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絵本と私と異世界転移  作者: まつだ
桃太郎の世界。
5/14

衝撃の真実。

私は忘れてきたペンの居場所へ向かい走っています。

赤松さんはそんな私に息を切らしながらも付いてきてくれています。


「ほんとにここであってるんでしょうね。」


「はい、確かここに置いてた筈なんですが....。」


目的地点についた私たちですが、ペンが見当たりません。

何故なのでしょうか.....。


「考えられる可能性は一つね。

鬼に取られちゃったのよ。」


「鬼にですか!?それって大丈夫なんでしょうか??」


「大丈夫なわけないでしょうが!!」


赤松さんに怒られてしまいました。

ショボくれている私をみて、赤松さんはため息混じりに話を続けます。


「ペンを取った鬼はそう遠くにはいってないはずよ。

まだペンを取り返すことは出来る。

だからそんなに落ち込まないでちょうだいね。」


赤松さんは私を励ましてくれたのでしょうか??

実は凄く優しい人なのですね。


「わっ!!もしかしてあそこの鬼じゃないでしょうか!?」


私は草むらの奥にいる鬼を指差してそう言いました。

赤松さんはそれを確認すると、ポケットからペンを取りだし強く祈り始めたではありませんか!!

またさっきのように、剣を生成するのでしょうか。


「私、剣みたいな物騒なのは嫌いなのよ。

だから.....!!」


ペンが光り出し、収まったと思うと

今度は魔法の杖みたいな物に変化していました。


「どう??可愛いでしょう。

これであの鬼を倒すわよ。見てなさい。」


赤松さんの杖が再び光り出します。

しかし、これまでは金色に光っていたのに対して今度は赤色に光り出しました。


そして杖の先には可愛らしい炎の玉が生成されたのです。

ちっちゃくてホントにかわいい。


「くらうがいいわ!!

プチプチファイアボールッ!!」


名前もとても可愛らしい。


だけど、そんな見た目とは裏腹に、プチプチファイアボールは奥にいた鬼さんを黒こげにしてしまいました。




「何もここまでしなくても....」


黒こげになってしまった鬼さんを見ながら私は赤松さんにプチ文句をいいます。


「仕方ないのよ。もし仕留めきれなかったら私たちがやられちゃのだから。」


赤松さんは黒こげの鬼さんからペンを探しながらそう言いました。


「ほら、あったわよ。あなたのペン。」


「わっ、ありがとうございます。」


ペンを受け取り、桃太郎さんの家へと帰る途中

私は疑問に思っていたことを、いろいろと赤松さんにぶつけようと決心しました。


「あの、赤松さん。」

「なに??」


「なんで、ここまで私に親切にしてくれるんですか??」

「人に親切にするのに理由がいるわけ??」


赤松さんは若干不機嫌そうにそう答え、逆に質問してきました。


「他にもっと聞くことあるでしょ??

この世界のこととかもっと詳しく聞きたくないの??」


う、もっともですね。


「それじゃあ、教えてくださいませんか??」


赤松さんは息を切らしつつも仕方がないと言う感じで答えてくれました。



「この世界はね、絵本の世界。それは話したでしょ??

重要なのはここから。」



その時の赤松さんの顔はとても深刻そうでした。



「この世界に一度でも入り込んでしまったら最後。

もう現実世界に戻るのは不可能といってもいい。」



その言葉に私は思わず足を止めてしまったのです。








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