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さよなら異世界 〜精霊の鍵〜  作者: オムラムライス
3/66

やるべき事

精霊が鍵?



「えっと、いまいち意味が…?」



「分かりやすく説明しよう。目をつむって

想像してごらん、君の目の前には現世へと

繋がる扉がある。しかしその扉はロックされ

開ける事ができない。開けるには鍵が必要だ。

精霊たちはその鍵の欠片だよ。

一つ、また一つと集まって初めて一本の鍵に

なる。君が現世に戻る為には彼ら、彼女らの

協力が絶対だ。」




そう説明されてようやく理解する事ができた。




「つまり俺は、その精霊たちを仲間にしてその

異界の扉の前までたどり着けばいいんですね」




「言葉にするのは簡単だが、これはとても

難しい。過去に君と同じように転生し、

同じように異界の扉を目指した者たちは

たった一人を除いて全員私の元へと戻り

そして諦めていった。」




それってつまり……




「皆、また死んだのさ。家族の元へ帰りたい、

恋人の為、友との約束を果たすため、思いは

それぞれだったが、皆必死に異界の扉を目指し

そして無念にも破れた。」



そこまで喋り、神様はもう一度俺に問いかけた




「ここまで聴いた君にもう一度問おう。

今の話を聞いてなお、現世へと戻りたいかね?

誤解しないでほしいが決して怖がらせようと

している訳ではない。君に二度死ぬ苦しみを

味わってほしくないだけなんだ。

ただ生きるだけなら、転生した後の世界でも

できるだろう?」




生きるだけ…か……。正直今の話をきいて少し

ブルッてしまった。神様の言う通りかもしれない

所詮俺は農家の孫だもんな…。



でも、もし…。

ほんの少しだけ可能性が残ってるなら…!



「ちょっとだけ…頑張ってみてもいいですか?」



それを聴いた神様は




「分かった…行ってきなさい…。」




そう言って微笑んでくれた。

今なおインパクト残るその黒光りマッチョな姿も

なんだか悪くないように思えてきた。




「では君を送るとしようか、送る場所は

なるべく危険の少ない所にしてあげよう。

餞別に地図と食料を渡そう。

武運を祈っているよ。」




そう言われて袋を受け取った俺は一つ大切な事に気が付いた。


「あれ? そうだ神様、餞別で思い出したんです

けど他に俺に渡す物ってないですかね?」




そう、異世界転生には付き物のアレをまだ

もらっていない。



「ん…? 他にまだ何かあったかな…?」


どうやら神様はど忘れしているようだ。




「やだなぁ、アレですよ神様。ほら異世界転生

って言ったらね…?」




そう言って手を差し出した俺に神様は納得した

ように「…ああ!」と言って。






熱い握手を交わしてきた。







違うそうじゃない。


早いものでもう3章です。

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