第2列車「モグラ駅?」
更新遅くなりまして申し訳ありません…
リアルでいきなりいろいろと事情が重なりまして…なかなか手つかずの状態でした。
まだまだ小説書き始めたばかりなので文がおかしかったら申し訳ありませんorz
色々驚かされた入学式の次の日の朝。
昨日と変わらず、朝から元気な母の挨拶と朝から元気な幼馴染の挨拶が寝起きの頭に響く。本当、朝から元気だよなぁ…
その幼馴染と歩いて学校に行く。途中で大輝もやってきた。初川さんは寝坊らしい。
学校に着いて教室へ行く。今日から授業が始まるとは…憂鬱だ。放課後には部活がある。とても逃げたい。鉄道なんか全く興味ないのに、なんでこの部活を選んでしまったのか…とても後悔している。いや、そこを選んで幽霊部員になろうとした自分が甘かったのだ…。
放課後、日和と大輝と部室へ行く。部室のドアを開けると、そこには部長の…関根さんが座っていた。
「待っていたぞ諸君!さぁ座って座って」
と促されて全員席につく。すると部長が
「突然だが、今週の土曜日に鉄道研究部で出かけようと思う」
いやいや、急すぎるでしょ…
「目的地は…土合駅だ!」
ど、どあい?駅?と思っていると日和が
「土合って、あのモグラ駅ですか!?」
と言ったら大輝が
「俺はまだ行った事ないですよ部長!」
と言っている。なんで二人はこんな興奮しているんだ?
「その駅に行ってレポートを書いて部活動の活動報告とするんだ。ちなみに旅費は部費でまかなうので安心してくれ皆の衆」
と部長が言う。それからは自分以外の3人が分厚い時刻表をペラペラめくって楽しそうに話している。全く興味がない自分は置いてかれている…というかどあいえきってどこ?と思っていたら部長が立ち上がって言った。
「それじゃあ、土曜日、熊谷駅に朝6時集合だ!」
時は流れて土曜日朝5時。普段はこんな時間に起きることがないのだが…今日は部活で朝6時から列車でどこか分からないような場所へ行くのだ。眠いし、憂鬱だ…
朝ご飯を食べて、5時40分ぐらいに日和が「おはよう~♪」と元気に迎えにやってきた。家から熊谷駅までは彼女の父親の車に乗せてもらった。
集合場所の駅の改札口付近に行くと、部長と大輝がいた。
「待ちかねたぞ~お二人さん!」と部長と大輝が言う。すると部長から切符を渡される。そこに書かれていた、「熊谷→土合」の文字。どこにあるんだ土合って駅は…と思っていたら…
「小島君、行かないのか~い?」
と、声がしたのでその方を向くと、3人が既に改札機を抜けていた。速いだろ…と思いつつ、手に持っている切符を改札機に通す。
部長についていって、階段でホームに降りる。発車案内を見たら、「普通4ドア10両 6:17 高崎」と表示されている。これに乗って高崎という所まで行くらしい。
時間になると列車がホームに入ってきて、みんなで乗り込む。とりあえず4人掛けの席が空いていたのでそこに座る。列車がゆっくりとホームを離れて、どんどんスピードが速くなっていく。窓から外を見ると、いつも見ている建物が過ぎ去っていく。
ふと隣に座っている日和を見ると、何かノートにメモを取っている。「何書いてるの?」と聞いたら
「今乗ってる列車の編成番号と車両番号を書いてるの♪」
と彼女が言ったら部長が
「東城さんには書記な仕事をやってもらっているんだ、助かるよ~」
と言った。活動報告としてレポートを書くというのはこの前聞いたが、がっつり書きすぎじゃないか…?
部長と大輝はなんだか列車の話ばっかしている。はぁ…全く興味ない事だからつまらない。おまけに、乗り物が苦手だから少し気持ち悪い…と思い、母が持たせた酔い止め薬を飲む。
6:55、高崎駅に到着。ここで水上行きに乗り換えるらしい。階段を上って6番線に移動。そこで待っていたのは、さっき乗ったのとは違う列車が止まっていた。なんだかとても古そうな車両だ。自分以外の3人は何かを語り合いながらその列車の写真を撮っていた。
車内に入って、4人向かい合いのシート(部長が言うには「ボックスシート」というらしい)に座って発車を待つ。
7:10、高崎駅を発車した。列車はとても重そうな音を出して走りだした。先ほど乗った列車は軽い音がしていたので若干うるさく感じた。その音に対し部長と大輝は「やっぱり国鉄型車両はこの音だよね!」と言って、「そうですね♪」と日和がメモを取りながら返す。
新前橋駅を過ぎて、見える風景が住宅街から緑豊かな田んぼのとても自然いっぱいな風景になる。そこでふと自分は
「遠くまで来たんだな…」
と思った。どこかテレビで見た事があるような風景が目の前に広がっている。
終点の水上駅の手前で、部長が立ち上がり、「そろそろ準備しないとな」と言うと鞄を持ってドアの前に立ち始めた。自分が「何かあるんですか?」と聞くと、「次に乗る列車に座るために少しでも速く乗り換えたいから」と部長が言う。そこまで頑張るのか…と思い、準備を始める。
8:13、水上駅に到着。と同時に、部長が降りてすぐ右にある階段を走って上っていった。自分達3人は早歩きでついていく。降りたホームには2両編成のまた古そうな列車が止まっていた。部長はもう乗り込んで席に座っている。速いですよ…。自分達が座って少しもしないうちに車内は立っている人がいっぱいになった。ホームでは駅員が「ご乗車のお客様はお急ぎください」と何度も言っていた。
「あの、なんであんなにお急ぎくださいとか言ってるんですか?」と部長に聞くと、
「あぁ、これを逃すと次は1時間半後になっちゃうから」
…はい?次の列車は1時間半後?どんな田舎ですか?それから部長から色々聞かされた。「この区間は1日5往復しか走らないんだ」だの「時間によっては3時間列車がないなんて事もあるがそれがいい」と言っていて、日和と大輝は「うんうん」とうなずいていた。
8:24、水上駅を発車し、列車は山奥へ進んでいく。いきなり部長が「ループ線が見えた!」なんて言うからビックリした。そして「ループ線って何?」と、自分の頭の中は疑問符で埋め尽くされた。するとすぐにトンネルへ入ってホームが見えて列車が停まった。ホームの壁には「湯檜曽」と書いてあった。
「トンネルの中に…駅…?」と自分が言うと
「ここはまだ序の口だよ小島君」と部長が言った。なにが序の口なんだ…
ホームを離れてもずっとトンネルの中を走っている。いつ外に出るんだろう…と思っていると、部長達が荷物を持って立ち上がる。「そろそろ目的地に着くぞ~」と部長が言う。すると列車の速度が徐々に落ちていき、ホームが見える。そして、ドアが開いてホームに降り立つ。
8:33、功南学園鉄道研究部一行は目的地の「土合駅」に到着した。
自分の着いての第一声は
「なんだここ?」
だった。その横を乗ってきた列車が発車して通り過ぎていく。列車が見えなくなってもしばらくの間、列車の音がホーム中に響いていた。
ホームを見渡す。どこからか水が流れてる音がする。部長達はみんなで話しながら写真撮影に興じていた。
日和「写真でしか見たことなかったので感動です!」
大輝「なかなか涼しいですね…」
部長「ホームが変わってしまったのが残念だ…」
なんて会話が聞こえる。部長がどんどん先導して歩いていく。そして目の前に見えたものは…
「…階段?」
あのー、てっぺんが見えないのですが…。階段の横には、「日本一のモグラ駅」なんて言葉が書かれている看板がある。それを見ると、階段が…「462段!?」外に出るまで…約10分?死んでしまうよ…と思っていると、部長が言う。
「よーし、登るぞー!」と部長が言う。その部長の声に対し「おー!」と日和と大輝が答える。そして大輝が
「うおー、すげー!素晴らしい!走るぜー!」と言い残し、走って階段を駆け上がっていく。そして部長も「高橋君には負けられないな!」と言い、その後を追いかけるように登っていった。この先の展開が読めるよ…と自分は思う。隣に立ってる日和が、「一緒にゆっくり登ろう?」と言ったので「あぁ…」と答えて、二人で話しながら階段を登り始める。
「気になってたんだけどさ」
「ん?」
「お前が鉄道好きだとは知らなかった、意外だよ」
「…それは…前から言おうと思ってたんだけど、恥ずかしくて…それに、私女の子なのにこんな趣味があるなんて知られたら周りになんて思われるか…」
「別に、なんとも思わない」
「え?」
「打ち込めるものがある、いい事じゃないか」
「…気持ち悪いとか思わないの?」
「全く思わないよ。気持ち悪いのはいつも部屋にこもってゲームばっかやってる自分の方だ」
「そんなことないよ!…ありがとう♪」
「それより…階段…長くないか…?まだ100段って…」
「そうだね…だけど、がんばろ?」
「あぁ…」
300段ぐらい登ったところにベンチがあったのだが、その上に…大輝が寝転がっていた。その横には部長が座っていた。
「おい、なに寝てんだ」
「寝てない…しんどい…これは、いい筋トレになりそうだぜ…」
「その体勢でよく言うよ…部長もなにやってんですか」
「甘く見てたよ…日ごろの運動不足がたたったな…」
「462段の階段を走って登りきる人なんていないでしょうが…」
自分と日和も少し疲れていたので部長と大輝が再起動するまで休む事にした。
5分程して、今度は4人で登り始める。ふと階段の左側を見ると、少し空いてる空間があることに気づいた。部長が言うには、昔エスカレーターを設置できるように空けてあったらしいが、利用客が少ない事により設置してもそれに見合った利用が見込まれない事から、エスカレーターは設置されず、その空間にはどこからか出てきた泥が蓄積し、その泥の上を湧き水がどんどん下へ向かって流れている。壁には所々に「関係者以外立入禁止」と書かれてる扉があって、「どこにつながってるんだ?」と思いながら階段を登っていく。
そして、階段の頂上まであと10段のところまで来た。ここから4人で並んで登っていく。「9、8、7…」とカウントダウンしていき、「…3、2、1、」、最後は全員で
「「「「0!」」」」
と言う。はぁ、やっと着いた…この先もまだ続いてるようなので、疲れた体にムチ打ちつつ歩いていく。よく分からない三角状の壁をよけると、なんだか刑務所と勘違いしそうな通路があり、階段も見える。さっきの462段に比べたら可愛いもんだ…と思いつつ12段ずつの階段を2つクリアしていく。突きあたりを右に曲がると電気が点いていない薄暗い改札が見えた。駅員らしき姿はどこにも見当たらない。すると部長が
「無人駅…いいね…」
と言い、大輝が
「いいですねぇ、この感じ」
と言った。日和は改札付近の写真を撮影していた。そして、改札を抜ける。切符は部長が「記念に持って帰るんだ」と言っていたので、とりあえず財布の中にしまっておく。
待合室の中には大きめのテーブルが1個あり、そのまわりにはベンチが置いてあった。部長が言うにはシーズン時は登山客でこの中がとても混雑するらしい。
駅の外に出る。そこに待っていたのは緑豊かな自然の風景。晴れていて緑が少しまぶしく感じる。どこからか川の音も聞こえる。ここは何県なんだ?と思いながら持ってきた地図を見る。土合駅、土合駅っと…お、見つけた。…ここって、群馬県のギリギリ北?すぐ上には新潟県って…すごいところに来ちゃったな、と改めて思った。
駅の前で研究部メンバーで記念撮影。その後、駅の中の待合室に戻ってベンチに座って皆といろいろ話す。次に乗る列車は10時19分だそうだ。
そして列車が来る10分前になったので列車が来るホームに行く。切符は熊谷駅で買ってある「土合→熊谷」と書かれている切符を部長から渡された。部長達の後をついていって、またさっきのような階段を降りるのか…と思ったら、改札入ったら右に歩いていく。通路のつきあたりを左に行くと、外に出た。すると目の前には線路が見えた。それにホームも見える。
「これが土合駅の面白い所だよ!」と部長が言った。下りホームは地下にあり、上りホームは地上にあるという…よく分からない駅だ。ホームの先端まで歩くと、少し離れてるところにコンクリートの物体が見える。この物体について部長が説明する。これは昔ホームが向こうまでつながっていたそうだが、ある日に土砂崩れが起きて一部が流されてしまって、そのままになっているのだという。
そして列車がホームに入ってきた。乗り込む時にホームと列車のドアの段差が大きくて気をつけないとつまづいてしまいそうだ。4人掛けの席に座り、外の景色を眺める。するとすぐにトンネルに入ってしまった。「本当に山奥に来ちゃったんだなぁ…」と思っていると、みんなは相変わらず鉄道の話をしているのが聞こえる。
時々見えるトンネルとトンネルの間の景色を眺めていると、水上駅に到着した。乗り換えするので降りて反対側ホームに停まっている普通列車の高崎行きに乗り込む。この後は自分は寝てしまったので部長達が何を話していたのか憶えていない。気づいたらもうすぐ高崎駅に到着するところだったのだ。
それからまた乗り換えて今度は熊谷へ行く列車に乗って熊谷へ帰った。それから部長と大輝と別れて日和と一緒にバスで帰って14時ぐらいには家に帰ってきた。なかなか疲れた…というか酔い止め飲んだはずなのだが…酔いが残ってる?
若干酔いが残ってる事に対し憂鬱になりながらも、今日の日和の顔を思い浮かべる。初めて見たあの笑顔。なぜか頭にその顔が強く残っている。なぜなのかは分からない。ああいう趣味を持っていたのは今日初めて知った。
そして、ベッドに横たわって今日の部活での旅を思い出す。全く興味の無かった列車で山奥へ行き、なぜか400段以上もの階段を登った…無駄に疲れた気がする。
「まぁ…こういうのも悪くはないかもな…」と思いつつゲームの電源をつけた。
なるべく遅くならないように頑張って書いていきたいと思います。