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8頁目 寂しい宇宙人にも交信は不可欠

今回は、以前のカウンセリングの時に話したことを思い返して書いてみようと思う。

なので、少しいつもと書き方が違う事をはじめに断っておこう。




最近トラウマや自分の苦しい部分と向き合う日々が続くためか、おそらく人生で一番しんどかった(?)虐待された時の事を思い出すことが多い私。

とはいえ、父に手を上げられたのは覚えているだけでも2,3回で、母からは直接の暴力などなかったので「大した事はない」。


しかしカウンセラーと産業カウンセラーによると「それは立派な虐待です」とのこと。


カルト宗教にハマる父と、マルチや訪問販売に傾倒する母。

二人は頼る人もおらず、自分を肯定してくれる人もおらず、生きづらさをお金で解消することで生きてきた。


父はほとんど働いていないようなものだったが、幸運にも公務員として長年勤め上げた母にはお金があり、分不相応なその収入で二人は「思い通りの生活」を手に入れていた。


私はそんな二人を馬鹿だと見下していた。

が、


「もしかして、私……お母さんがお金があったから、そこまで殴られずに済んだんですか?」


「……そう思います。」


カウンセリングの途中、私ははっとしてカウンセラーに確認して気がついた。

お金があったおかげで、私は更なる暴力から逃れる事ができていたのだった。


もし母が働けていなかったり、両親が収入でまかないきれる以上のお金を使っていれば、私には更なる地獄が待っていたのだと知った。



発達障害は、生きづらい。

そして私の家族の場合、両親の育った状況も踏まえると、ゆがんで育つのも仕方がない部分がある。


それは、父方の曾祖母そうそぼの父への溺愛できあいの末に、父方の祖母がまともな教育を阻害そがいされたことが一つ。

強いADHDが疑われる母方の祖父が、大切な一人息子として育てられ、許嫁いいなずけだった母方の祖母は、幼い頃から文句を言いつつも言いなりになるしかなかったのが一つ。


そして、無能ながらも会社の社長を継いで妹に頼りきりの父。

根深い学歴コンプレックスを持ち、優秀な弟妹への敵対心を育てて大きくなった母。


彼らは世間から爪弾きにされながら、お見合いで出会い、寂しさを埋めるために同レベル同士で一緒になった。

だから、互いに文句を言いながらも平気で一緒に生活ができたのだった。



それでもいやせない承認欲求は、皆それぞれ決まったところでいやすしか無い。


爪弾つまはじき者がお金さえめば存在が許されるのは、「宗教」「マルチ・ねずみ講」「占い」「ホスト」「ギャンブル」などだ。

もちろん、爪弾き者でなくても自分の裁量さいりょうで利用する者も多いのだが、寂しい爪弾き者の受け皿となっているのも事実だ。



もちろん私も、どこかで歯車が狂えば簡単にそれらの餌食えじきになってしまうだろう。

学生時代にファンタジーとして宗教を調べた時も、今思えば危うかった。

占いのようなスピリチュアル系や、お金を払うマルチ系も、私はハマる素養が一段と高いと思う。


だがそんなモノに、自分自身が知らないところで救われていただなんて、思いもしなかった。

もし母に充分な収入が無く、父の宗教狂いにも「お金で黙らせる」ことができなかったら、私はどうなっていたのだろうか。


少なくとも、実家を出るきっかけになった大学受験はできないし、現実を突きつけるきっかけになった大学時代の子達とも出会わなかった。

そして、ストレスを溜めた大人達の言うことを聞くしか無く、さらに地獄の日々を過ごすことになっていたかもしれない。



それも、まだ過去の話ではない。

私が何らかの形で働けなくなり、実家に帰るしかなくなった場合は、年金を食いつぶさんばかりに浪費しているらしい彼らの元に帰らなくてはならないかもしれない。

(それだけ色々言っておいて、何としてでも帰らない選択肢は無いんかい!というツッコミ、正しいです)


その時には、私のメンタルは終わり、無敵の人になるしかない。

無一文になったり病気になって人生詰んだ時、自殺する勇気があれば一番幸せに生きられるのかもしれない。


何せお金が無ければ、住む場所も無いし、カウンセリングもできないし、まともに働けないのだから。


「絶対に家には帰らない!」と思っているつもりの私がどこか腹をくくれていないのは、そこの覚悟に関わっている気がする。

生死をかけた親との決別ができれば、私はもっと死にものぐるいで真剣に働けるはずだし、自分とも向き合えるはずだ。


まあ、それができないから今は、カウンセリングにお金を使っているのもあるのだが。

だがカウンセリングにお金を使っているのが「無駄だ」と感じたとしても、ゆっくりでもここまでメンタルを持ち直したのだから、実際は無駄ではなかったのだろう。

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