37:我、天敵っぽいものと遭遇する。
「ぎゅ~っ♪」
むぎゅ~。
「もっふもふ~♪」
(背骨)みっしみし~。
「きゃ~♪」
ぎゃ~っ。
現在、我はなんだか言語機能に障害が発生したごっつい美人さんに抱き締め愛でられておりまする。
ただこの人容赦ないの、両手で我をホールドしてもふもふ言いながら頬擦りしてきた時なんて中身が飛び出しそうな圧迫感がまいぼでーを襲ったもん。
で、それ以外の抱き締めて愛でてる時は胸部の質量兵器に押し潰されて呼吸ができませぬ。
結果、蘇生したばっかりなのに再度三途リバーでルシェルと飲茶するところでござーました。
いや、気絶はしたんですけどもね?
でっぱいは凶器、我覚えた。 うぼぁー。
ジト目のルシェルに「カエレ」と蹴り返される幻覚で我起床、目の前にでっぱい。
反射的にラビブローを繰り出した我は悪くないと思う、被害者だし。
「きゃっ!? もう、めっ」
正当な復讐に何故か反撃が返ってくる。
ごっついさんのでこぴん一閃、我の頭くゎんくゎんしてますですよ?
てーか今、初動がまったく見えなかったんですけども。
衝撃受けてのーみそシェイクの涙目の視界にでこぴん発射後のごっついさんハンドが映ってそこで初めて何されたのか理解したとです。
「もう、随分といたずらっ子なお客さんね」
苦笑しながら我のおでこを指でうりうりしてくるごっついさん。 ヤメテッ、まだ我の頭の中さっきのでこぴんで絶賛シェイク中なのですよ?
そんな状態でうりうりされて頭ぐりんぐりんされたら、おお、もう……。
「きゃっ!?」
我、無念のマーライオン。
ちくせう、折角食べたクッキーがががが。
空腹が続いて胃が弱ってたのかあんまり消化されてないのが胃の腑から湧き出てくるから喉がいがいが痛いです、ぐすん。
「えー、っと……」
我を見、目に見えてうろたえるごっついさん。
ごっついさん、基本美人さんだけどこんな風にうろたえておろおろしてる姿は可愛いさんですね、ちょっとほんわか。 まぁ絶対許さないけど。
「…その、ごめんなさいね?」
そんな我の怒気に気付いたのか、気まずそうに謝罪してくるごっついさん。
許したげませんよ? 食べ物の恨みは恐ろしいのです。
「えー、あー……あ、そうだ。 人参食べる、ラビちゃん?」
後ろ足をダンダンと鳴らしつつジト目で見上げてる我にうろたえが加速したのかどうにかしなきゃと焦ったっぽいごっついさん。
何を思ったかそんな事を口走りつつそれを差し出してくる。 ……我の歯型がついた、一見するとニンジンにしか見えないその代物。
どう見ても悪魔の実ですね、よしその喧嘩買った。
容赦なくごっついさんのグレートなでっぱい目掛けてラビ・ソバットを叩き込んだけど我は悪くありませぬ。
湯船に浮かぶ木桶に張られたお湯に浸ってはふぅ、とひと息。
我・インザバスルームぱーと2。 …仕方ないよね、マーライオンしちゃったんだもん。
まぁいいんですけどね、我お風呂大好きだし。
ただ、ねぇ……。
「胸にばっかりちょっかいをかけてくるなんてエッチなラビちゃんねぇ」
なんでごっついさんまで一緒に浸かってるし。
着てる服は上等な仕立てっぽいし顔立ちはちみっこおぜうさんに似てるから多分縁者だと思うんだけどもなぁ。
と、なるとこの国の王族さんな訳で、なんでそんな人が魔物と一緒にお風呂に入るとかしてるん? 他の人も止めようよ。
危機管理っていう概念ないのかしらん?
それとも実はごっついさん、戦闘能力もごっついさんとか?
な~んてぼんやり考えてたら突然浮遊感、いつの間にか伸びたごっついさんの手が我の首ねっこを摘まんで持ち上げたらしい。 ぷら~ん。
で、なんでいきなり兎様を持ち上げたりするかなこのごっついさんは。
ジト目を向ける我の視線に気付かないままごっついさんがもう片方の手で我の足を摘まむ。 ん? なんかいや~な予感がするですよ?
とか思った瞬間いきなり世界が反転。
我の首ねっこを摘まんでいた手が外され、結果片足を摘ままれた逆さ吊り体勢である。
ほわっ!? とうろたえる我にお構い無しにごっついさんがさっきまで首ねっこを摘まんでいた手でもう片方の我の足を摘まみ、そのまま左右にみょいーと広げ……。
「あら、エッチな子かと思ったら女の子だったのねぇ。
まだ幼体みたいだし、ママのおっぱいが恋しかったのかしら?」
……我、この人だいっきらい。




