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64:我、称号をげっと?


 軍靴の音、いや~っ。 と、我が頭を抱えて身悶えるのを尻目にシェラさんと縦ロールさんの会話は続いている。


 「 『彼の国に情報を洩らすべからず』 だなんて脅しも加えて、この国以外のすべての国家にミラ教の教会経由で声明を出していますわ、勿論ファンギルでも。

  もしそれで知らなかったら逆におかしいと思わないかしら?」


 くすくすと悪戯っぽい笑みを浮かべる縦ロールさんと苦虫をダース単位で噛み潰したような表情のシェラさん。

 そして会話の内容的に戦争は不可避っぽい、我の平穏な日々オワタ?


 「尤も、脅しに関しては撒き餌のつもりなのでしょうけれど。

  怯えて従順に従うならそれでよし、ガオルーンに情報を齎すなり肩入れをした場合は嬉々として殴りに行くんでしょうね」


 相変わらずくすくす笑いのいい笑顔でとっても不穏なことを仰る縦ロールさんや、貴女はその発言内容の一体どこがそんなに楽しいんデスカ?

 てゆーかミラほーこくとやらはどんな蛮族国家なんですか? こんにちWARとか冗談じゃござーません…、ってあっ、ジャガーラッシュやめてっ!?

 …いかん、また何か変な電波ががが。


 「それを耳にした獣人国家アラケルの狂犬閣下殿は自ら軍勢を率いてミラ法国へと出兵、トリュケシア帝国の戦馬鹿閣下殿はミラ法国を批難、ガオルーンと共にミラ法国を討たんと気炎を吐いておられるようですし。

  大陸最古の大国と頂点に "神" を頂く法国家、更にそこに戦狂いの帝国と獣人最強の狂犬率いる戦闘民族国家の参戦、国家間の闘争の筈が気付けば大陸を巻き込んだ大乱へ。


  ……ふふっ、想像しただけで濡れてしまいますわね?」


 縦ロールさん、それ嬉しそうに語る内容じゃないから。 恍惚の笑み浮かべながら語るのヤメテっ!?

 ってゆーか神を頂く国家~、ってまさかして先日会ったあの神属と戦うのっ!!?!?

 あと狂犬とか戦馬鹿とかそんなん国のトップに据えていいのっ!? それともこの世界じゃおーさまは筋肉で選ばれるのっ?!?!

 そして何より何、濡れるって!?!!?


 あ~もう、ツッコミ所が多すぎてツッコミきれないよっ!?

 こんなトコにいられるかっ、我は自分の部屋にって鳥籠(マイルーム)ぅ~~~っ!!?!?

 部屋に戻る、でふと思い出して目をやれば視界の先には投げ捨てられ床に転がる鳥籠(マイルーム)

 よくよく見てみれば結構な力でポイされたのか節々が歪んでマスネ、これはケジメ案件ですよ縦ロールさん?

 その縦ロールにぶら下がって無理矢理ストレートヘアにするぞこんちくせうっ。


 「…何か、今すぐそこのラビをしばき倒さなければならない気がしてきましたわ?」


 途端、先程までの恍惚の笑みが消え失せ半目の縦ロールさんが我をじ~っと睨め付けてくる。

 まさかコヤツ、エスパーかっ!?


 「言っておきますが、この子に危害を加えた場合容赦はしませんよ?」


 キャーシェラサンステキー。


 「あら、そのラビにちょっかいをかけるだけでシェラが遊んでくれるなんて素敵ですわね」


 ギャー縦ロールサンフテキー。

 ニヤリ、と擬音が付きそうな笑みを浮かべながら手をわきわきさせるのはやめろ下さい。

 獲物を見るような目でこっちを見るんじゃありません、我おいしくないからっ!

 さっきからそうじゃないかとは思ってたけどこの人やっぱり戦闘狂デスネ、間違いない。

 シェラさんの容赦しない、って筋肉おーさまの時みたいなフルボッコでしょ? それを遊んでくれると表現するだなんて頭おかしーって絶対。

 そんなんに目をつけられたっぽい我の運命や如何にっ!?

 …拉致られて返してほしくば~、とシェラさんと遊ぶ為の兎質(ヒトジチ)になる未来しか見えぬぇ。


 「と、冗談はここまでにしましょうか」


 ガクブルしてたら縦ロールさんが急にくーるだうんした件、賢者もーどかな?

 いやでもなんかまた顔に笑みが浮いてるし油断しちゃ駄目だね、要警戒要警戒。


 「ここに来る前にお父様とお母様に会って今話したのと同じ内容を伝えましたけど、二人とも把握していませんでしたからどうやら地域を問わずこちらの草は根絶やしにされたようですわね。

  切り札の消失、情報収集能力の壊滅、それに加えてアラケルとトリュケシアの暴走。 お兄様と三人、顔を突き合わせて頭を抱えていましたわ」


 だからさっきから笑顔で口にしていい内容じゃないってば。

 なんなのこの人、縦ロールでお嬢様口調なのに中身はバーサーカーか何か?


 「その情報を盾に学院を無断で抜け出してきた件を有耶無耶に。 後は機を見計らって自身を売り込もう、と?」


 「自慢ではありませんが国内で五指に含まれる程度には武を修めていますもの、現状を鑑みれば受け入れない道理はないと思いますわよ?

  血脈でしたらお姉様がいらっしゃいますし、そもそも万一負けて国が滅びた後の王族の末路を考えれば戦わぬ道理はありませんし」


 嬉しそうに笑いながら喋るなし、握りこぶしを平手に打ちつけるなし。

 とりあえず聞こえた内容を整理した結果この縦ロールさん、この国のお姫様っぽい?

 確か謎ボード見た時にちみっこが第三皇女って書いてたしさっきのお姉様発言からすると第二皇女?

 ……見た目と肩書き詐欺もいいところデスネ。




 ……それにしても戦争かぁ。

 むぅ、逃げ出した後で困らないように食料とか寝床に使えそうな柔らか~な布とか色々ゲットしとかなきゃだなぁ。



  〔称号:盗兎(ぬすっと)を取得しました。〕



 ファッ!?


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