90:我、詰ん㌦?
シェラさんを亜人種にすると後々色々と修正する点が出て来ることに気付いた為種族を修正、合わせてその後の文章も一部修正しました。
設定やプロットを数十行程度しか用意せずに執筆している (¦3[▓▓] の行き当たりばったり加減が嫌でも分かりますね、大変申し訳ございませぬ。
やう゛ぁい、やう゛ぁい、超やう゛ぁい。
クリーチャーの手の中でぐねんぐねんと頭を抱えて身悶えるけどそれで何かが解決する訳もなし。
だからと言って我がなんかお宝っぽい、ゲットだZE☆ とかやっちゃったせいで国が滅ぶとか洒落になってないってレベルじゃござーません。
そんなんやらかしちゃったらふぁざーまざー兄弟姉妹ズに合わせる顔がないよっ!!
いっそ今からでも元あった場所に破廉恥痴幼女を戻してノーカンにでも……。
(既に無いものと認識されているのにわざわざこの窮地であの場に足を運ぶ理由はないと思いますよ?)
デスヨネー。
仮になにかの気の迷いで見に行ってそこで禁呪の書を見つけても十中八九あの神属さんの罠と思うよね、ふつー。
うぼぁー、数日前の我を蹴倒したい。 てゆーか破廉恥痴幼女の自己紹介聞いてとんでもな代物だって分かった時点で返却に行ってれば今頃は~……。
(紛失していたものがどこからともなく現れる。
その時点で先程マスターの言った罠と認識されるのがオチかと)
デスヨネーぱーとつー。
我が破廉恥痴幼女を読んだのってあの神属さんと遭遇した翌日だもんね、そりゃもうその時点で手遅れだよね。
むぅ、こうなったらいっそ我が破廉恥痴幼女を使ってあの神属さんをぎゃふんと言わせるしか?
(…挑むつもりですか、神属に)
ごめんなさい冗談です我まだ死にたくないです怖いのも痛いのもやーです人を傷つけるのって自分も 「痛ッ」 ってなりそうでガクブルものですはい。
根っこゴーレムとか雀っぽい鳥さんとかはふかこーりょくなんです、でも根っこゴーレムさんを蹴った時我もつい痛っ、って心の中で思っちゃったからやっぱ争いとか我には無理の無理無理です。
雀っぽい鳥さん?
なんか気付いたら周囲血の海ーの首ちょんぱだったんで実感なかとです。
(争いは~、と仰る割にルシェル=ルュストにはその綺麗な顔を蹴っ飛ばしてやると公言していますね?)
あれは争い違うます、正当な権利の主張どす。
(…左様ですか)
あ、なんかまた呆れたっぽい空気を感じるデスヨ?
けどまぁルカと話しててちょっと落ち着いたし深呼吸してれーせーになりませう、すーはー。
…うん、ちょっと落ち着いた、身悶える毛玉モード解除。
では改めて現状を振り返ってみませう。
まず第一に、神属さんがこの国滅ぼすぞー、とノリノリっぽい。
それどころか既に攻め込んできてて最悪二日後にはこの国が戦場になる。
で、第二に神属さんをどうにかできるかもしれない禁呪の書を我がポッケないないしちゃった所為でこの国ピンチde瀬戸際崖っぷち状態。
おまけになんだかポッケないないした罪を無実の神属さんに押し付けちゃってるっぽい、いやまぁこれに関しては日頃の行い的な云々で神属さんの自業自得かもだけど。
ただし日頃の行いがどうたらと言い出したら我にも特大ブーメランが返ってきかねないのでその辺は考えないようにしませう。
そして第三に、切り札がないから最高戦力をぶつけようっていう力こそパワー的な案が可決されて実行されそうな点。
枯れじぃとかシェラさんのステータス眺めた限りじゃなんかふつーに勝てそうな気がしなくもないんだけど、相手が神属さんじゃねぇ。
いくら伝家の宝刀 『友情パワー』 で仕留めたと言っても仮にもHP十万、ステータスオール一万を屠った相手だしどんな奥の手があるか分かったもんじゃござーませぬ。
ぶっちゃけ管理用ユニットこと "現し身" さんほど強くはないけどその半分、オールステータス五千くらいありま~す、とかあってもおかしくなさそーなのよね。
それらを含めてこれからの我の行動をー、と考えたら普通なら国外脱出待ったなしなんだけど、それしたら多分詰むのよねぇ。
おうちの場所が分からない、食べ物もあんまりない、何より身を護るだけの力もない、とないない尽くしで涙が出そうです。
最悪 "首刈リ兎" 頼りっていう手もあるけど今いち性能の把握ができてないから命を託すのは怖いし、かといってスピードを活かして逃げの一手じゃあっちこっち逃げてる内に現在地すら分からず食糧も尽きてラビミイラ化とゆー嫌な結末が見えるとです。
最善はシェラさん達が勝つ事だけど、神属さんの実力が不明なお陰で賭けるにはちと弱い。
かと言って後ろに向かって全速前進しても先が見えない、とゆーか詰む未来しか見えない。
結論、待つも引くも地獄?
うぼぁー……。
(…所で、先程マスターはもう私の相手などしてあげないなどとほざいていた記憶があるのですが。
何事もなかったかのように対話をされていますがよろしいのですか?)
…今はルカのいぢわるに反応するよゆーもござーませんですのことよ。
あうあー……。
(…重症ですね)
あうあうあー………。
突然身悶えだしたかと思えば突然静止し、深呼吸を始めたかと思えば思考に耽るように腕を組み右前足を顎に当て、やがてまた身悶えを再開、仕舞いには全身が弛緩しぐったりと項垂れる。
手中のラビの奇行におろおろとうろたえるヴォイドを尻目にウシュムとカミラの会話は進み、やがて収束を迎える。
「余とじいは先行したが軍も明日には帝都へ着く。
御義父殿の予想通りならまともに休む間も無く兵に労をかける羽目になるが仕方あるまい」
「…まだ引き摺ってんのかその話。 まぁいいけどな、無事に事が終われば勝手にシェラと話し合ってくれ。
先に言っとくが此度の参戦の礼に寄越せってのは無しだぞ、俺はまだ死にたくないからな」
言いながらウシュムがちらりと目をやればジト目でこちらを見やるシェラの姿。
それに気付いたカミラも肩をすくめ、やれやれと大袈裟な仕草をとる。
「それは残念、とは言わぬよ。
元よりこの国があのバケモノに攻め滅ぼされれば大陸は終わりだ、謝礼だのなんだのと要求するような立場ではない。 あのバケモノを滅ぼす為に余がガオルーンの力を利用しているのだ」
「そう言ってくれるのは有り難いがこちらにも面子はあるんでな、はいそうですかと言えはしねえよ。
戦後の復興予算を差し引いても十分な礼をする程度の蓄えはある、遠慮せず受け取れ」
「ならば遠慮なく貰っておこう。 が、いいのか?
余を相手にそんな啖呵を切ったと知ればアラケルの狂帝も黙ってはおらんぞ」
悪戯な笑みを浮かべたカミラの口から零れたその言葉を、しかしウシュムは軽く笑い飛ばす。
「ハッ、法国を抑えて増兵の芽を摘み取ってくれたんだ。
喜んであの狂犬が尾を振るほどの礼を差し出してやるさ、生き残っていればな」
「アレが殺して死ぬタマか、いい笑顔で酒と食糧を強請ってくるだろうよ」
「違いない」
そう言ってのけ、互いに顔を見合わせ笑い合う王達の姿に悲壮感はなく、その様はウシュムの発言以後この場に漂っていた絶望の空気を多少なりと和らげた。
居並ぶ面々は未だに暗い表情を完全に払拭できてはいないが、その姿は絶望に囚われ身を竦ませていた先程までと比べれば格段に活気に満ち溢れている。
…約二名、己の手中の毛玉に気を取られそれ所ではない者もいたがそこはさておくとして。
「勝つぞ」
「うむ」
ただ一言、言葉を交わし固く手を握り合う王の熱に当てられ、和らいだ絶望は熱気へと変わり。
やがてそれは熱狂へと昇華され、決して狭くない会議室全体を震わせる程の雄叫びがガオルーン城内へと響き渡った。




