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さよなら異世界 〜精霊の鍵〜  作者: オムラムライス
4/66

転生○○

「頑張りたまえっ!!」






そんな熱い握手と、激励の言葉を神様から頂いた。




いやまあ、ありがたいといえばありがたいんだが

正直、このまま異世界に送られても困るので

もう少し分かりやすく聞くことにした。







「あの神様、握手や励ましの言葉も嬉しいんです

けどね、やっぱり異世界に行く以上は特典的な

アレが欲しいかな〜なんて…。」








かなり露骨に聞いてしまったが、ここまで言えば

さすがに分かるだろう。

そんな俺の期待に、神様は笑顔でこう答えた。








「特典とは……何かね?」







あれおかしいな、聞き間違いかな?







「いや、特典ですよ! 転生特典!! 過酷な冒険に

出る転生者をサポートする強力な武器やスキル

またはお助けアイテム! 異世界転生に

付き物じゃないですか!?」







すると神様はまるで子供をあやすように






「何を言ってるんだ、君はもう既に持っている

じゃあないか。」







既に持っている?




……ああ、ひょっとしてさっきの握手でもうチートスキルの一つでも貰えたのかな?





「そう、君は既に持っている…! その熱く熱く

燃える闘志を!!!」






松岡◯造かな?






「いや、そういうのじゃなくて! 魔剣や特殊能力

の事ですよ!! あるんでしょ!?」





「そんな便利な物あるわけなかろう。仮にあった

としても、それを君に渡す必要はないだろう」





「いやだって異世界転生するんなら強い敵なんか

がいるんですよね?」





「確かにそういった魔物もいるが、君の目的は

精霊たちを仲間にして異界の扉を開くこと

だろう? 魔王を倒すといった戦闘目的ではない

はずだよ。」






そうなんだけどさ…そうなんだけどさ!






「で、でもさっきも何人も亡くなったって!

そうならないためにも!」





何の特典も無しは さすがにマズい! 非常にマズい!!

せめて何か、何でもいいから一つくらい貰わないと!






「その若く健康な肉体と情熱があれば大抵の事は

乗り越えられるだろう。大丈夫! 苦しい時は

過去の自分の努力を思いだすんだ!」






畑耕してただけなんですけど。



さっきまで散々ファンタジーな話をしてたのに

急に脳筋発言を連発するのは勘弁して頂きたい。





「では異世界へのゲートを開こう! 海原空くん!

君の冒険に幸多からん事を!!!」





「えっ!? ちょっ、待っ…!」





足元を光が包み身体が沈んでいく、まっ、待ってくれ……、

まだ他に聴きたい事がたくさん………!






「向こうに着いたら、まずは筋トレをするといい!

上腕二頭筋、大腿四頭筋などを鍛えるんだ、

そうすれば大抵の魔物はワンパンだよっ!」





「んなワケねえだろっ!? 体鍛えてる間に魔物にペロリだわ!

あっ、ちょっ! まっ!

待ああああああぁぁぁぁっーーー!!!!」




____



________



______________







そして




目が覚めると、見知らぬ森の中にポツンと一人で立っていた。

俺は思い切り息を吸い全力で声をあげた







「助けて下さーーい!! 誰か……、誰か助けて

下さーーーーい!!!!」





異世界の端っこで愛ではない もっと別の何かを

泣き叫んだ。

次回からようやく異世界編です。まったり付き合ってくだされば これ幸いです。


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