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79:我、敗北す。


 我を放り込んで着火した雄兎に 「この後スタッフがおいしく頂きました」 のテロップを張り付けるのはやめろぉーーーーっ!!


 …と、いう訳でおはようございます。 とてーも清々しくない最悪の目覚めの朝でござーます。

 あの駄女神は必ずシバく、誓いも新たに伸びをしたり前足でお顔くしくししたりしながら眠気が抜けるのを待つこと暫し。

 ようやく意識がはっきりしてきた頃に推定朝の鍛錬を終えたっぽいシェラさんが帰宅、そのままお風呂コースに。

 全身くまなくぼでーうぉっしんぐ、お風呂上がりの推定風魔術(ドライヤー)&ブラッシングのコンボでもふもふ度120%増しの我、爆・誕。


 で、今まであんまり描写してなk……げふんげふん、話題に上げてなかったんだけども。

 どーもシェラさん、我が初めて会った時に感じた第一印象をそのまま周囲も持ってるっぽい訳でして。

 要するにくーるびゅーてぃー、美人さんだけど冷たそう、なんか怖い、万一怒らせたりしたら貴公の首は柱に吊るされるのがお似合いだー! とか言われそうってゆーイメージを持たれてたみたいで、基本他の人からは距離を取られて腫れ物扱いされてたチックなんですけども。

 いやまぁ一応それなりに仲のいい人もいるっぽいんだけどもね? けど全体的に見るとやっぱり畏れられてる印象が拭えなかったシェラさんなのですが。

 我を抱っこor頭装備に垂れけだまorエプロンドレスから上半身生やしてるけだまてけてけモードな我とのツーショットを頻繁に目撃するようになった所為か、どうも最近は畏怖の対象から実は可愛い人? ってゆーイメージに変わってるっぽい。

 実際食堂で我にごはんを食べさせてるシェラさんを微笑ましいものを見る目で視姦する見習いさんっぽいちまいメイドさん増えてきたしね。


 元々別嬪さんやー、って見惚れる位の美人さんが顔をふにゃ~と蕩けさせながら掌サイズの兎に餌付けする光景とか、そりゃ魅了不可避ですよねってお話でござる。

 最近はちまっこいさん達だけでなくベテランっぽいお年を召したメイドさんとか食堂で働いてるおばちゃん達も微笑ましいものを見る目で視姦するようになってきたし、人間関係でのToLoveるは減りそうで何よりですね。

 ただねぇ、なんかどーもシェラさんを視姦してはぁはぁする人達ばっかでなく我をロックオンしてはぁはぁしてるのもいるっぽいのよねぇ。 シェラさんがお替わりを貰いに離席するのを見計らって我ににじり寄ってくるのもいるし。

 ええい、我はそんなお安い女じゃないのですっ。

 そんな潤んだ目で手を伸ばしてきたって軽々(けいけい)にモフらせたりはしないんだぞっ!

 まぁ大体はシェラさんが戻ってきたら蜘蛛の子を散らすみたいに逃げるんだけどもね。


 「相変わらずちっちゃいわねぇ、この子」


 …元々シェラさんと仲が良いっぽい人達は知ったこっちゃないと寄ってきたり問答無用で我をモフったりしてくるけどね。

 ええいこんちくせう、彼奴らにも我がお安い女じゃないといつか知らしめなきゃならんとですね。


 と、ちょっと話題が逸れたけども。

 そんな感じで微笑ましいものを見る目を向けられるようになって以来。

 食事中や食後のティーブレイク中にちまい子がおずおずと近づいてきてシェラさんに話しかけてきたり、ベテランさんが寄ってきてあれやこれやと城内各所の情報交換や仕事の割り振りやらの打ち合わせをしてみたり~、と。

 我がこの食堂に連れられてきたばっかりの頃とは打って変わって今のシェラさんの周囲には人が集まるようになってきている。

 これはひじょーに良い事ですね、職場で孤立とか孤高のボッチとかアカンってレベルじゃござーませんもの。

 ただでさえこの若々しさでメイド長だか侍女長だかやってるとやっかみとか色々と煩わしいだろうしねぇ。

 うんうん、仲良き事は善哉善哉。

 だがちまい子&ベテランさんズよ、どさくさに紛れて我に手を伸ばすなし。 揉むなし。 撫でるなし。 持ち去ろうとすんなし、ってへるーぷ。 シェラさんへるーぷっっっ!!




 …ふひぃ、酷い目に遭った。

 あの後、幸いシェラさんがすぐに気付いてくれたんで事なきを得たけども、もし気付かれないままお持ち帰られたらどうなっていたことやら。

 ちなみに我をお持ち帰りしようとしたのはぬこ耳生やしたちまいメイドっ子でした……まさかと思うけど、食料と思われたとかじゃナイヨネ?

 今度獣人の図鑑とか探してみよーかなー、習性とか調べる為に。


 「さて、それじゃあ私はそろそろ仕事に向かうから」


 などと考えていたらシェラさんからそんなお声、そして我に向かって伸ばされる手。

 だがしかし、その手に捕まる訳にはいかんとですよ。

 ぶっちゃけあの鳥籠っぽいナニカはもー嫌です、たとえ両前足がまた死ぬる事になったとしてもエプロンドレスの胸元に突っ込まれてる方が万倍ましです。

 ただひたすらぐたーりするしかないより城内の地形把握できる方が有意義だもん、確定で。


 と、ゆーワケで。

 スッと伸ばされた手をひらりと回避。


 「・・・・」


 ・・・・。


 スッ、ひょい。


 ススッ、ひょい。


 ヒュッ、ガシッ。


 ふぁっ!?

 なんか初動無しで目視できないスピードで即捕獲されたでござる!?


 「悪戯しないの」


 めっ、とおでこをつつかれそのまま鳥籠っぽいナニカに放り込まれる。

 ちくせう、これで勝ったと思うなよ。


 「…そんな目で見なくても、今日はちゃんとお昼には戻ってくるから。 ね?」


 以心伝心ならず、ふぁっきん。

 敗北感に苛まれぽてりと不貞寝する我に苦笑しつつ軽く手をひらひらと振り、シェラさんは仕事へと赴いていった。



 ………お昼時(つぎ)は負けないもん、ぐすん。


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