光
その日はやたらと降り注ぐ日差しが眩しかった。周りのゴミどもは傷だらけの子供を見ても知らぬそぶり。路地裏の壁にもたれ座り意識が朦朧とする中、小さな彼女だけが俺に手を差し伸べた。その手を最初は拒んだが、天使のような純粋無垢な微笑みを浮かべている彼女を見て俺は(違う、この子はあのゴミクズどもとは違う、この汚いゴミだめで唯一綺麗な存在だ。守らなきゃ、汚れないよう、傷つかないように、俺が守らなきゃ)と思った。彼女は俺の服を掴んでくる。そして、俺は彼女の手をとった。とても小さく暖かい手だったのを覚えてる。俺は、どんなことをしてでもその温もりを守る。誰にも触れさせぬようにその温もりは俺だけのものにするために。