腐男子くん
あ、どうも腐男子の風紀副委員長、山下紅と申します。僕の思考回路の腐り具合は流石の“お父さん”でも手に負えないようで、諦めたように普通に接してくれてます。
僕はお父さんから、腐男子と呼ばれてます。せめて山下と呼んでくれないかとと思い、腐男子度を下げようとは努力はしたものの……一時間で断念してしまいましたが。
どうやら僕、腐男子から抜け出せないくらいにハマってしまっているようです。
僕の話はおいといて。
今日はお父さんが言えないような話をしたいと思っています、主に容姿とか……の彼のハイスペックさを僕が語りたいと思っております。
お父さんの容姿は強面よりの男前です。黙ってれば、同性でもクラクラしちゃいそうになるくらいの色気があります。
半年くらい、彼の側にいるのですが……書類仕事をしている時の色気は、女性が好きな僕でさえも頬を真っ赤に染める程。
むしろ、ずっと“自称オカンモード”で居て欲しいくらいなのです。
お父さん、素敵!
お父さんの人気は、あの包容力が理由です。うちの子(桃原高等学校)に対してだったら、無制限にわいて出てくるあの包容力、そして……絡んでくる不良に対して普段とは違うあの口調、態度にギャップ萌えしたなどなどが理由で、入学当初からの圧倒的な人気を誇っているお方です!
だから、キラキラ集団殿達は我らが“お父さん”に人気投票で負けるのです。イケメンだからと言って、愛想が悪すぎるのも考えようなのです!
誰が何と言おうと、僕にとっての一番の上司は……“お父さん”しかいないのです。僕はあの方の言葉しか信用しませんし、彼のお願いしか無償で聞いたりしません。……お父さんが信用しない人は絶対に信用したりしません。
……そう思わせるくらい、お父さんは素晴らしい方なのですよ、はい。
学力だって、入学当初から学年五位以内をキープされ、空いている暇があれば見回りをし、うちの子達に率先して声をかけつつ、彼らに何かないか顔色を窺っているのです。
鍛練だって、武術系の部活に毎日参加されていて、実戦の形で鍛練していらっしゃったり……と努力型チートなのですよ。
お父さん、家庭科も得意なんですよ?
美術は苦手みたいですけどね、その点は僕がサポートするので大丈夫なんです!……まあ、とにかくです、我が上司であるお父さんの素晴らしさを分かって頂けました?
「あ!腐男子、百面相してねぇーで会議に行くぞ。一分でも遅れっと、可愛い可愛いうちの子達は許してくれても……キラキラ集団様達は許してくれねぇーからな、めんどくせぇ」
と、耳元で囁かれたら一発で気絶しそうな声で、お父さんはそう言った。
……どうやら、イケメン集団殿達は彼のうちの子対象には入っていないようです。……まあ、一人を除いてでしょうけどね。
「ん? 何すねてんだ、お前。機嫌悪ぃーのか。珍しいこともあるものだな」
「何でもありませんー」
と、とにかくです。お父さんは風紀委員長が良くお似合いなのです、……イケメン集団殿達には絶対に引き抜きさせたりなんかさせないんですから!!