少女
えー、結構前に書いたものなのですが、改稿せずにあげました。
未熟な点がとても多いと思います。
それでも、「読んでやる」という心が海のようにひろいかたはどうぞ読んでやって下さい。
―――少女がいた。
少女は、無性に本が好きだった。
部屋は本で埋め尽くされていて、
素敵な物語達に囲まれた生活が、
少女は大好きだった。
『綴られている文字たちに心躍らせて、いろんな世界を旅する。』
少女の読書に対する考え方はこれだった。
さまざまな物語は一つの世界であり、自分は次々とうつりゆく。そんな様子が、まるで旅するかのようであると。
≪なんて素敵なのかしら。≫
少女は思った。
――そして、ふと気付いた。。
本は全てが自分と同じ、『人間』が生み出しているという事に。
≪神様みたいだなぁ≫
さまざまな世界を作り出す。
まさに、本にとっては作者がその世界の神なのであろう。
少女は、少しずつ、憧れを抱き始めた。
そして、
≪小説家に…私も神様の仲間入りしたい≫
少女の願いは着実に、明確なものへと変わっていった。
そして少女は、少しずつ、神へと近づいていく――。
最初はすごく簡単なものだった。
そこから少しずつ、難しくも深く、長くも飽きず、とても楽しく綺麗な世界を生み出し、作って行った。
登場人物たちはみんな、幸せな運命を迎えた。
―――そうして少女はついに、神となった。
素敵な物語。
読むのが大好きだった少女は、
自分でも物語を書くようになり、とうとう作家になった。
素敵な世界。
旅するのが大好きだった少女は、
自分で世界を作るようになり、その神となった。
―――夢が叶ったら...それはとても素敵だね。
誰かが、ふと、呟いた。
神様、なんて、大それたことを言っています、よね…