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さよなら異世界 〜精霊の鍵〜  作者: オムラムライス
9/66

灯台もっと暗し

「クコココココ………!」








潰れた片目で恨めしそうに俺を見るまる呑み鳥。




どうする……!? どうやってこの場を

切り抜ければいい…?…。






もう片方の目にも、石を当ててみるか?

いやダメだ……、ただでさえ興奮しているのに

これ以上刺激するワケにはいかない。






……つーかそもそも、こいつ何で

こんな森の入り口に居んの?






ギルドのお姉さんが話してた目撃場所からは

あまりに離れすぎている。



生き物が自分の生息場所を離れるのは

それなりにリスクが伴う。

にも関わらず、こいつは正反対の入り口付近に

いた。








………ひょっとして…?





俺は持っていた石を正面の鳥から見えないように

背中から上空へ放り投げた!




「クコッ?」




案の定、視界を上に向けた鳥を確認した俺は




「今だっ!!」





全速力で森の入り口……ではなく

森の奥、モンスターの生息地へ駆け出した。





「クエッ!? クエエエエエーーー!!!」




すぐに目線を俺に戻した鳥は

凄まじいスピードで追いかけてきた!




「ハァっ、ハァっ! くっそ速ええ!

頼むぞ、これでダメだったら…………!」




と、森の中間を越えたあたりだろうか





「クルルルル………! ………。」




いきなりその脚を止め、警戒するように

俺が立つ場所、そのさらに奥側をみつめている。




「ハァっ、ハァっ! ッハァッ………。

やっぱりか…、追ってこなくなった。」




生き物がその生息地域を離れるには

いくつか理由がある。




その地域で食べる物がなくなったり、産卵の為

安静にできる場所を探したり等、生物としての

本能で動いている。




だが、一番シンプルかつ最も多い理由は……。





「その生物よりも上位の、食物連鎖の

上にいるものから離れるため…だよな。」




つまりあの鳥すら餌にする化け物が

この奥にいるという事。




「はあああぁぁっ〜、どうやって帰ろう。

つーか、ここどこら辺なんだ?」




辺りを見渡しても木ばかりで、ここが何処なのかもわからない。





__グウウゥゥっ。






時刻もそろそろ夕方。

早く帰れると思ってた時期が俺にもありました。




「入り口側に戻れば、まる呑み鳥。

奥に進めば それ以上の化け物。」




前門の鳥 後門の何か。

どっちに行っても、吾輩は餌である。




「ハァっ、美味しく頂かれる前に美味しいものが

食べたい。」


持っているのは依頼のヒールキノコだけ。








………1個くらい食べちゃってもいいよね?






よしっ! そうと決めれば一番デカくて

食いでのあるキノコを選ぼう!



キノコを入れてた袋と、多めに採った分を

入れていた まる呑み鳥から取り返した袋も

ひっくり返した俺は




「ふんふふ〜〜ん♪

どれにしよっかな〜。 ん? 何だこの紙切れ?

こんなんあったっけ?」





鼻でもかんだヤツかな? と思い捨てようと

拾い上げたその紙を見て








「…………ああああっーーー!!?」





森中に響く大絶叫をあげた。






「こ、これっ……! これって………!?」






その紙に描かれていたのは、この世界の全体図。

俺が居たオパールの町から今まさにいる

このリングフォレスト、その他の都市や港の

場所や名前まで、こと細やかに記されていた。




「何でこんなもんが俺の袋の中に……!?

え? いつから入ってた?」




手に入れた記憶がどこにも無いって事は

オパールの町に来る前か…?




思い出せっ……! オパールの町の前って事は

このリングフォレストで野犬に追いかけ回された

とき……いや、もっと前? この世界に来る前か?







ええと……確か…転生する前に神様に

この袋を受け取って、確か……!






「餞別に簡単な食料と「地図」をあげよう。」


地図を__

地図を__





「んだよもおおおおっ!!!!!

覚えてる訳ねえだろぉっ!!


転生前に急に渡されて、着いたとたん野犬に

追い回されて! やっと見つけた町では言葉が

通じないトリプルプレーをくらったんだぞ!


袋なんかゆっくり確認してる暇ねえよ!!!」





ろくに確かめなかった俺も悪いけどさぁ!

これは無いだろ! 俺の2年間何だったの!?




涙目で地図を確認すると、この森からモンスターの生息地に向かう方角に「風の谷」と

記された峡谷が目に入った。




よく目を凝らすと「精霊の住みか」と書いてあった。





くそっ! どうせ入り口側には戻れない……。

だったら…………!





「行ってやろうじゃねえか……!

拝んでやるよ、風の精霊様のご尊顔をな…!」




2年の歳月を経て、ようやく最初の一歩を

踏み出した。


ようやくここまで書けましたよ。


物語の繋がりを描くのは難しいですね。

丸腰の空くんがどう攻略するのかお楽しみに。

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