83:我、空腹を会話で誤魔化す。
『81:我、ちょっとこの世界のお勉強中。』にて、既に鳥籠モドキの中に収められているにも関わらず『82:我、やっとこ危機感を覚える。』で普通に空間魔法を行使していた為、『81:我、ちょっとこの世界のお勉強中。』を修正して鳥籠モドキの中からルカの手中、に変更しました。
(¦3[▓▓] の記憶違いで大変失礼をしました。
モーシワケヽ(≧д≦)ノ ゴザイマセンッ!m(_ _)m
追記:読者様のご指摘により、更に (¦3[▓▓] のやらかしが発覚した為あちこちを微修正しました。
重ね重ね大変申し訳御座いません。 orz
亜人図鑑のパラ読みとルカとの問答で結構な時間が経っていたのか、お昼時を感知してくーくー鳴っていた我のお腹は最早エマージェンシーを奏でていた。
シェラさん遅い? 遅くない?
マイ腹時計的にそろそろおやつの時間でござーますよ?
(侵略されている国の重鎮が国家よりペットを重視したらそれはそれで問題なのでは?)
みゅう、確かにそれはそーなんだけども……。
あれですか、会議いずだんしんぐ、されど進展なっしんってやつですか。
(相手側の戦力…といいますか神属の実力の程が分からないのが原因かと。
単純に軍勢が相手の場合の戦争とはあまりにも異なるでしょうしね)
あー、多対一と多対多じゃ前提がぜんぜん違うのか。
おまけにその一が神属とかゆー謎生命体で更にサイズは人間並み。
そりゃ軍勢で対峙するにはあんまり相性よろしくないよね、全長十メートルとかならまだ的が大きい分多の優位が生かせるんだろうけども。
(生物である以上スタミナの問題は付き纏いますからまったく優位性がない訳ではないでしょうけどね)
仮にもカミサマ名乗ってる輩が敗因・スタミナ切れとか笑い話か何かかな?
まぁ実際はそんな状況に陥らないか、もしくは陥ったとしてもどうにかなる裏技的なものがあるんだろうけども。
(…単純に、単騎でなく部下を引き連れているという発想は無いんです?)
……あっ。
そっか、別に単騎で突貫する必要ないのか。 どうも神属ってゆーとステータスオール1万の管理用ユニットさんをヌッ殺した存在ってイメージが付き纏っちゃうから人間の兵を従えるとか欠片も考えんかったとです。
よくよく思い返してみればルシェルも神属は管理用ユニットと比べたら全然強くない的な事言ってたもんね、ヒト種伝家の宝刀友情パワーでどうにかしたとかゆー情報と一緒に。
(管理用ユニットを単騎で滅ぼす事のできる生物は早々いませんよ。
この世界で私が知覚できる範囲ですと──…精々21体ですね)
多いよっ!?
HPが10万でステータスが全部1万で状態異常完全無効化のインチキキャラを単騎で屠れるのがなんでそんなにいんのさっ!!
それ聞いたら我、外出るのすっごい嫌んなったよ?
その辺ふらふらしてたらいきなりそんなトンデモ生物とご対面とか心臓麻痺で死ぬるわっ!!
(大丈夫ですよ、この大陸には一体もいませんから)
あ、そなの? ……ってちょっと待った。
今、この大陸にはって言った?
確か以前我が書庫で見た本の情報だとこの世界の中央大陸とかゆーの以外はなんかに侵食されててヒトが住めないとかなんとか書いてた記憶があるんだけれども。
(そうですね、今私達のいるこの中央大陸以外の大陸はすべて超越種によって支配されています。
ただ、ヒト種が住めないというのは間違いですね。 正確には一部の超越種のお陰で大気中のマナが汚染、といいますか高濃度になっている為常人ではマナに侵されて死に至るだけです)
それに適応できるだけの実力さえあればヒト種でも生きていけますよ? などとルカは続けたが、その適応できるだけの実力のラインってどこさ?
ってゆーか、前から何度か耳にした記憶はあるんだけど結局マナってなんぞ?
大気中のマナがどーたら、とかそんな感じの説明を精霊さん解説の時にルシェルから聞いたから空気の親戚で魔術の行使に必要っぽいのはわかるんだけど。
(火を灯すのに酸素が必要なように、魔術を行使する為に必要な燃料がマナです。
この世界の大気中には豊富に存在する訳ですが、あまりにも濃度が高まり過ぎると生物にとって害になるのも酸素と同様ですね)
あー、酸素中毒的な?
つまりここ以外の大陸が侵食されてるとか常人だとマナに侵されて死に至るってゆーのはそれだけ超高分圧のマナが大気中に漂ってる、と。
それ、放っといたら勝手に霧散してくれたりしないのん?
(植物が光合成で酸素を生成するように、高位の魔物は自身の魔力を大気に放出する事でマナを生成します。
なので高位の魔物が多い=マナが生成される、となりますので原因を取り除かない限りどうしようもありませんね)
なんで高位魔物、マナ生成するん?
(自身に都合の良い環境を生み出す為です。
魔物の格があがる程好むマナの濃度が増していきますので、大気中のマナの濃度が濃密であるほど危険な魔物が生息していると思って間違いありません)
濃度が高まり過ぎると生物にとって害になるとか言ってたのに自分でマナを生み出して濃度を高める。
つまり、魔物にはマナが害になったりはしないってこと?
(ヒト種や動植物などの一般的な生物にとっては害になりますが、魔物の場合はなりませんね。
その代わり、あまりにもマナの濃度が高過ぎて自身に合わない場合その環境に適応するために変異しますが)
変異?
(進化の亜種のようなものです。
言うまでもなく正常なものではありませんから進化に比べれば成長率は圧倒的に劣りますし、ほとんどの場合元の個体とは似ても似つかぬ異常な変質を辿ります)
…今イチピンとこないけど、とりあえずあんまりよろしくないものだってゆーのは分かりました。
真っ当に成長して、より良いものに変わるのが進化。 で、状況に迫られて仕方なく行う進化が変異ってかんじ?
(ヒト種はそういった変異種の魔物をマナ汚染、もしくはマナ侵食と呼んでいるみたいですが。
マスターが読んだあの書籍で他大陸が侵食されて~、と記されていたのもそれが原因でしょうね)
ん~と、それじゃ高位の魔物って変異しまくってるって事?
自分からどんどこマナを生成してるんだしその内許容できなくなるんじゃないの?
(マナは魔術などの燃料であると同時に魔物の生命維持にも欠かせないものです。
人間が呼吸によって酸素を体内に取り込むように、魔物は呼吸によってマナを体内に取り込みます)
意外な事実、我実は酸素吸ってなかった!?
つまり魔物ってゆー代物はマナさえ取り込めればそもそも呼吸とか必要なっしんぐ?
(その辺は魔物の種類によりけりですが、ラビは呼吸をしないと普通に死にますよ。
以前この国の女王に抱き締められて呼吸ができずに窒息しかけたの、もうお忘れですか?)
…あ~、あったねそんな事。
でっぱいは凶器って我の脳内メモ帳に書いてるですね、しっかりと。
(書くだけ書いてはいおしまい、の時点で無意味極まりませんね、そのメモ。
さておき、話を戻しますがその際体内に取り込むマナの量は魔物の格によって増減しますので、先程のマスターの疑問に対しては生成する端から自身で消費している為変異を起こす程に濃度が膨れ上がることはまずありません)
自身より高位の魔物の生息域に居着いたり、自身の許容限界を上回る程のマナを生成しでもしない限りは、と最後に付け足す。
ふむふむ、まぁ普通に考えれば元々強い魔物がわざわざ必要に迫られて~の無理矢理な劣化進化なんて望まないだろうし高位の魔物の変異なんてありえない訳ね。
(そうでもありませんよ?
進化の目が見えない、もしくは安易な力を望む者からすれば変異も十分な自己強化手段ですから)
ああ、所謂妥協ですか。
そりゃそうだよね、誰も彼もがストイックにただ自己鍛錬する訳ないもんね。
手っ取り早く強くなれるんならそっちに飛び付くのもおかしくないか。
(…先に言っておきますが、万一マスターがそんな道を選ぼうとした場合生まれてきた事を後悔させてあげますからね?)
いあいあ、元の個体と似ても似つかぬ異常な変質とか頼まれようが人参積まれようが御免ですがな。
そんなんしちゃったらふぁざーまざー兄弟姉妹ズに会っても我だって認識されないだろうし、変質具合によってはヒト種から問答無用で 「オレァ クサムヲ ムッコロス!!」 されかねないし。
と、左前足をないないとばかりにふりふりしつつ言ってのけるとルカは意外そうな顔でこちらを見つめてきた。
何さ、我が目先の力に流されて飛びつくとでも思った?
(はい)
をゐコラ。
やっぱり一度がつんと言わなきゃ駄目な気がしてきましたよ?
高確率で万倍返しが待ってるだろうけど、それでもやらなきゃならない時もあるよね?
そんな思いでルカの手中から身を起こし、そのきれいな顔をフッ飛ばしてやんよと思ったらなんか急にルカの右手、人差し指と親指で首根っこを摘ままれて。
何かを言う前にそのまま鳥籠モドキの中へぽいっと放り込まれる。
べしょり、と顔面から着地した我ががばっと跳ね置き文句の一つでもぶつけるべく振り向くと、ルカの姿は既になく。
ほわい? と首を傾げた我の目の前で部屋の扉が開き、シェラさんが入ってきた。
…シェラさんの接近を感知したならせめてそれ説明してから行動しろし。
そんな我の愚痴は、果たしてルカに届いたのやら届いていないのやら………。




