9話
「なぁ、ここが龍の谷?」
「はい、ここが、そうです。」
「兄様少し、というか大幅に違和感しかないですね。」
そう、前にあった風景は、とてつもなく巨大な、山と山の間の谷出会った。そして、入口の前には、二足歩行のリザードマンと呼ばれる龍種がいた。リザードマンは、ベビードラゴンの進化の一種で器用さがほかの龍種の中では高かった。
「おい貴様らは何者だ?」
「割と流暢に、話せるんだな。ガラガラ声なのかと思ったよ」
「兄様、龍種は、大抵流暢に話せます。話せないのは、知能の低い竜と呼ばれる種だけです。」
「龍と竜の違いがわかんねぇ。」
「知能の有無だけです。」
「まぁ、いいや、おれは、ウィーク。こっちは、妹の」
「ヘルです。兄様のメイドをつとめています。」
「見た感じは龍種なのだが?まぁ、ランダムでもしたのだろう。下手したら悪魔種になっていたかもしれないのにな。」
「悪魔種って、なにか不都合でも?」
「悪魔は、魔力の塊で生まれる。だけどベビーデビルと呼ばれる悪魔の子になると自分では維持ができない。そして、消滅するのだ。それから、守ってくれるのが親の悪魔達だよ。良かったな。」
「やべぇ、下手したら消滅するところだったのか。」
「それで、何のようだ?」
「強くなりたいから、来ただけ。死にたくねぇし。」
「いいが、まずは、王にあってもらうぞ?」
「王にはいつ会える?」
「そうだな、谷の中に入ったらすぐ会えると思うぞ?」
「入っていいのか?」
「いいぞ?」
「軽くないか?」
「魔物であれば、誰でも入っていいという決まりだからな?」
「そうか、なら入らせてもらうわ。」
そういい、龍の谷の中に入っていった。