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真っ赤なロープ

 私の手にある、この真っ赤なロープ。

 先端にある輪っかを、あなたの首に掛けてあげる。

 心配しなくてもいいの。私がちゃんとエスコートしてあげるから。

 首に掛けた輪っかを、少しだけ閉める。あなたは舌を出しながら、私を見つめてくる。

 そんな目をしてもダメよ。私はあなたを連れて行くって決めたんだから。

 ふふっ、とっても可愛い。私はあなたの頭を撫でてあげる。

 あなたは息を荒くして、期待を込めた目で私を見上げてくる。心配しなくても、ちゃんとすぐに連れて行ってあげるんだから。

 私はロープを持つと、立ち上がる。

 そして、こう言うの。


「ポチの散歩に行ってくるねー!」


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