プロローグ
1、プロローグ
彼女が死んだ。24歳という早すぎる死。原因不明の病によって。
死は平等だ。全ての動物に等しく存在する終わり。人は産まれ、そして必ず死ぬ。わかっている。そんなことはわかりきっている。
でもどうして彼女が、唯華が死ななければならなかったのか。世の中には野放しにしてはいけないほどの犯罪者や社会のお荷物が沢山いるじゃないか。なのに何故、真面目に生きてきた唯華が、、、、。
これが唯華の運命だったというのなら。世の理の全てが運命という言葉で片付けられてしまうというのなら。
俺は運命を心の底から呪ってやる。
俺の人生における絶対の、唯一の華である唯華を失ってしまうのならば。
そうして俺は縄を括った。
、、、
「チャンスをやる。全てをやり直すチャンスを。」
、、、なんだ?
「お前が望む運命を。敷かれたレールを壊すチャンスを。」
、、、何を言っている?どういう走馬灯だ?
「運命に反逆せし者よ、お前の望む世界を掴み取ってみせよ。」
、、、、、、、
、、、、、、、
あれ?俺は死んでないのか?ここは?病室、、か?
、、誰かが通報したのか、、もう生きていたって意味なんかないのに、、、とにかく看護師を呼ぼう。死ねなかったのならさっさと病院を出てまた死ぬだけだ。
「んぎゃあ」
、、、?!?!何故喋れないんだ?!んぎゃあてなんだ!
「んだぁぁぁぁ!!」
、、、!?!?なんだこれ!?まるで赤ちゃんじゃないか!
「ほらあなた見て、この子喋ろうとしてるみたい、可愛い」
「ほんとだねぇ、可愛い僕らの息子だ。」
この声、、母さんと父さん?俺が中学3年の時に事故で死んだはず、、
まさか、死ぬ時に聞いたあの声、、、俺は赤ん坊から人生やり直してるということか?!強くてニューゲームってこと?!そんなの有り得ない、、、有り得ないのに、、この声はどうしたって父さんと母さんだ。まさかもう一度、もう一度聞くことができるなんて、、泣きそうだ、、赤ん坊だから泣くの当たり前だからな、泣こう、うん。
でもどうやら間違いなさそうだ。俺は人生をまた1からやり直すことができる、、、!
必ず、必ず母さん父さん、そして唯華を救う。クソみたいな運命とやらをぶっ壊してる、、、!!!