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60:我、言葉の刃にめった刺し。


 ヒャッハー、部屋に向かって一目散だぜ~!


 …はい、そんな冗談言ってる心の余裕も実はあんまりありませんとです。

 もし部屋に戻った時にシェラさんがいたら本気でぴんちがやばい、完全に今の安住生活詰んじゃうであります。

 鍵の掛かった、入り口の閉ざされたままの鳥籠と同じく施錠済の閉ざされた部屋の扉と窓。

 ただのラビがどうやってそんなダブル密室から大脱走したんだってお話である。

 まぁ流石にそこから空間魔法に思い至る事はないと信じたいがじゃあどうやったんだって言われたら非常に困る。

 向こうの言葉を理解してるってバレちゃってるから我わかんな~い、で誤魔化せる訳もないし。

 どうやって部屋を抜け出したのか、さぁ実践しなさいとか言われたらおしまいでござる。

 だから走る、ひたすらに走る、シェラさんより先に部屋に戻るべく遮二無二ひた走る。


 …あ、ちなみに今回はちゃんと道程覚えてるますよ? 流石に二度も迷子になるとか笑えないし。 決して闇雲に走り回ってる訳ではありませんぞなもし。

 水場探しに手間取りすぎて長距離移動になっちゃったから戻るのにも時間がかかるんだけどねっ!

 あっちうろうろ、こっちうろうろ、行って戻ってジャンプして、上空から周囲を見回して進路決めたりしたからそれをなぞるとどーしても、ね?

 え? わざわざなぞらないで最短ルートで戻れって?

 賭けてもいい、来た時のルートを外れたら確実に迷う。

 この道はこうだからこう行けば近道~、なんて具合に移動したらきっとわけわかんなくなる。 その位無駄に広いのである、このお城。

 いやまぁ単純に我が手のひらサイズに縮んでる所為で余計にそう感じてるんだろうけども。

 だから走るしかないのだよこんちくせう、そろそろ体力が限界っぽくて呼吸が素敵に荒ぶってて足が悲鳴をあげたりしてるけど走るしかないんだよ、ふぁっきんっ!

 …空間魔法、視界内限定でなく行った事のある場所とかマーカー的なものをつけた場所に転移できるようになったりしないか今度試してみやう、ぜーはー。



 青息吐息のへろへろ~になりながらもどうにか辿り着きました、惨劇の現場。

 周囲に飛び散った血痕はまだ完全に乾いてませんね、木の枝に生えた雀っぽいのの生首からもまだ赤い滴が時折落ちてきてるし。

 そして、うん、なんていうか~…くちゃい、ひっじょ~に血生臭い。 いや状況的に当然っちゃ当然なんだろうけど。

 ええいこんなところにいられるか、我は自分の部屋に戻るぞっ!! …中を覗いてシェラさん不在を確認してからだけど。 そもそも鳥籠と書いてへやと読むだけど。

 でわでわ、窓にエアジャンプで張り付いて~……って危なっ、窓に飛び散った血痕に飛びつくとこだった。

 角度を変えて~…そいやっ!

 室内に人影ナシ、気配ナシ、水音なども聞こえないから多分にゅーよーく中でもナシ。

 推定安全を確認したところで鳥籠(モクヒョウ)視界(センター)に入れて転移(スイッチ)、ふらいみーとぅーざばーどけーじっ。


 …はい、馬鹿言ってないで戻ってきました鳥籠(マイルーム)

 腰を落ち着けた瞬間疲労がどっと押し寄せてきて全身が悲鳴をあげているけど我はカラ元気です。

 うん、割と本気で辛い。 外の惨状なんて我なにもシラナイヨーワカラナイヨーという(てい)を装うべく(タヌキ)寝入りをしようかと思ってたんだけどこれならガチで夢の住人になれそうですたい。

 んでわ皆様お休むなさ~い……ぐぅ。




 「……な…い、起き……い」


 …なんか声が聞こえる、ついでに体が揺すられてる感覚。

 けどそんな強くない、気遣い満点の揺すり方なのでほんのちょっとだけ覚醒してた意識がどんどこ沈んで~…Zzz。


 「 ・ ・ ・ ・ ・ 。 」


 ふぉっ!? 浮遊感あ~んど後ろ首がイタイヨッ!?!?

 慌てて寝ぼけ眼を無理矢理開いて視界を確保するとそこには美人さんのお顔が……あ、シェラさんだおっはろ~。


 「夜にあれだけ寝ておいてよくもまぁそこまでぐっすり眠れるわね」


 呆れ顔でジト目なシェラさん、いやいやおこちゃまとか動物ってそんなもんですだよ? 寝るのがお仕事みたいなものでありまするよ?

 その上鳥籠に閉じ込められた状態じゃ寝るしかないと思うデスよ、ふつー。 いやしょっちゅう抜け出してる我の言える台詞じゃないけども。


 「あなた、私が出て行ってからずっと寝てたの?」


 肯定です、と首を縦にこくり。 …嘘だけど。


 「…そう、じゃあアレについて聞いても無駄ね。

  尤も、あなたは喋れないんだからどの道無意味だけど」


 苦笑するシェラさんに首をかしげてアレってな~に、のポーズ。 まぁ十中八九窓の外のすぷらったーな光景だろうけど。


 「なんでもないわ。 さ、お昼にしましょうか」


 そう言って後ろ首を摘まんで持ち上げていた我を胸元に押し込む。 なんか我、すっかりこの位置が定位置になっちゃってる感。

 まぁ胸元って言っても襟までしっかりある古き良きヴィクトリア調メイド服な訳で、実際はエプロンドレスの胸元ですけどもね。 …お胸様の谷間にぱいるだーおん、を想像してた人は総文字数分腹筋ね。

 ……ハッ、何か変な電波がきて訳の分からない言葉ががが。


 …げふん、さておきそんな訳でどうにかバレずに部屋に戻った我は何事もなかったかのよーにシェラさんと共に食堂へと向かうのであった、まる。


 「…あなた、なんだかちょっと匂うわね?」




 …何事もなかったのであるっ! ……ぐすん。


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