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1頁目 「めんどくさい」に隠されたトラウマ

本日のカウンセリングは、主に「めんどくさい」と言って何もやらない自分の心理についてがメインテーマだった。



十年ほどカウンセリングを続けている私だが、今でも毒親による「学習性無力感」によって何もやる気が起きない。

自分自身のことすらも、落ち込んでいる時は特に何もできないのだ。


しかし十年間のカウンセリングの甲斐あってか、母親のようなゴミ屋敷を作り上げるとか、父親のように極力風呂に入るのを嫌がるなんてレベルにはならずに済んでいる。

そんな状態だ。



その無力感の一つの理由は、親が子供達を自分の言う通りにしたいために指図し、思い通りにならなければ怒鳴るということを何年も繰り返してきたためだった。


「勉強が嫌だ」と思っていても、自分の本音を言えば親から見放されてしまう。だから自分の心にフタをして「頑張るね」と言い続ける。

親はそんな子供のことを何とも思わず、点数や順位が下がれば文句をつける。


「普通の親は、子供の普段の様子を見ているから「点数は下がったけど、よく勉強したからこれだけの減点で済んだ。頑張ったね」とか「勉強せずにいたから、これだけ点数が下がった。何をやっているんだ」と子供に声をかける事ができます。けれど、あなたの親は二人ともそれができないんです」

とカウンセラーは言った。


私は、「勉強ができる」以外に価値のない子供だった。

だから、勉強をするのが苦しくても本心を言えず、素直に「勉強するのが嫌だ」と言っている子達を見て「あんなことを素直に言って、馬鹿だな」とせせら笑うことで自分を守ることしかできないゆがんだ子供だった。

今も、ゆがんでいる。


「あなたの親は確かに、子供を育てられるような人間じゃありません。けれど、そんな親に期待して落ち込むあなたもかなりおかしくなっています。あなたの親は、人のことを想うことができず、嘘ばかりついてきたあなたの鏡ですよ。そんな親が、あなたを愛すると本気で思えますか?」


「はは、思えませんね」


私は笑いながら答えたが、過去に同じことを言われた時はムッとして答えていた。

それは、親をおとしめることで自分はマトモだと思いたい心理から、カウンセラーの言葉に分かってるフリをしていたからだった。

たとえ、その言葉が図星で、かなり耳が痛かったとしても。


ここで、「めんどくさい」と私が言う時の心の定義は何か、カウンセラーが伝えようとしてきた。

しかし私は、はじめ素直に聞けず、無意識に話をらそうとしていた。


そこでカウンセラーは、「聞きたいのか、聞きたくないのか教えてください」「自分の心にある答えを、ただ正直に言ってください」と言ってきた。

私は、「聞きたいです。けれど、それで自分が何かをしようとは思えないです。でも聞いたらやりたくなるかもしれないと思ったから、聞きたいです。たまにそうなる時があるので」と言った。


「変わる気がないなら、言っても仕方ないからやめましょう。「たまにそうなった時」ではなく、現時点では聞きたくない、ということですね。」


カウンセラーの言葉に、私は「確かに」と納得した。


「そうなんです、聞いたらやらなきゃいけないと思うんですけど、大体「めんどくさく」て……あ」


そこで、自分は「めんどくさい」という言葉に逃げていることを自覚した。

カウンセラーが言うには、「めんどくさい」という理由づけを自分にしておけば、自分自身の本当の感情に向き合わなくても良くなるので、私は「無意識と区別がつかないレベルまで瞬時に「めんどくさい」から理由づけする」ようになってしまったのだと言う。


「どうですか?」


「あ、納得しました。……それと、「めんどくさい」の定義、聞きたくなってきました。怖くてつい、話をらしてしまってたみたいです。」


「あなたは恐怖心が強すぎて、そういう傾向がありますね。では、説明しましょう」



一つ目は、「嫌なことをやらなきゃいけないのは分かってるけど、正直に言って自分が傷つくのが嫌だからそう思っている」という状態だと言う。

私の具体的な例で言えば、勉強をするのが嫌だが、それを母に言えば見放されるから「(めんどくさいけど)勉強頑張る」と言っている状態だ。


二つ目は、「やりたくないけど、それがバレるのが嫌だから隠している」状態だ。


自分の今の状況からして、やりたいと言う必要はない。

しかし、「悪い子」に見られるのが絶対に嫌だから隠して「やります!」と言う(けどめんどくさいから適当にやり、怒られたら「めんどくさかったんで……」とごまかす?)状態だ。


「この二つを、まずは自覚することが必要です。自分自身では大して変わってないと思っていても、一年前や二年前のあなたと比べれば、かなり変わっていますよ。他人に与えてもらうことを望みすぎず、「面倒くさい」と思わず自分自身のことをケアできるようになれば、あなたはもっと幸せになれますよ」


「今は無理なので、一ヶ月に一回じゃなくて、半月に一回にカウンセリングさせてください。あらかじめ決めてないと、落ち込んでいる時「カウンセリングで耳が痛いこと言われるかも……」と思っちゃって、なかなか連絡できないんですよね。受けた後は、「早く受ければ良かったな」って思うんですけどね」


「わかりました、予約を確認します」



そんな感じで、今回のカウンセリングは終了した。

実際はもっと色々と話していますが、まとめきれないのでこんな感じにしてみました。

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