らめぇっ、絶対
「あれが水の精霊か……。」
遠巻きに見るその女は、片手に
ティーカップ、もう片方に釣竿と
いう非常にミスマッチな風体を
していた。
「ちょうど食後のティータイム中
ッスね。あれを優雅に飲み干した
後、動物図鑑読みながら夕方まで
釣糸を垂らすんスよ。大人の女っ
て感じッスよね〜。」
キラキラと羨望の眼差しを向ける
メイは、うっとりとそう呟く。
「なるほど、俺の爺ちゃんも
ワンカップ片手に釣糸垂らして
屁こきながらウトウトしてたな、
似たようなもんか。」
「全っ然違うッスよ!!
なんつーもんと比べてるんスか
アンタ!」
だってメチャクチャ後ろ姿似てるんだもん。
しかし……。
「パッと見全然普通の女じゃん。
何でお前らそんなにビビってん
の?」
俺とメイの後ろで、ビクつきながらチラ見しているシルフィーと
カヤに尋ねる。
「ええっと………そ、それは……。」
「あ、あのコはね……その…お、
「女の子」が好きなのよ……。」
……………え…、それだけ?
「散々もったいつけるから、
どんだけヤバい奴かと思ったら
そんな事かよ。お前らに比べたら
微笑ましさすら感じるわ。」
「満面の笑み浮かべるレベルの
アンタには言われたくないわね。
パーティーでぶっちぎりの変態の
自覚ある?」
「というかソラの居た世界では
同性愛は普通なのかい?
僕達も別に否定はしないけど、
倫理的にも、お世継ぎ的にも
あまり祝福されない事なんだ
けど…。」
「基本的には「尊い」
「キマシタワー」「あら^~」
の二言三言で 済むかな。
百合なんてむしろ大好物だよ。」
「言ってる事はさっぱりわからな
いけど……そうか、自由な世界
なんだね。」
「でもそういう事なら、なおさら
ここはソラに任せましょう。
男だし、そういった物にも耐性
があるなら好都合よ。
アタシ達はここで見守ってて
あげるから行ってきて、それで
ひとしきり説明して、もう危険
は無い大丈夫だと判断したら
アタシ達を呼んでちょうだい」
「なあ、確認するけど女の子が
好きなだけなんだよな?
なんで危険生物相手するみたい
になってんの?」
超強いコイツらが怯えている事が
非常に恐ろしい。
「大丈夫、大丈夫だよソラ。
彼女は基本的には常識的な子だ。
でも何かされそうになったら
すぐに僕達の所に帰ってくるん
だよ? たぶん大丈夫だと…思…」
「おぉい!? そこで口ごもんなよ
怖えーよ! なあメイ、シズクは
お前の主なんだろ? アイツいき
なり攻撃してきたりしないよな
大丈夫だよな?」
「シズク様が興味あるのは
メスだけッスよ。
よくアクアマリン港に来た旅の
男達がシズク様をナンパしては
行方不明になるくらいッスね」
「『くらいッスね』じゃねーよ!
メチャクチャ危険人物じゃねえ
かっ! 今まさに俺もその男達の
仲間入りする寸前だろこれ!?」
と、そこまで言って俺が逃げよう
とした時だった。
「そこに誰か居るの〜?」
「 !! 」
少し離れた所から、のんびりと
した声が聞こえた。
そして指をクイッと向けたカヤと
シルフィーから、無言のGoサインを受けとる。
………行くしかないか…。
俺は覚悟を決めて、岩影から顔を覗かせた。
「よ、よう良い天気だな。
どうだ、釣れてるか?」
なるべく平静を装ってフレンドリーに近づくと、綺麗なサファイア色の髪をなびかせながら、美しい
顔をこちらに向ける水の精霊は_
「全然ねぇ。かれこれ700年
くらい前から、こうして釣糸を
垂らしてるんだけど、一匹も
釣れないのよ。釣りの才能無いの
かしら私。」
それは才能うんぬんより、海から
毛虫の如く嫌われているだけじゃないだろうか。
「ところで貴方………隊長の
知り合いかしら?」
隊長?
「名前はダイチって言うんだけど
ね、彼と同じ黒髪黒目だから…
同じニッポンジンっていうのか
と思ったのだけど……違う?」
ああ、なるほど。
名前からして、そうだと思ってたけどダイチって人もやっぱり日本人だったのか。
「知り合いってワケじゃないけど
その人と同じ目的で旅をしてる
ソラって者だ。実はその事で
アンタに頼みがあるんだよ。」
「『異界の扉』ね。」
「おおっ、話が早いな。
じゃ一緒に来てくれないか?
もう既にシル__」
と、そこまで言うとシズクは手を
挙げ、待ったをかける。
「旅に同行するのは構わないわ。
千年前に皆に付いて行った時も
旅先で色んな女の子食べられて
楽しかったし。でもできれば
その前に2つ、お願い事を
聞いてくれないかしら。」
まあ何かしら条件はあると思って
いたが…、というか女の子食うって言うなや。
若干引き気味の俺に、シズクは
錠剤の薬でも入っていたかのような大量の小さな空のビンを掲げる。
…………………?
「私達精霊は全部で13人存在
するのだけど、その内の1人
にね、カヤックちゃんっていう
おかっぱの子が居るのよ。」
__俺、その子知ってる。
「カヤックちゃんはね、天才的な
発明をたくさんする頭の良い子
なの。でもそれに反比例する程
変態で残念な所があって、最高
クラスのプリーストでも
『手の施しようがありませんね』
って匙投げられちゃうくらい。
フフッ、ごめんなさいね。
全然知らない子の事ペラペラ
喋っちゃって。」
よーーく存じ上げておりますが。
なんなら後ろの方で
「おのれ言わせておけばっ!!」
って微かに聴こえてくるんだけど、この子わざとじゃないよな?
「そ、そうか…、それは大変だな。
それでそのカヤックがどうか
したか?」
「1つ目のお願いはね、その
カヤックちゃんを先に仲間に
してから来て欲しいのよ。」
おお……? これは日頃の行いが良いからかツイてるぞ。
でも何でカヤ限定なのか気になった俺は疑問を投げ掛けた。
「ええっと……、それは別に構わな
いんだけどさ、何でそのカヤッ
クって子じゃないとダメなんだ?
その手に持ってるビンが関係して
たりするのか?」
これ見よがしにビンを手のひらで弄ぶシズクは
「このビンにはね…、元々たっぷり
のお薬が入ってたの。
その薬には「性別反転」の効果
があってね、これは使えると
思った私は千年前みんなと別れ
る時に、こっそりカヤックちゃ
んの荷物からくすねたの。」
後ろでかっぱらわれた本人が
何か言ってる。
「カヤックちゃん謹製だけあって
使用期限も無いその薬は
大活躍してくれたわ。
私ってホラッ、自分で言うのも
なんだけど美人じゃない?」
自分で言うなや。
「そのせいもあってか、色んな
男の人に言い寄られたのよ。
そんな時に、この薬を相手に
渡して「それ飲んだらとっても
良い事してあげる」って言った
ら、みーんな可愛い女の子に
なるの。後は効果が切れる
ギリギリまで貪って、戻ったら
そこの海にポイね。」
ナンパ男行方不明事件の真相と
一匹も魚が釣れない理由が
わかった。そりゃ全裸の男を海に
不法投棄したら海もお怒りになるわな。
「ちなみにその男達の
その後って………?」
「ほとんどの人はトラウマに
なったのか、放心状態で
そのまま海にどんぶらこされる
わね。ただ、中にはハマっちゃ
った人も居て、私の所に戻って
きて「薬をぉっ……、薬をくれぇ
……! いくらでも払う、頼むもう
一度あの快感を…!」ってクセに
なっちゃった人も居たわ。」
どんな薬物テロだよ。
つうかアクアマリン港に若者が
少ないのコイツのせいじゃん。
そりゃそんな恐ろしい体験したら
逃げ出すわな。
だって軽い気持ちでナンパしたら
息子を消失させられて、逆に頂かれて、元に戻って興味が失せたら
冷たい海にポイ捨てですよ。
男の尊厳 木っ端微塵じゃないか。
「そんな素晴らしい薬も丁度数日
前に使いきっちゃって……、
普通の女の子も食べ飽きたから
新鮮な反応するメス堕ち系女子
の味が恋しいのよ。」
女子でメス堕ちって、これもう
わかんねえな。
「そ、そうか…理解したくないが
わかった。要はその薬を補充
する為にカヤックが必要なん
だな。それなら__」
既に仲間にして、そこに居ると
言いかけた時__
「そういえば………_」
シズクが何かに気づいたように
ポツリと__
「もしカヤックちゃんを連れて
来て、もう1つのお願いも叶え
てくれたら……貴方が新しい隊長
になるのよね……。」
なんだろう、イヤな予感がする。
「貴方……、顔立ちもちょっと
可愛い系よね。背もそこまで
大きくないし……。」
シズクは俺の頭からつま先まで
じっくりネットリと吟味する。
そして____
「ねえ………隊長。
スカート………似合いそうね?」
俺は全速力でその場から
離脱した。
みなさんお久しぶりです。
記憶の片隅に まだ私は残っていました
でしょうか?
平成から令和の間に生まれてしまった
なろう小説の汚点。
どうも、オムラムライスです!
半年ぶりくらいでしょうか、皆様の考えている
事は分かっております。
「どのツラ下げて帰って来やがった!
ゴミ箱孕ませて できちゃった婚でもして
やがったのかシコり産廃がっ!!」
でしょう?
まあ確かに1人エキサイトは
毎日欠かさずやっておりました。
更新しなかった理由は………、ゲームですね。
ちょうど更新止まった辺りで増税の話が
出てたじゃないですか。
そしたらまあ、増税前にゲームが出るわ出るわ。
メチャクチャ積みましたよ。
正直今もまだ積んでますね。
リアルの仕事に、積みゲー消化、シコルスキー。
時間が全然足りないよぉっ!!
今日久々に更新したのは
サイト覗いたら いつの間にかPVが
10000突破してたので
皆様にありがとうを言いたくなりました。
よろしければ今後も末永くお付き合い
下さい。
え? 初対面ですよねって?
ハッハッハ!
貴方にとって私はもう、過去の女なのね!?




