38:我、おーさまっぽいのと遭遇
その後も湯殿でモフられプニられ全身丸洗いされ甘噛みされてと好き勝手にいじられ続けまして。
バスルームを出る頃にはレイプ目で悟りの境地でした、もー煮るなり焼くなり好きにせーよと。
…うん、心中でとはいえそんな事を言っちゃったんですよ、愚かにも我。
結果? これでもかって位に玩具にされましたが何か?
どうせ相手は理解できないんだからって迂闊な事を口にしちゃ駄目ですね、心でなく魂で理解しますた。
で、今はごっついさんに抱かれて食堂に連行されてまする。
両前足を摘ままれて後ろ足立ち状態にされてなんかよく分からない踊りっぽいものを強制されてる最中にメイドさんが呼びにきてくれました。 メイドさんぐっじょぶ、超ぐっじょぶっ!
我を見て、ごっついさんを見て、その後 「その子にもご飯をあげますので一旦お預かりしますね」 とまで提案してくれました。 ホントこの人素敵すぎる。
まぁごっついさんが 「私のご飯をわけるから大丈夫よ~」 と拒絶してくださりやがられたお陰で逃げ損ねたけど。
メイドさんも流石にそれは、と粘ってくれたんだけど駄目でした、こんちくせう。
あと、メイドさんとごっついさんの会話を聞いててひとつ判明。
ごっついさん、ちみっこおぜうのおかんでした。 見た目20歳になるか位だし姉かなーとか思ってたからちょっと吃驚。
この世界、美形はデフォルトで若々しいが標準オプションなのかしら?
「ああ~っ、わたしのラビさんっ!!」
食堂に辿り着き、無駄に広いな~と見渡しているとそんな声。
視線をやれば背後にシェラさんを従えたちみっこおぜうがこっちを指差している。
ところでちみっこや? いつの間に我、君のものになったとですか?
膨れっ面の不機嫌顔でズンズンこっちに歩いてきたちみっこが我に手を伸ばす。
応じてごっついさん、胸元に抱き締めていた我をちみっこの手から遠ざけるように持ち上げる。
結果、ちみっこの手は空しく宙を切り我は強制高い高い状態。
空振った手をそのままにちみっこがごっついさんを睨む。
「おかーさま、ラビさんかえしてっ!
わたしのだよっ!!」
「違うわよ~? だってこの子は私が中庭で拾ったんだもの。
だから私のモノよ♪」
「ちがうもんっ! さいしょにラビさんみつけたのわたしだもんっ!
だからわたしのなんだもんっ!!」
「この子がティセちゃんの拾ってきたラビだっていう証拠は?
証拠もなしに言いがかりつけられてもママ困っちゃ~う♪」
「~~~ッ!! おかーさまのばかーっ!」
涙目でうーうー唸りながら必死に両手を伸ばし我を取り返そうと足掻くちみっこ。
愉悦の笑みを浮かべてそんなちみっこをあしらうごっついさん。
二人揃って当人の意見ガン無視で我を自分の所有物呼ばわりですかそうですか。
兎権って知ってる? 肉体言語でそのド頭に刻み込んでやろうかしら。
あとごっついさん、あんまり我を持ち上げたままあっちこっちに動かすなし。
ちみっこもごっついさんの服を掴んで揺するなし、我まで揺れるから。
アレか、また我をマーライオンにジョブチェンジさせるつもりか貴様らッ!!!
お目々ぐ~るぐる、そろそろカウントダウン入るよー状態の我の体が不意に優しく抱きとめられて。
そのまま宙を舞う感覚、そして着地の衝撃。 ただし我の足は地に着かず。
ぐるぐるお目々で状況を認識しようと必死に周囲を見回す我の目線が上を向くと。
「ラヴェルナ様もティセリナお嬢様も、いい加減になさって下さい?」
目がまったく笑っていない、薄ら寒さを感じる笑みを浮かべたシェラさんのご尊顔が視界に飛び込んできました。
そういえばこの人、名前だけで野郎'sを膝から崩れ落ちさせてたよね。
よく見ればちみっこはプルプル震えてるしごっついさんも冷や汗を浮かべている。
どうやらパワーバランス的にはメイド>王族? 主従逆転ってレベルじゃないね。
「仮にも皇族が配下の前で大声を張り上げ大立ち回りとは随分とご機嫌ですね?」
シェラさんの言葉にビクつき、慌てて目を背けたりそそくさと食堂を後にする使用人さんズ。
可哀想に、でっかい子供とちっこい子供の醜い争いのとばっちりで怖いメイドさんに睨まれるとか、南無南無。
我? 関わり合いたくない&巻き添え勘弁なんでシェラさんの胸に抱かれたまま傍観の構えでござる。 う~ん、でっぱいが丁度いいクッションになって抱かれ心地が素敵に無敵ですな。
「それで、ご機嫌なアーパー母娘様方?
日々の糧を得る食卓のあるこの部屋で埃を立てての蛮行、挙句皇族にあるまじき醜い言動。
……半日の説教部屋送りと健全な精神を鍛えるための特別修練メニュー、どちらがお好みですか?」
「「ごめんなさいっ!!」」
「謝罪はいりません、返答を」
両手、両膝を床につきひれ伏すごっついちみっコンビ。 我を胸元に抱きかかえて威風堂々の仁王立ちなシェラさん。
前者がおーひさまとおーじょさまです、後者は冥土さんです。
…自分で言ってて訳わからんとです、何ねこの状況?
「…なんだ、この状況は?」
あ、我とおなじ反応するのがいた。
視線を巡らせれば食堂の扉の前で呆然と立ち尽くす豪華な服に身を包んだ彫りの深いマッチョなおっちゃんとジェントルマンな執事のおじ様。
流れ的にあれがおーさまなのかな?




