ダンジョンは出会いを求めてなんぼ
「おいシルフィー、そこに直れ。
魔物達よりも、まずお前をシバいて経験値の
足しにしてやる。」
この土壇場で自分で闘えと言いながら
やっぱり武器は大して使い物にならないなどと
舐めた事を言うスカポン精霊に俺は剣を拾い
向き直った。
「なによ、ちゃんと謝ったじゃない。
そもそもレベル1のアンタが悪いんでしょ。
ちょうどいいから周りのモンスター全部倒し
なさいよ。」
____ピリッ。
険悪な空気に飲まれて周りの魔物が萎縮する。
「大体ダンジョンに入る前に散々「背中は任せな
さい」だの偉そうに言ってた癖に何なんですか
このザマは?話が違いすぎじゃあない
ですかねぇ?」
ぶっきらぼうにネチネチと愚痴を垂れる俺に
シルフィーは少しキレ気味に
「あら?アタシが悪いのかしら?
自分の実力不足を棚に上げて恥ずかしくないん
ですかぁー?ハイハイゴメンなさいね。
弱い弱いソラちゃんはアタシやレピィが
守ってあげなきゃダメだもんねー?」
______ピキッ。
ギスギスとした空気が周りを包み込む。
レピィはビクビクオロオロしており、魔物達は
「え?何コレ?どうすればいいの?襲っても
いいの?」と困惑気味だ。
そんな周りの事も目に入らず俺達はますます
ヒートアップする
「おいおい言ってくれるじゃねえか、
その弱っちい俺に負けたくせによ?
そうやって相手を下に見てるから足元掬われる
んだよ、学習能力が無いんですかぁー?」
「あらあら、アレを勝ちと思えるなんて
救いようの無い頭ね、なんなら今からでも
再戦しましょうか?あ、でも無理かあ、だって
また下半身露出されてもアンタの「アレ」って「立派」じゃないもんね、ゴッメーン!」
ブチッ
「上等だド貧乳精霊がっ!!かかって来いや!
テメエにもう一度敗北の味を思い出させて
やるよっ!」
「言ったわね!今から取り消しは効かないわよ!
アレ出しても止まらないからねっ!」
とうとう限界点を超えた俺達は周りの事も忘れて
飛びかかった
「「「グルアアアアアーーーー!!!」」」
それに触発されたのか怯えていたモンスター達も
今がチャンスだとばかりに一斉に俺に向かって
来た。
「そもそも前からちょいちょい
あのマグレ勝ちを引き合いに出してきて
腹立ってたのよっ!よくあんな勝ち方でドヤ顔
できるわねっ!?恥ずかしくないの!?」
「別にぃーー!?勝ちは勝ちだしぃー?
そっちこそ過去の負けをネチネチネチネチと
いつまで言ってんだっ!そうやって過去ばかり
に囚われてるから心も胸も成長しないんだよ
バーカッ!!」
____ブブチィッ!
完璧に逆鱗に触れたのか、シルフィーは
極大の魔力で呪文を唱えた
それと同時に背後から魔物が飛びかかって来た。
(今だッ!!)
「エアロブラストォォォっ!!!!」
「グルアアアアアアアアアアッ!!!!!!」
強大な魔法と大量の魔物達に挟まれた俺は
全力で横に跳んだ。
「グルオオオオォォォ!?」
俺という壁が居なくなったことでシルフィーの
エアロブラストはそのまま魔物達に撃ち込まれた
(計 画 通 り !)
俺の目の前には魔力を大量に使いへたった
シルフィーと魔法を撃ち込まれて死にかけの
魔物が何匹か転がっていた。
「ご苦労だったなシルフィー。
これだけダメージを負って動けない魔物なら
俺でも充分倒せる。」
喋りながら魔物達にトドメを刺す俺に
シルフィーは少しフラつきながら尋ねる
「ア、アンタ………、まさか最初からこれを
狙って……?」
「あたりまえだろ。素直に言ってもお前協力
してくれないじゃん。だから必要以上に挑発
して魔法撃たせたんだよ、後はこの通り
瀕死状態の魔物を俺が頂くってワケよ。」
俺の素晴らしい作戦にシルフィーは
納得のいってないご様子だ。
すると魔物を何匹か倒したあたりで
身体に妙な感覚がした。
「なあシルフィー、何か変な感じがするんだけど
具体的には身体がムズムズする。」
「………………レベルアップでもしたんでしょ。
それかスキルを習得したのね。」
マジかっ!?
俺は急いで地面に魔方陣を書き、血を1滴垂らしてステータス確認の呪文を詠唱した。
すると見覚えのあるテキストが浮かび上がった。
名前:ウナバラソラ
種族:ヒューマン
職業:冒険者
レベル:10(up)
スキル:片手剣スキル(NEW)
:アーティファクト(NEW)
「おおおおっーーーー!!!すげえっ!
一気に9もレベルが上がった!やったやった!
し、しかもこれスキルって!なあシルフィー、
レピィ!見て見てスキルだよっ!2つも!」
はしゃぐ俺を見て毒気を抜かれたシルフィーと
安心したレピィが傍に寄ってくる。
「アンタ散々アタシをバカにしたこと
忘れてない?ダンジョンから出たら何か
奢りなさいよね。」
「まあまあシルフィー様。
それでソラ?何のスキルが出たの?」
「ええっと一つは「片手剣スキル」だって、
まあでもこれは大体想像つくな。剣の扱いが
上手くなるみたいな感じだろ?
それより2つ目の「アーティファクト」って
なんだ!?どんなチートスキルだよ?
名前からして凄そうだぞ!?」
初スキル覚醒で大変興奮している俺に
二人は気まずそうに
「あー、えっと……そ、そのスキルはね……。」
言いづらそうにしてるレピィを見かねて
シルフィーがハッキリ言った。
「それは簡単に言えば「物作り」のスキルね。
不器用な人は器用になって、元から器用な人は
より精巧な物を作れるようになるわ。
ちなみに町の子供でも持ってるような
スキルだから別段珍しくないわよ。」
そ、そうなのか………。
でも初めてのスキルだし正直めちゃくちゃ
嬉しい。
元から器用でも無かったしプラスといえば
プラスかな。
「その…さ、シルフィー。悪かったな。
レベルアップの為とはいえ利用して。
お前とはしょっちゅう口ゲンカするけどさ、
結構…その、頼りにしてるっていうか……」
素直に謝る俺に
照れながらもシルフィーは
「ま、まあ?反省してるならアタシも
そんなに気にしてないっていうか?
じゃ、じゃあその今度こそ……仲直り……する?」
そう言いながら握手を求めるように
手を差し出してきた。
周りの魔物を全滅させ、レベルアップもして、
そうして最後に仲間と絆を深めようとした所に
「それ」は現れた。
ゴシャアアアアアッ!!!!!!!!!!
凄まじい地響きと共に
俺達の目の前にバカデカい物体が降ってきた。
「なあなあ、シルフィー。これなあに?」
「これはアレね、風の流れからして30階層
ぐらいって言ったじゃない?
その時から居るかなーって思ってたんだけど、
やっぱり居たわね。」
「何が?」
そう尋ねながら衝撃で舞った土煙が晴れ
徐々にその姿が明らかになる。
「それ」はゲームではよく見ていたものの
何十倍も大きい
「居るって言ったら決まってるじゃない。
30階層の階層主、ゴーレムさんよ。」
裸に靴下だけ残した人はノーベル賞もの
どうも、オムライスです。
皆さんは「若さゆえの過ち」というものを
犯したことがありますか?
私はもろちんあります。
あれは私が小学四年生辺りのことでした。
当時子供だった私のアレに生まれて初めて
一本だけですが毛が生えてきたのです。
私は何だか大人になれた気がして嬉しくなり、
母親の元へ駆け込んだのです。
「かーちゃんかーちゃん!見て見てすげえっ!」
「なーにー?どうしたの?」
「これ見てこれっ!!」
ボロンッ!!!!
その日生まれて初めて家族会議をしました。
何がいけなかったんでしょうね。
え?お前は現在進行形で過ちを犯してる
だろって?
ハッハッハッ!
若気の至りじゃないか。




