか?」
「いや、ジークは、無事じゃ。と言うかアレは強かった。ゴブリン4匹をあっという間に倒しよった。」
「では、何が大変なんです?」
「ジークが倒したのが、ゴブリン軍の偵察部隊のようじゃ。」
ドアをノックする音が聞こえ、兵が、冒険者ギルドのハンソンが急ぎの用で、面会を求めて来た。事を告げる。
直ぐにココに通す。やはり用件は、ゴブリン軍の事じゃった。




