ヘッポコ冒険絵巻
「よっし!!じゃあ行くか!!」
現在俺達三人は地下ダンジョンの入り口前に
来ていた。
「ようこそ!地下ダンジョン
「ブルートパーズ」へ!!
入場料お一人様3000ジュエルになります」
受付のお姉さんにそう言われ
財布袋から金を出す。
(結構痛い出費だな………。)
オパールで町長から資金を貰ってまだ余裕が
あるとはいえ、お金には限りがある。
「レピィ、シルフィー、二人共聞いてくれ。
このダンジョンに潜る一番の目的は地の精霊に
会うことだが、旅の資金の為、換金できそうな
モンスター素材も集めたいと思う。
あと、弱った魔物は極力俺に回してくれよ
レベル上げしたいから。」
「わ、分かった!任せてソラ!今回は私も力に
なるからねっ!!」
「まあアタシに任せときなさいな、ダンジョン
の中だからエアロブラストなんかの威力の強い
呪文は使えないけど、下級呪文でも余裕よ。」
頼もしい事を言ってくれる仲間に頷き、俺は
自分の相棒を手に持つ。
エンチャントソード
炭鉱トパーズに来るまでロクに魔物に会わなかったから使う機会も無かったが、このダンジョンで
いよいよ初陣だ。
「ソラ」
シルフィーに呼ばれ顔を向けると
いつになく真剣な表情をして俺を見ていた。
「アタシやレピィがいるとはいえ、アンタは
まだレベル1よ、まあでも………」
「 ? 」
「背中は任せなさい。」
「…………ああっ! 預けるぜ!」
俺達は気合い充分でダンジョンに向かった。
いくぜ__!!
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__________
「「「いやああああああああーーー!!!」」」
先程の発言を訂正します。
全く頼りにならない仲間と共に俺は無謀にも
ダンジョン様に挑みました。
「おおおおっ!!レピィ!シルフィー!
何とかしてくれお願いします!!」
「無理っ!あんな速く追っかけてくる大岩に
爪なんて立ててる暇ないよっ!!」
「アタシも無理ねっ!あんなデカいの
強めのエアロブラストじゃなきゃ破壊
できないわ。でもそれやるとダンジョンも
崩れちゃうから却下ねっ!」
ダンジョン初心者の俺が罠の場所などわかるワケ
なく、バカデカい大岩に追っかけられる
インディー○ョーンズのようなシチュエーションが出来上がってしまった。
「シルフィーお前っ!!背中は任せなさいとか
カッコいいこと言ってたくせにっ!」
「誰のせいで背中を追われる状況になってると
思ってるのよっ!」
「二人共こんな時までケンカしないで
下さいっ!!」
危機的状況にも関わらず
いつも通りな争いを繰り広げる俺達に
大岩はますます転がりの勢いが増す
「シルフィーっ!エンチャントを使えっ!!
オパールの町で俺に使ったヤツだ!」
「わかったわ!アンタの初キスがルドルフに
奪われたヤツねっ!いくわよっ!」
スキあらば俺のトラウマをほじくり返す事に
余念のないシルフィーは詠唱を開始した
「風の力よ(エンチャント)!」
呪文を唱えると同時に俺達の身体が軽くなる。
速度を上げ数メートル先にあった脇道に
転がり込んだ。
「ハァッ、ハァッ……!あ、危ねえぇ…、助かった
ぜシルフィー。」
「ヒィッ、ヒィッ……間一髪、でしたね……!」
「フフン、もっと感謝してくれてもいいのよ?
特に罠を発動したどっかの誰かさんとか。」
1人風の力で浮いていたシルフィーは余裕の
ご様子。助けてもらったことは感謝してるが
少しイラつく。
「呪文掛ける前にトラウマ弄りやがったから
チャラだ。つーかここどこだ?」
だだっ広い場所には出たが
辺りを見渡しても自分達が今どこに居るのかが
さっぱり解らなかった。
「風の流れからして30階層くらいね。
しかも嫌な匂いも混じってるわ。」
嫌な匂い?
それって何だよとシルフィーに尋ねる前に
答えが顔を出してくれた。
「ゴルルルルルッゥゥ……!!!」
どうやら一息つく間もなく魔物達に囲まれて
しまったようだ。
「はわわわわわわわっっ…………ま、魔物だ……!
レピィ!シルフィー!で、出番ですよ!!」
すぐさま女性二人に頼る情けない俺に
シルフィーはとんでもない事を言い出した。
「ソラ、アンタ1人でやってみなさい。」
「何言ってんの?お前ホント何言ってんの?」
絶望の表情でシルフィーを見ると
レピィと共に空中に飛んでいた。
「その魔物達はアタシの風で瞬殺できるけど
それじゃあアンタはいつまでも弱っちいまま
だからね、自分で少し闘ってみなさいな。」
信じらんねえこの女。
この場面でそういうこと言っちゃいます?
「ち、ちくしょうっ……!結局最後に頼れるのは
自分の力だけなんだ……!や、やってやる。
おいシルフィー!せめて援護代わりにお前の
風くれっ!!」
エンチャントソードにアイツの風を付与して
もらえば、レベル1の俺でもなんとか闘える
ハズだ。
「しょうがないわね………受け取りなさいっ!
風の力よ(エンチャント)!」
シルフィーから放たれた魔力を帯びた風が
剣に吸収されていく。
ここからだっ………!
ここから俺の冒険が始まるんだ……!!
攻撃の意思を見せる俺に魔物達は戦闘態勢をとり
一斉に向かって来た。
俺の伝説が今、幕を開ける
「喰らえっ!!!!風の○__!」
スポーンッ!!!!!!!
………………………………………………………………………………………………
オワタ。
俺の伝説2秒でオワタ。
剣が明後日の方向にすっぽ抜けた俺にシルフィー達はおろか、魔物達まで止まっている。
あ、あれ?おかしいな……?
どうしてしっかり握っていた剣があんな遠くに
あるんだろう。
やっぱり四○のカケラを持って無いからか?
鉄○牙じゃないからか?
助けを求めるように
シルフィーの方を見ると何かを思い出したのか
凄まじい量の汗をかいている。
「シルフィー?ちょっと降りてきてもらって
いいかな?」
俺の言葉にビクビクしながら、地面へ舞い降りた
シルフィーの頭をひっ掴み首元へ引き寄せた。
「心当たりがあるみたいだな?言え」
「怒らないって約束してくれる?」
「答えによる。言え」
「あ、あのね……言い忘れてたんだけど、その
エンチャントソードね、前にも言ったん
だけどね、実力者が使ってたんだけどね、
よくよく考えたらレベル1のアンタじゃ普通に
剣振る分には問題ないけど、アタシの強い魔力
を纏わせたら扱うにはレベルが足りません
でしたゴメンちゃいテヘペロっ!」
舌を出してカケラも申し訳無さそうに
俺に謝るシルフィー。
どうやら魔物よりも先に斬る相手が
側にいたようだ。
人はいつ大人になるかという質問に
「好きな子をオカズにしなくなった時」と
いつか誰かに言いたい。
どうも、オムライスです。
初恋って実りませんよね。
私も小学生の時好きな子が居ましたが
人妻モノの本やDVDに夢中になってる間に
すっかり興味を無くしてしまいました。
え?何で小学生がそんなもん持ってんだって?
ハッハッハッ!
今のは聞かなかった事にしてもらおうか。




