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42:我、書庫を漁る。

 我が一番良く使っているスキル、エアジャンプ。

 消費MP1とリーズナブルなのにとても便利で移動に回避に攻撃にと大活躍なスキルなんですけども。

 これ、足裏に篭めた魔力を大気中にある魔力に反発させる事で宙を跳ねる、という結果が発生しているらしいんです。

 謎ボードさんに原理どうなってんのと尋ねたらやたら詳細に表示してくれやがりました、半分以上意味わかんなくて読み飛ばしたけど。

 まぁ要するにこれって宙に浮くんじゃなくて跳ねるスキルな訳でして。


 で、我は今書庫に潜入成功して地図的なものと役に立ちそうな本を探しているんですけど、言うまでもなく上の高いところにある本とか下から見上げても文字の判別とかできませぬ。

 なのでそれを見るためにエアジャンプさんを多用しているんですけどもね?

 跳ねる、っていう事は今いる位置から別の位置に飛ぶっていう事で。

 当然その後は重力さんが手招きしてくる訳ですね?


 ……視界が常に上下する中で本のタイトルを一つ一つ確認していくとかこれなんて拷問?

 ルシェルがくれた言語自動翻訳スキルのお陰で一応文字は読めるんだけど、環境が読むことを許してくれませぬ。

 えぇい、もうちょっと利用者の事を考えて設計しやがられなさい建築家の人。

 ラビに優しくありませんよ、この構造っ!


 え? ラビが利用する事なんて最初から想定してないって?   …ご尤も。




 生半可な毛玉(ラビ)には真似できないエアジャンポゥ!


 ……はい、一度言ってみたかっただけですゴメンナサイ。

 まぁ、冗談はさておき。

 さっきも言った通りエアジャンプは空中を跳ねるスキルな訳ですけども。

 跳んで落ちてで視界がシェイクされるなら跳ぶ勢いを最低限度まで殺しつつ連続でジャンプし続ければ大して位置変わらないんじゃない? と思って試してみたところ空中で足踏みしている感じでほとんど視点がぶれずに済んじょりまする。

 ただし燃費はちょーぜつ劣悪でござる、一歩毎にMP消費し続けてるしね。

 うん、生半可(まっとう)毛玉(ラビ)には真似できないねコレMP的な意味で。

 マザーや兄弟姉妹ズが1、風魔術持ちのファザーですら19しかなかったもん。

 無駄に多い何に使うか分からなかった我のMPが光りますね、いやめっさごりごり削れていってるけど。


 そんな訳で視点の問題が解決した現在、我は呼び出した収納バインダーを横にふよふよ浮かばせながら魔法陣にタッチ、前足に光が宿ったら気になる本をタッチで回収する作業に没頭しておりまする。

 ほんとは中も見て内容を吟味したいところだけどサイズ的に無理だからね、仕方ないね。

 司書なおじいちゃまスマヌ、と内心謝っておく。 管理責任負わされなきゃいいなぁ。


 とりあえず地図は 『アルロー大陸図』 、っていう本があったんで多分これでいいと思われる。

 アルロー大陸? と首を傾げてたら謎ボードさんが出て



{アルロー大陸:

 第449023観測用箱庭の中央大陸。

 この箱庭の他大陸は "▽◇◎" によって侵食されている為ヒト種の棲める環境ではない。}



 って教えてくれたんでこの世界が実は第449023観測用箱庭じゃありませ~ん、とかいうオチでもない限り大丈夫、な筈。

 一応床に下りて収納から取り出してえっちらおっちらページ捲って見た感じだと割と詳細に記された地図が描かれてたんで地図である事だけは間違いないし。

 ちなみに本は羊皮紙とかじゃなくてちゃんとした紙でした、製紙技術はあるっぽい?

 我的には指紋とかないもっふもふの前足なんでつるつるの紙よりひっかかりのある羊皮紙の方が捲りやすいんだけどもなぁ。

 贅沢は敵ですね、はい。


 あ、ここで一つ宣言します。 我絶対に他大陸行かない。

 意味不明のナニカに侵食されてヒトの住める環境じゃないとかどう考えても厄ネタでござる。

 てか何よ侵食って、神様ズ何してんの?

 関与できないならできないで管理用ユニットに指示出すとかしないの?

 それとも実は神様プロデュースなの、その侵食とやら?



 脳内ツッコミ疲れました、ぜーはー。

 頭を振って疑問を追い出し、大きく深呼吸。

 うん、理解できない事に頭を悩ませるより今は知識の収集に勤しもう。


 …それにしてもこの書庫、ちょっとばかり蔵書数大過ぎやしませんかね?

 本棚、もう二十くらい見て回ったですよ?

 おまけに見上げてみればこの書庫、二層構造っぽくて上階層までありやがられますし。

 これ全部に目を通して吟味とかしてたら一日二日じゃ終わらない予感でござんす。

 目録とか検索機とかどっかにないもんかしら?

 もしくはこの辺の本棚にはこういった本が纏められていますよー、的な案内板かプレート。


 …無いものねだりしてないで真面目に本探そ。

 『スキル大全』 ゲット、 『魔術目録』 ゲット、 『図説モンスター図鑑』 ゲット、 『食べられるモンスター』 ゲット、 『薬草図鑑』 ゲット……。

 ティンときた本を目に付く端からどんどん放り込んでるけど収納に容量限界の兆しなし、ありがたやありがたや。

 しかし振り返ってみるとほんとに洒落になってないねコレ。

 興味ひいたタイトルの本片っ端からポッケないないしてる所為で本棚虫食いだらけである。

 割と冗談抜きで司書のおじいちゃま処罰されないかしらコレ?

 まぁそれでもポッケないないする手は止めないんですけどね、この機会逃したら次はいつ知識を得るチャンスが転がってくるか分かったもんじゃないし。

 済まぬおじいちゃま、我の素敵色した未来の為の礎となってくれたまい。


 そんな感じで本を物色しながらピョコピョコと書庫内を移動していた訳なんですが。

 なんか見つけちゃいました、書庫の奥の方の壁に添え付けられたえらく重厚な扉を。

 とってもお宝の匂いがシマスネ?

 きっと希少な本とかヤバげな本とかしまってあるんですよね、あの扉の向こうには。

 胸が高鳴るです、今すぐ突撃したいとです。

 でも司書なおじいちゃまの座っているデスクの真後ろにあるんですよねー、あの扉。

 近づいたら確実に気付かれますね、ちくせう。

 けど諦めません、だって絶対あの扉の先にはお宝あるもん、我のセンサーがびんびんに反応してるもんっ。


 諦めぬ、そうと決めたら行動は早い我です。

 司書なおじいちゃまから死角になっている本棚へ移動、そしておもむろにエアジャンプで高くまで飛び上がり一番上の段にある本を片っ端から収納、収納、も一つおまけに収納ーッ!

 列の本すべてを収納し終えたら真ん中、四段目辺りまで降りて本棚のふちに腰を下ろしまして。

 本が傷つきませんようにっ、と心の中で願いつつ今しがた収納した本を一つ残らず大・放・出。

 当然バサバサバサーッと素敵な音と埃を立てながら本は落下していく訳で…───。


 「な、なんじゃあ!?」


 と、素っ頓狂な声を上げながらおじいちゃまがこちらへと駆けてくる。

 そんなおじいちゃまを本棚の上に隠れてやり過ごし、やってきて惨状を目にし奇声を張り上げるのを尻目に扉へと一直線に駆け抜ける。

 よほど重要なものでもあるのかしっかり鍵もかかっているっぽいが我にぬかりなしっ!

 シェラさんの部屋の扉を開けようと悪戦苦闘している時にも鍵は何度も目にしました。

 この世界、今時の細くて小さな所謂シリンダー錠ではなく棒鍵式の鍵が使用されているので鍵穴から向こう側が見える。

 故に、視線さえ通っていれば、後は我の空間魔法でっ!


 はい、見事潜入成功して扉の向こう側に華麗に着地。

 …こんなんできるってもっと早く分かってたらシェラさんの部屋を抜け出すまでに無駄に時間を費やさずに済んだんだろうなぁ、とちょっと遠い目。

 いやほんと便利だね空間魔法、目で見えてればオーケーとか反則もいいところだよ。

 古代に遺失したらしいから多分いないとは思うけどもし我以外の使い手に会ったら迷わず逃げようそうしよう、関わったらアカンですわこんな魔法使う輩。

 それはさておき、お宝ちゃんは~……?


 …視界を巡らせる必要もありませんでしたね、目の前にそれっぽいのがありました。

 床一面に描かれた巨大な真紅の魔法陣。

 その中央にぽつんと置かれた三段のやたら年季の入った小さな本棚。

 そしてその二段目に収められた数冊の本。

 ちなみに上の段には透明なクリスタル? の中に魔法陣が刻まれた護符(アミュレット)っぽいもの。

 下の段にはなんだか青っぽい金属? で出来た髑髏。 趣味ワルッ。


 とりあえずその二つはさっさと回収、後で詳しく調べてみませう。

 はてさて、肝心要の書籍はどんな代物かにゃ~?


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