75:我vs装飾過多な鳥籠モドキ。
〔 けだまの らび・そばっと。
むだに ごうかで そうしょくかたな とりかごもどきに 1のダメージ。 〕
おおう、ダメージ通った。 すごいぞらびそば、頼もしいぞらびそば。
(HPという概念のない物質にダメージを与える、という理解不能な事象に私の脳が理解を放棄したのですが)
いいじゃん、できるものはできる、で。
そしてダメージが発生した以上つまりこの鳥籠にもHPと書いてたいきゅうりょくと読む的な何かが存在する、筈っ。
久々発動、謎ボードさんかも~んっ。
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名前:『 』
種族:装飾品
状態:平常
称号:なし
Lv :-/-
HP :499,999/500,000
MP :-
筋力 :-
耐久 :-
敏捷 :-
魔力 :-
幸運 :-
【効果】
魔封じ
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・ ・ ・ ・ ・ ・ ゑ゛?
(…良かったですね、あと四十九万九千九百九十九回蹴れば脱出できますよ?)
先に我の足が壊れるわっ!!
今現在割と痛みと衝撃でジンジンしてるのに後五十万マイナス一回蹴れとかふざけんなでございますですよ。
て、ゆーかそもそもどう考えてもそんな回数蹴り終えるより先にシェラさんが戻ってくる件。
(あきらめたらそこで試合終了ですよ?)
諦めなくても終了してるよね?
(無駄に足掻いてもいいんですよ?)
足が壊れちゃうからやです。
それにあれです、ここから出れない上に本も読めないのは確かに辛いけども。
じっくりゆっくりたっぷりねっとり英気を養う余裕ができたと考えればいいのですよ。
そして深夜、闇夜に紛れて食料庫に潜入をですね……。
(それは無理な相談かと)
なんでさ。
(あまり深く寝入る事のできない体質なのか、シェラ=フォーンは深夜に度々目を覚ましていますので。
その度に大口を開けて野生? なにそれおいしいの状態のマスターの姿を愛でていますから部屋を抜け出したら大事になります?)
oh...。
じゃあ何、我ほんとに新しい鳥籠をシェラさんが用意してくれるまでただただ無駄に時間を浪費する以外する事ない訳?
(愛玩動物として正しい過ごし方なのでは?)
立場はペットでも言動までそれに縛られるつもりはもーとーないのですっ。
ふんす、と胸を張って答えるも返ってくるのはただ溜息。
え~、なにさその反応。 我何かおかしい事言った?
(胸を張ってペット扱いを許容する事がおかしな事ではないとでも?)
だって現状どう考えてもペットじゃん、我の立ち位置。
元人間のプライド? 誇り? それでお腹膨れたり雨風凌げて安全な寝床手に入るのん?
我の願いはただ一つ、身の危険知らずで食っちゃ寝ぐーたら平穏無事な日々でござーます。
(…馬鹿は強いですねぇ)
えっへん。 ……ってなんだか今『マスター』にそれ以外の意味を含ませてなかった?
(キノセイデスヨ?)
そっか、んじゃいーや。
でわでわ、とりあえずする事ないし我これから二度寝るねー。
(はいはい、良い夢を)
あいがと~、んじゃお休むー。 …Zzz。
言い終えるが早いが鳥籠の中に敷かれた布の上に倒れ込み、間もなく寝息をたてる毛玉を見やり。
はぁ、と心底からの溜息を吐き出し己の額に手をあて頭を振りながら。
(……コレをバ可愛い、と思えてしまっている時点で私も随分と毒されているみたいね)
苦々しげに、ルカの溢したその声を聞き取る者は既に夢の中。
呟き、意味を成したその言の葉は誰知ることもなくただ風に紛れ静かに散っていった。




