血の雨トーーーーク
「災難だったな。」
ギルドマスターに奥の部屋へと
通された俺達は 開口一番そう言われた。
「ええと……あんた、ガルムだったな。
聞かせてくれよ、どうやって俺達の事を
知ったのか。」
「おう、さてと どっから話したモンかな…。
ワシとこの町の町長は古い知り合いでな。
奴からは最近ある相談をされていたんだ。」
それについては心当たりがあった。
「エンダーさんの事か……?」
「そうだ、ちょっと前から娘にストーカーが
付きまとっていると、鬼気迫る顔で相談されて
いてな。 エンダーの嬢ちゃんとはワシも面識
があったし、どうにかしたいと思ってた。」
そういう繋がりがあったのか。
まあ、町長っていうくらいだし この町のギルド
マスターと面識があってもおかしくはない。
「そんで今日も少し顔を見せに行ったら
町長がえらく興奮した様子で「ストーカーを
引っ捕らえられるかもしれない!」なんて
言うもんだからよ、詳しく話を聞いたら
お前さんが嬢ちゃんの護衛をしてるって
言うじゃないか。」
「なるほどねえ、そういう事だったの。」
ずっと黙っていたシルフィーが口を挟んできた。
そういえばコイツ、町長が俺に銃を突き立てた
瞬間トンズラこきやがったんだった。
「そんで そっから暫く町長の家で待ってたら
いきなり嬢ちゃんが帰ってきてな、しかもあの
「鬼神の面影」のルドルフと一緒ときて
やがる。」
エンダーさん俺らと別れた後、アイツと一緒に
家に直帰してたんすね……。
「そんで、さらに驚いたのがだ、帰ってくるなり
開口一番 「お父様!私この方と結婚
致します!!!」だ。 いや、たまげたね。」
即墜ち2コマシリーズが如く惚れてたもんなぁ。
でもいきなり結婚って早すぎない?
「そっからはもう、ヤバかったぜ。
あのルドルフが頭を下げて
「娘さんを追いかけまわしていたのは俺です!
本当に申し訳ありませんでした!!
でも、でも本当に好きなんです!愛しているん
です!必ず幸せにしますので娘さんを私に
下さいお義父さん!!」 ってな。」
「そ、それで…?親父さん何て……?」
あの娘を溺愛してる親父さんの事だ。
既にルドルフはお亡くなりになっているかも
しれない。
「ああ、一言「殺す」と言ってルドルフに発砲しようと
したんだが………。」
シンプルな殺意。
さすが親父さん予想通りにも程がある。
「その銃をワシが慌てて奪おうとしてな…
バランスを崩した町長が嬢ちゃんに向けて発砲
しちまったんだ。」
「ええっ!?」
そ、そんな……。
じゃあエンダーさんはもう……!
「そんな顔すんな、嬢ちゃんは無事だよ。
ルドルフの奴が咄嗟に庇ってな。奴は腕に一発
貰っちまったが、そのお陰で あのバカ親父の
頭も冷えた。」
「へえ、中々男気あるじゃない。
どっかのスケベしか取り柄のない奴とは
違うわね。」
小バカにしたように俺を見てくるシルフィー。
「おい、あんまりレピィを責めんなよ。
アイツだってスケベなりに頑張ってんだぞ。」
「どう考えてもアンタの事でしょう!!
アタシがあのコにそんな、…そんな…。
ごめんレピィ……。」
バカめ、風の谷の件を忘れていたか。
俺の下半身をまさぐった前科一犯モンスター
だぞアイツは。
「話を続けていいか?
そんで、撃たれたルドルフはそれでも
「守ってみせます。お願いします、お願い
します……。」と気絶するまで言い続けてな。
目の前で有言実行された上に娘から「たとえ
勘当されてもこの方と添い遂げます…!」って
涙ながらに訴えられたもんだから
あの頑固親父も折れてな。
二人の婚約を認めたんだ。」
ドラマかな?
そう思いながらも さすがに納得してしまった。
精々幸せになりやがれ筋肉ダルマ。
「その後目を覚ましたルドルフと、介抱していた
嬢ちゃんにお前らの事を聞いて今に至るって
ワケだ。」
そういう事だったか。
ん……?あれ?じゃあこの爺さん何であんなに
笑って__
「そんでどうだったよ坊主ぅ?
あのたくましい男と熱烈なキスした感想は?」
「ヴェアアアアアアアアアアアアアア!!!」
こ、このジジイ!!今までその事でニヤニヤして
やがったのか!
あ、ああ……!
あああああああああ!!!!!
トラウマが……!
いまわしきトラウマがぁぁぁ!!!
「ちょっと!ウチのソラをイジめるのは
止めてもらえるかしら!!
このコはね、ほんの数刻前まで清らかなカラダ
だったのよ! ええ、それはもう!
そんなコが、あのガチムチな男と貪るかのよう
にネットリ濃厚なキスをした事をこれ以上
思いださせないであげて頂戴!!」
「トラウマ発生源のお前に言われたく
ねーんだわ!!
ご満悦なツラで嬉々として語ってんじゃ
ねーよコラ!!」
俺は反省の色が一切無いシルフィーに
ぶちギレ飛び掛かった。
「キャッ!?ちょっと何すんのよやめっ!
助けてーー!!誰か、誰かーー!
警備を呼んでちょうだい!うら若き乙女が今
男も女もいけるケダモノに犯されそうです!」
こいつ!!
「とことんバカにしやがって!
大切な物を失なったばかりの人間の恐ろしさを
思いしれ!!」
「テメエらつまみだすぞっ!!
ワシのギルドで暴れんな!」
ガルムに怒鳴られ俺達は一時休戦した。
そもそも事の発端このジジイじゃねえか。
「たくっ!
それでだ、ソラ。町長からお前さんに
預りモンだ、ホレッ。」
そう言ってガルムは重そうな袋と手紙を
渡してきた。
「これは……?」
まず手紙を開いて見ると こう書いてあった。
「ソラくんへ_
この度は娘が大変世話になった。
君が協力してくれなければ、エンダーはずっと
恐怖に悩まされ続けただろう。
父親として心から感謝する。
それに、私は少し過保護すぎたようだ。
エンダーもいつの間にか立派な淑女になって
いたのだと気づかされたよ。
袋の中身はこれからの君の旅の成功を願って
支度金を入れておいた。
どうか役立ててほしい。
エンダーがネックレスを渡したようだね。
それはあの子の母親の形見だ。
なるべく大切にしてやってくれ。
この町で君の無事を祈っている。
_町長。」
グスッ…。
思わず涙ぐんでしまった。
町長……ありがたく頂きます……!
「やったわねソラ! これで資金はどうにか
なりそうだわ。
早速武器屋さんに行きましょう!」
「ああ、そうだな!
ガルムの爺さんもありがとよっ!!」
そう言って晴れ晴れとした気分で
俺達はギルドを後にしようと____
「おう待て待て!!
ソラ、お前さんには町長からもう一通
手紙を預かってる、受けとれ。」
え? そ、そんな親父さん…まだ何か俺達に支援を……?
くうっ!どこまで人ができてるんだあのお方は!
俺は感極まりながら2通目の手紙を開いた
すると___
「おう、小僧。
それとこれとは話が別だ。
ウチの娘にセクハラ三昧した件、きっちり
償ってもらうぞ。
お前の残りの人生でな。」
やっべ…………。
どうもどうも。
最近は勉強ができない漫画の先輩キャラの腋に
興奮が治まらないオムライスです。
あの服は公序良俗違反ではないでしょうか。
さてさて、ようやく空君達が次の町に向かえそう
です。
次はどんな精霊が出てくるのか。
今からムラム…、ワクワクが止まりません!
え?勿体ぶってないでさっさと書け
腋フェチ豚野郎がって?
ハッハッハッ!
褒め言葉じゃないか。




