プロローグ
あ、俺。山口和樹。
強面、茶髪(地毛)の高校生でーす。強面と髪の色のせいか、不良に間違えられる不憫な男の子☆
良くね、非凡って言われるよ。失礼しちゃうね、俺ってば平凡中の平凡なのにね。もう、親しみやすい不良もどきだからって失礼なこと言っちゃ駄目よ!
あ!またうちの生徒にカツアゲしてやがる、アイツら懲りねーなぁ。……待ってて、我が息子よ!オカンが助けにいくわ!
「クソ餓鬼ども、うちの息子……否、うちの可愛い可愛い生徒くんにちょっかい出すなつーのに、しつけぇーな。しつこいと嫌われちゃうゾ!」
と俺の悪ふざけのせいで、不良くん達の堪忍袋はブチ切れちゃったようで、感情のまま俺に飛びかかってきたが、彼らの力を応用して(所謂カウンターってヤツな)地面にひれ伏せてあげました。
「桃原高等学校、一年。風紀委員長、自称桃原高等学校の皆のオカン、山口和樹!……今度、うちの可愛い可愛い息子達に手を出したらぁ〜、容赦なく叩き潰すぞ、クソ餓鬼ども」
最後だけ殺気を込めれば呆気なく逃げていく、今の不良は根性なしだな。
おっと、うちの子の精神ケアを忘れていたわ。あんな見た目の面だけ怖い奴らに脅されて、うちの子達怖がってないかしら。心配だわ。
と、考えながら後ろを振り返ると……目をきらきらさせながら、うちの子は俺に抱きつき、叫ぶようにこう言う。
「お父さん!」
「オカンだっつーの」
自称桃原高等学校の皆のオカン、山口和樹は実際のところは“お父さん”と呼ばれています。……俺、オカンなのにぃ〜!!