腐男子くん2
「文化祭についてなのだが、前回通りに風紀が見回りを担当し、生徒会が進行と言うことでよろしく頼む。今年は一昨年の資料と比べて、護衛対象が倍近くいるし、対象とされている生徒には覆面風紀を側につかせる予定だ。情報面での監視は問題ない、うちの子達は鬼才が多いからなぁ。
生徒会、お前らも一応は護衛対象だ。本部から出る時は一人行動を禁じ、必ず三人ぐらいで行動すること。いくらお前らがハイスペックだろうが……油断は大敵だ、気をつけろ。異議は受け付けない、以上」
とお父さんはそう淡々と告げた。
真面目モードなお父さんほど、色気が漂っているものはありません。
近くにいると危険です、同性なのに……ドキドキと胸が高鳴っちゃいます。
はい、紅です。
うちの子の方が可愛いわーと言われ、意識が硬直していたのが解けると何故か、お父さんの膝の上に座らせられていました。
お父さんの色気にあてられて、……色気酔いをしてしまいそうです。
僕のことはおいといて、桃原高等学校の風紀には“護衛対象”が存在します。政治家、大企業の子息、大物芸能人の子息、華族……などなどの方々で風紀が守るべきと判断した生徒が“護衛対象”とされます。
今年の一年は“護衛対象”が多く、偶数年が風紀、奇数年が生徒会の交互で見回りを行っていたのですが、今年からは本格的に風紀がイベントごとの見回りの役目を担うようになったようです。
それから、覆面風紀とは一般人の振りをしている平風紀委員のことです。情報部隊、武装部隊の二つに分かれています。優秀な者が多いのですが、皆さん若干変わり者なんです。
お父さんの言うこと以外は素直に聞かないんですよね〜、僕の場合は仲良くはしてくれるんですが……他の生徒だと感じ悪い雰囲気になっちゃうんですよね、彼らはどうやら人嫌いのようなので。
委員長は、
「才能のある奴が好きなんだよ。……まあ、才能のある奴らの中でも覆面風紀委員達にも、仲良くしたいって思う基準があるんじゃねぇーの?」
と言っていましたが、自画自賛している委員長も素敵だと思います!
それを口滑らせて言ったら苦笑されてしまいましたけど!僕はめげません。
今日はどうやら、いつも以上に早く会議が終わりそうですね、……委員長も珍しく真面目に会議を受けていらっしゃるようですし、それのおかげかもしれませんね。
「それでは会議を終了とする。解散!」
とそう言う会長の言葉と同時に、委員長は僕のことを横抱きした後、彼は何処かへと向かった。
「何処行くんです?」
凄く恥ずかしいんですけど、委員長。
「あ? 保健室に決まってンだろ? お前、何か熱っぽいし、だから真面目に会議受けて早く終らせたんじゃねーか」
とそう言う委員長。
いやいやいや、僕が熱っぽいのは貴方の行動に対する照れですから!
てか、僕が熱っぽいから真面目に会議受けて早く終らせたとか……貴方は何回、僕を照れさせれば気が済むんですか!
「委員長の天然たらし」
「ん?」
僕が抱く委員長へのこの気持ちを、認めざるおえないじゃないですか……。