ゆるっゆるゆり
_炭鉱トパーズ_
およそ1200年程前に築かれた要塞都市。
良質な鉱石類や天然物のマジックストーンなど
様々なレアモノが採れる炭鉱に目をつけた
ドワーフ族が住み着いたのが始まりとされている
鉱石類は武器や防具、マジックストーンは
その質によって魔法の威力を底上げしてくれる
魔法使い職には垂涎の的。
その数々の大地の恵みによって一気に栄えた
この街は近年観光業に力を入れより賑わっている
「ってえワケだ!分かったか坊主?」
「ほーん、なるほどなあ。あっ、おっちゃん。
マンモスラビットの肉もう一本おかわり。」
「おうっ!毎度あり。」
肉の無くなった串を咥えながら
俺はこのトパーズの街の情報を頭の中でまとめて
いた。
(やっぱり街の人達みんな、精霊については
知らないか………。)
この街に来た俺達は早速 宿屋で部屋を借り
それぞれ役割分担で動いていた。
俺はこの街の事と精霊の居所について。
シルフィーは旅の間に減った食料や
この街の名物などについて。
それと俺が別件で良さげな防具屋を見つけといて
くれと頼んだ。
レピィはオパールの件で騒ぎになるのは目に見えていたので、街に入る前にローブを羽織らせ
宿屋に留守番してもらっている。
「なあ、おっちゃん。知らなかったらいいん
だけどさ、この街に来る途中で
なんつーか…その……変な建造物が奉られてたん
だけど…何か知ってる?」
「ああん?ああ、ひょっとして「授かり岩」の
ことか? ハッハッハッ!ありゃ初見じゃ
ビックリするわなあっ!」
授かり岩………?
「何だよそれ?あんなあからさまな
猥褻物陳列罪を知りながらほっとくなんて
この街の警備は大丈夫なのか?」
「バカ野郎!めったな事言うんじゃねえよ!!
ありゃあ俺がガキの頃から既にある神聖なモン
でな。なんでもあの岩の前で男が祈ると
子供ができやすくなったり、元気の無くなった
アレを全盛期頃なみに蘇らせてくれるらしい」
何だよその局地的珍○館
ちょっと祈っときゃよかった。
「もう一個聞きたいんだけどさ、街に入り口の
衛兵が巨大地下ダンジョンが有名みたいな事
言ってたんだけど、何それ?」
するとおっちゃんは少し思い出すように
「ああ……ありゃあこのトパーズができて
200年程経った辺りらしい。この街の地下に
ある日突然できやがったみたいなんだよ。
そっから宝目当てに色んなヤツがダンジョンに
挑戦したみたいなんだがな、驚くべきことに
未だ1人も最下層まで到達したヤツがいない
みたいなんだよ。」
なんだそりゃ?どんだけおっかない罠や魔物が
いるんだよ。絶対行きたくねえわ。
「なんでそんな危険なダンジョンが名所扱い
されてんだよ?普通は立ち入り禁止区域にでも
国がするだろ?」
「ダンジョンができたての時はそうだったん
だかな、「なんかこれ観光客に受けんじゃね?
名物にして金稼ぎしようぜっ!」って
昔のドワーフ王が言ったらしくてなあ。」
ろくでもねえな……。
「にしてもおっちゃん詳しいな。助かったよ。」
「カッカッカッ!俺はこの街のギルド長とは
幼なじみでな。アイツの持ってる昔の文献や
資料を暇潰しに見たくらいだ。
そんな事より…ほれっ!もう十本ほど
買っていきな、情報代だ。」
ちゃっかりしてんなあ……。
俺はおっちゃんから串焼きを十本追加購入し
宿屋へ戻った。
「ただいまーっ、今帰った……ぞ……。」
「ダ、ダメですシルフィー様……。
もうすぐソラが帰って来ますよぅ……。」
「フフフ、そんな事言って ここはもう
こんなにぐっしょりじゃない……?
ほら、腕上げ_」
「何やってんだお前らあああぁぁーー!!!」
俺の叫びにレピィとシルフィーは慌てて
離れた。
「ソ、ソラ!?ち、違うよ!
違うからね!?誤解だからねっ!?」
「あら、意外と早かったわね。
それで?何か解ったのかしら?」
浮気相手との情事が夫に見つかったような反応を
するレピィと何故か平然としているシルフィー。
「おっ、お前ら……!俺が頑張って情報収集
してる間になんて…なんて うらやまけしからん
事を……!こっからは俺も交ざるからなっ!
レピィは下半身担当、シルフィーは上半身を
お願いします!!」
「何ゲスな勘違いしてるのよっ!
汗よ汗!旅の間でかいた汗を拭いてあげてた
のよっ!!」
「す、すいませんシルフィー様……。
胸の隙間が蒸れて……、あっ、シルフィー様の
方も汗かいてないですか?私拭きますよ……?」
「こらっ、レピィ!無神経にも程があるぞっ!
お前と違ってシルフィーに蒸れる隙間がある
ワケないだろ!風通し抜群に決まってるじゃ
ないか風の精霊だけにブベェッ!!」
俺が傷つけないよう遠回しに言ったにも関わらず
シルフィーはグーパンチで殴りかかりマウントを
とってきた。
「神経逆撫でる事に関しては
アンタの右に出るものはいないわよ……!
アタシが笑えない冗談が嫌いってすぐ忘れる
みたいね、この、頭は!!」
床に組伏せられ無抵抗でボッコボコにされた
俺はレピィが止めてくれるまで喋る事すら
許されなかった。
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「なるほどねえ、地下ダンジョン……。
そこが怪しいわね……。あのコそういう
ジメジメした所好きだったし。」
「その言い方……次に会う精霊に心当たりが
あるんだな。どんなヤツなんだ?」
レピィに仲裁してもらい停戦した俺達は
集めた情報を共有していた。
「おそらくそのダンジョンの最下層に
地の精霊「カヤック」がいるわ。彼女もまた
アタシみたいに自分の住みかに引きこもって
いるんじゃないかしら。」
「次は地の精霊か……。どういうヤツなんだ?」
「カヤック……カヤは昔から色んな素材を
集めては混ぜたり魔力を注ぎこんで生き物に
進化させたりしてたわね。とにかく好奇心旺盛
な子よ。アタシ達 他の精霊も何回も実験体に
させられたわ。」
大丈夫かよそれ……ヤバい薬や合成モンスターの
実験相手させられたりしねえだろうな……。
「じゃあ次に向かうべきはそのダンジョン
なんですね。わ、私はまた宿屋で留守番して
ますね……。」
レピィは少し寂しそうにそう言って
俺達を見送ろうとする。
「いや、レピィも来てくれ。
ダンジョンの中ならレピィが居ても不思議じゃ
ないし、毎回毎回留守番させるのもな……。」
「そうね、レピィが来てくれれば
戦力的にも安心だし、何よりこんな男と
暗いダンジョンで二人きりとか……。」
ふうっ…………コイツはまだそんな自意識過剰な
事をほざくのか……。
「シルフィー……ゴメンな………。
俺、お前の事嫌いじゃないけどさ……
身体だけの関係でいいならご期待に答えて
やろうか?」
哀れみの目でそう言う俺に
シルフィーは再び飛びかかって来た。
朝起きた時、元気になっている息子を見るたび
「お前毎朝 俺の元気吸いとってない?」と思う
どうも、オムライスです。
今日は短めながらも何回か更新できました。
次回、いよいよダンジョンです。
何が起きるのやら……。
え?ちゃんと毎日更新しろよ
豚まんじゅうがって?
ハッハッハッ!
キャパオーバーじゃないか。




