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第1列車「鉄道研究部?」

第1列車、「鉄道研究部?」、発車します。


文がおかしくなってしまってないように気を配りましたが…もしおかしかったら報告してくれたら嬉しいです。


初めて書く小説なので至らぬ点もあるかもしれませんがよろしくお願い致します。

小鳥の声が響く朝。


ある家の部屋に目覚まし時計の音が響く。


「う…うぅ~ん…」と声がすると、布団から手が出てきて、その手が目覚まし時計を止める。時計はAM7:00と表示している。


「さっさと起きないと…新学期早々に遅刻は嫌だからな…」


布団から男が顔を出す。彼の名前は、小島(こじま) (あつし)。今日から「功南学園」に入学し高校生としての生活が始まるのだが…


「…あれ、筆箱どこだ?鞄はどうするか…」


全く準備せずに夜遅くまでゲームをやっていたので起きてすぐに焦って準備する始末。


準備が終わったのは7:10。部屋が2階なので朝御飯を食べるために1階へ降り、リビングへ行くと…


「おっはよ~♪」


母が料理が並ばれてるテーブルの前に座っていて、自分が現れたら笑顔でそう言った。それに対して自分は


「おはよう…」


と、明るい声に対しつい無愛想な反応をしてしまう。朝から明るいなぁ…と思いながらテーブルに座って朝御飯をいただく。


「今日から新しい学校ね~♪どう?今の気持ちは?」


「…眠い」


「もぅ~ダメでしょ、新学期初日からそんな事言っちゃ。今日から楽しみにしてる日和ちゃんがかわいそうだと思わないの~?」


「それは…」


母が言った「日和ちゃん」とは、自分の幼馴染の、東城(とうじょう) 日和(ひより)。家が隣同士で小さい頃からよく二人で遊んでいた。自分の前以外では物静かな子で学校内でも人気が高く、中学校ではよく男子に告白されたそうだが、すべて断っていると聞いた理由を聞くといつも顔が赤くなって黙ってしまうので真相は分からず。


だけど…最近、その理由が分かってきたような気がする。気がする…だけ。


朝御飯を食べ終わり、制服を着て洗面台で髪形を整えていると玄関のインターホンが鳴ったと同時に玄関が開き、


「おはようございます!」


と声が聞こえた。すると母が


「あら~日和ちゃんおはよう♪もうちょっと待っててね~」


と言った。そろそろ行かないとか…と鞄を持って玄関で靴を履いて、二人で


「「行ってきま~す」」


と言い、


「いってらっしゃ~い♪」


と返ってきた。



二人で並んで歩く。小学校からこれはずっと変わらない。

「あっちゃんおはよう~」


「…おはよう」


「朝から元気ないね?」


「…そんな事ないよ」


「ふ~ん、ならいいんだけど…」


自分はふと彼女の腰まで伸びている黒髪を見る。いつ見てもこいつの髪、綺麗だよなぁ…それでいて物静かなのだから、人気なのが分かるかも。


「髪、染めたりしないの?」


「しないよ~、髪が痛んじゃうもん」


「偉いんだな」


「えぇ!?そ、そんな事…ないよぅ…」


そんなに赤くならなくても…と思っていたら、


「お二人さん、朝からラブラブですなぁ~?」


と声が聞こえてきたと同時に肩にドカッと何かが乗っかってきた。


「香奈おはよう~」


「ひよりんおはよう!」


彼女の名前は初川(ういかわ) 香奈(かな)。日和の中学からの友達だ。いつも自分に異様に絡んでくる…ような気がする。こういうタイプは苦手なんだよなぁ…


「なんか言ったか?」


「いえ何も言ってませんよ」


心の中読まれたかと思った…それから3人で歩いてこれから3年間通う「功南学園」の校門に着いた。この学校、私立だけあって広いなぁ…そこで


「敦~、東城さ~ん、おはよう!」


と声が聞こえた。振り返ると自分の親友の高橋(たかはし) 大輝(ひろき)が走ってきていた。


「大輝、途中で合流するんじゃなかったのか?」


「すまん、少し寝坊して遅くなってしまった」


「高橋君、私には何も言わないのはどういうことかな?」


「あぁっ!初川さんおはようございます!」


初川さんから一瞬殺気を感じた…気のせいかな?


4人で校内に入り、下駄箱で靴から上履きに履き替え、入学式が行われる体育館へ。


体育館に入ると最初にホワイトボードにクラス別に名簿が貼られていて、自分の名前を探すと…あったあった、1-Cか…おっ、日和と大輝も一緒のクラスか。初川さんは…1-Aらしい。「また会おう皆の衆」と言い残して1-Aの座席の列に入っていった。


「俺達も行くか」


「うん!」「そうだな」


3人で1-Cの指定された座席に座り…10分ぐらいすると全員が登校して席に着いたみたいで、入学式が始まった。


…正直、半分寝ていたのでよく憶えていない。唯一はっきり憶えてるのは担任の先生が女性だった事だけ。


式が終わり、クラスごとに教室へ行き、最初に指定されている席に座って担任の話を聞いた。


「最後に、部活動を決めてもらいたいんだけども~」


…部活か。正直だるい。家に直帰してゲームやって音楽聴いて飯食って寝たい。そしたら担任が


「今日中に全員絶対にいずれかの部活に入らないといけない決まりなの」


なんだと!?俺の快適ゲームライフが潰れてしまうじゃないか!…いや、まだ、手が残っている。適当な部活に入って幽霊部員としてしまえば帰宅部ライフになる!担任から配られた部活一覧の紙を見てどの部活に入るか決める。


運動部で幽霊部員はマズイだろうから…文化部から選ぶか、う~ん…どれにするか…ん?「鉄道研究部」?鉄道か…物好きな人が集まってて人数多そうだし、この部で幽霊部員になろう!そうと決まれば入部届を書いて出しに行こう!





放課後、教室を出ると部活の勧誘で先輩達が集まっていた。その中をなんとか抜けて部室へ歩いていく。そして部室の前にたどりついた。


「ここか…」


ドアに手をかけて、「失礼します」と声を出してドアを開けると中には…男の人が…一人で…泣いてる?


「どうせ…鉄道なんかに興味持ってくれる人なんていないんだ…せっかく作ったのに…これじゃすぐに廃部になっちまうよ…」


そんな声が聞こえた。声をかけようとしたら自分に気づいたのか、


「!?おぉっと失礼、ようこそ鉄道研究部へ。私はここの部長、関根(せきね) 大一(ひろかず)だ。ちなみに2年だ。」


というなり部長らしい人が手を握ってきた。


「ど…どうも。自分は1-Cの小島 敦です」と自分は答えた。


「小島君か!よくこの部活に来てくれた!よろしく!」


「は、はぁ…」


それから10分ぐらい関根さんから鉄道の色々な話を聞かされた。全く興味ないのに…そしたら最後に、


「来てくれたのは嬉しいのだが、あと部員が2人必要なんだ」


「え?」


「最低でも4人所属していないと部活として認められなくて…人数が足らないと廃部になって別の部活に所属しないといけないんだ」


「そうなんですか!?」


それは知らなかった…あと2人いないと俺のゲームライフが…と思ったら部室のドアが開き、そこを見ると…


「大輝!?」


「失礼しま~すって、敦!?なんでここにいるんだ!?」


「それはこっちのセリフだよ!お前は柔道部に行くんじゃなかったのか!?」


「行って見学したんだけど…怖そうな人ばっかだったから逃げてきたんだよ!」


「そんな理由で中学時代の頑張りを無駄にするなぁぁぁ!」


「それに俺、鉄道好きだし」


「え?」


初耳だ。大輝が鉄道好きだったなんて。全く聞いたことがない。そしたら関根さんが


「君のようなのを待っていたんだ!」


と大輝に抱きついた。二人で「何線が好き?」だの「何系が好き?」とか聞きあっている。話が全く分からないので帰ろうかと思ったら、「あの…失礼します」と声が聞こえたので部室のドアを見るとそこには…


「日和!?」


「ふぇ?あっちゃん?」


頭の中が真っ白になった。なんで日和がこんな所に?と聞いたら


「そ、それは…列車が…好き…だから…」


知らなかった。日和が鉄道好きだったとは。手には入部届と書かれた紙がある。それに対して関根さんは


「女性にも鉄道好きがいたなんて!歓迎するよ!」と言っている。


これで4人集まったので正式に部活として認められる。これで、幽霊部員で優雅なゲームライフを…と思ったら関根さんが


「よし!これから全員で列車で旅したりレポートを書いたり計画を立てたりするぞ!また明日放課後来てね~」


そ…そんな…俺のゲームライフが…自分の計画が脆くも崩れ去ったのである。


大輝は関根さんと家の方向が同じだそうなので一緒に帰っていった。自分は日和と一緒に家へ帰る。


二人で並んで歩く。これは小学校からずっと変わらない。少し歩いたら日和が


「本当は適当に部活に入って幽霊部員になるつもりだったんでしょ?」


「…図星」


「やっぱりね~。あっちゃんの事だからそうだろうと思ったんだ」


…返す言葉がない。そしたら彼女が


「でも…楽しいと思うよ。列車で旅するの。私が教えてあげる♪」


本当にビックリだった。彼女にそんな趣味があったなんて。


家に帰ったら彼女から色々鉄道に関する事を聞かされた。それと、初川さんはバレー部に入ったそうだ。全くそういうのとは無縁な人だと思っていたから意外だった。そして日和は隣の家へ帰っていった。


その夜。もうそろそろ寝ようと思ってゲームの電源を落とし、布団にもぐった。


「しかし、初日からいろいろあって疲れた…」


学校の事もそうだが、一番驚いた事は日和が鉄道の趣味を持っていた事。これには驚いた。彼女は「恥ずかしいから」と黙っていたようだったが、家に帰ってからの日和は終始笑顔だった。ここまでの笑顔は見た事がない。その笑顔に対し自分はドキドキしっぱなし…。今まではこんなドキドキする事はなかったはず。あいつとは、ただの幼馴染。そう自分に言い聞かせつつ、就寝した。


次回、第2列車「モグラ駅?」

…と、第1列車はここまでです。


次回は日本一のモグラ駅に鉄道研究部が行きます。


日本一のモグラ駅と聞いてピンと来たあなたは素晴らしいです。


楽しみに待っていただければ幸いです。

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