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第1話 説明

よろしくお願いします。

昔々、世は戦乱の時代。戦場である街の小さな酒場に1人の老人と、フードを被った男性が仲良く酒を飲んでいました。

その2人以外、店員を含めたそこにいるものは戦争を避ける為に避難していていなかったので、それなりの声で話していました。


「この世界は残酷で。救いようもない。弱肉強食など、良い例えじゃ。強き者は生き残り、弱い者は死んで逝く。この世の摂理ではあるが。強き者が生き残るのならば、すなわち最後には一番強い者以外無くなってしまう。孤独だとは思わんかね」そう老人が言う。


「そうですね」

「では、問おう。現最強である其方は儂の理論(これ)をどう思う?」


「そのような考えは特殊ではありますが、良いと僕個人では思いますよ。ですが、」

「が?」

「僕は壺の中の争いになんて興味はないんですよ」


「これを蠱毒と例えるか。いずれ、最強の毒虫がお前さんを殺しにくる日が来るかもしれんぞ」

「それは大丈夫ですよ。なぜなら、」

「なぜなら?」


「いくら強くても、上には上がいますから」フードをかぶった男性は立ち上がる。

「もう行くのか 『天災』よ」


「ええ。弟子が待っていますので。ではこれにて」

そう言って、フードを被った男性は酒場を後にした。何か書かれた紙を残して。それを儂は見てみる。

「…これが貴様の答えか。やはり面白いな」


そう呟いた瞬間急に持病の発作が起こる。儂は口を押さえ咳き込む、発作が止まったのを確認して手を離すと、そこには大量の血をが付着していた。

「っふ、儂もここまでか。奴の行く末をこの地で見守れぬことだけが悔やむのう」


「『天災』ゼクト・アウグストよ。汝の未来に幸福あれ」

そして老人は程なくして、静かに息をひきとった。







この世界は創世神が生み出した弱肉強食の世界。その世界のうちの一つの国家で、僕が今現在住んでいる王国では、隣国である、帝国に攻められている。けれど、僕にはあまり関係がない。そんなことよりも眠い。

そう思って僕は近くにあるソファーに移動し、足を伸ばして眠る姿勢になる。


「何やっているんですかーーー。ししょー」

「ん?見てわからない?昼寝だよ昼寝」

と聞き慣れた声のチビ助がやってきた。


彼女は、イウリ。金髪の黒眼で僕の弟子だ。背は低いし沸点も低い。どーしようもない女の子だ。

と考えていたら、いきなりイウリに蹴られた。


「ししょー、いつも言ってますけれど、昼間寝て、夜に起きてやるきとをやるなんて、体に悪いですよ。ちゃんと規則正しい生活をしてください。具体的にはですね。昼寝をしないで我慢して、夜にやることを昼間にやって、夜はしっかり寝てください。」と、僕の今現在の生活リズムを全否定してくる。


「あーわかった。じゃーこうしよう。僕がやるべきことも僕の弟子であるイウリがやる。そして僕は、昼寝もして、夜も寝るから。それなら良くない?」

「お!か!し!い!で!す!」


うるさいイウリから逃げて、僕は椅子を持ってベランダにでる。



僕たちがいるのは、人里から離れた家で2人で暮らしている。特にこの辺りでは有毒である特殊な霧が発生していて、僕たちのところまで来ることはできない。

え?それじゃー、僕らも生活できないんじゃないかって?それは、魔法があるから大丈夫。


この世界には魔法がある。魔法は便利な反面、やや使い勝手が悪いところもある。

僕は主に、ここで新しい魔法の研究をしている。あ、そういえば自己紹介をしていなかったね。


僕の名前は、ゼクト。この世界に生まれて、何年経ったかは分からん。けれど見た目は二十代くらいに見えるお兄さん。髪は茶髪で身長は平均くらい。ついでに紅眼です。


ある日平凡に暮らしていた僕のところに、偉い人がやってきて。僕は連れていかれた。よくわからないところに連れてかれてそこで、色々あって、僕は、そこにいた主人含めて偉そうなやつら全員をぶっ殺して逃走。


けれど、殺しちゃったやつの中に偉い奴がいて、現在頑張って逃走中。

その時、僕と一緒に連れてこられた、イウリと出会い、弟子にして一緒に逃げてきた。その後この場所を見つけて、ここに住んでいる。そして今に至るってわけさ。








ーーーーーーーーーーーー





「ししょー、聴いてました?私先ほど言いましたよね?」

「うん?昼寝するなって話?」

「そうですよ。なのになんで寝ようとしてるんですか」


「それはもちろん眠いからさ」

「堂々と言わなくてい!い!で!す!!」


「イウリはうるさいなぁ。そんなんだから小さいんだよ?」

「!!ししょー今どこを見て言ったんですか?」

と、イウリは殺気を放ちながら僕を見る。


「もちろん、背丈だけど?それ以外にあるのかなぁ」

「ししょーはエッチいので私の胸のことを言っているのかと思いました」

「お、理解してたんだ。たしかにイウリの胸もちいさ…」

「それ以上言ったら、今日の晩御飯抜きにしますよ」

「すみませんでした」


そんな呑気な話をしながら僕は静かに目を閉じる。

「もう本当に。ししょーは手間がかかるんですから。」

そう言って、僕のところにタオルケットをかけてくれる。イウリはいつもはツンケンな態度を取ってくるけれど、根は優しい、とても良い子なのだ。


口は悪いし、背は低いしその他諸々ダメなところはあるけど。

まぁ、そんなことを考えていても仕方がないので、考えるのをやめて僕は静かに眠る。


これが僕の毎日。そして僕の今の生き方。


『世界最悪の天災は、今日もこの地を翻弄す。』






ご愛読ありがとうございました。

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