体育祭当日4
体育祭の午後の部を終え、閉会式を迎えたことにより一安心をしていると、
『委員長!紅さんが……倒れました!』
と紅に護衛をつけていた生徒から連絡があり、アイツが倒れたと言う焦りから、俺の身体が感じていた疲労感はが一気に吹っ飛んじまったぜ。……まさかこんなに早いとは思っていなかったからな。
俺はそんな連絡に、その覆面風紀委員に俺は何にも返事を返すことなく無言のまま、紅のいる放送室へと向かうと……まるで眠るように気絶している紅の姿があった。
俺は横になる紅の手のひらを握り、そして額をくっつけていると……そこに艶やかな毛並みで、猫又にしては強力な気をまとうカイチョー様の使い魔が放送室に現れた。
「何のようだ、猫又」
と俺が問う。すると猫又はクスリと笑った後、子供の姿に化けた後……、
「これを期に、その者の記憶を消した方がその者の身のためだ。だが……」
とそう言った後、猫又は口パクで俺だけに伝えた言葉に俺は驚きを隠せない様子を見せると“彼”は、
「私にだって温情もあるものよ、“代償”はいらない。……あくまでも、私が“悪戯”でやったことなのだから」
とそう言った後、紅の額に手を当てた後すぐに猫又は消え去って言った。