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3:我、思考放棄する

 あの後、我は暫く落ち込んだ。

 当然である、我の人生(兎生?)希望がないとはっきり理解してしまったのだから。

 そんな我を絶望から救い上げたのは謎生物……もとい毛玉ファザーであった。



=====================================

名前:『  』

種族:ホーンラビ(♂)

状態:正常

称号:なし


Lv  :18

HP  :96/96

MP  :15/15

筋力 :46

耐久 :32

敏捷 :84

魔力 :12

幸運 :38


【スキル】

  逃げ足

  ラビキック

  ホーンアタック

  エアジャンプ


【魔術】

  風魔術

=====================================



 最初に見た時は我が目を疑った。

 前足で二、三度己のまなこを擦って改めて見直す。

 ……うん、間違いない。

 毛玉ファザー、謎生物とか臭いとか思っててすまなかった。


 種族名を見、改めて観察してみれば確かに額に角らしきものもあった。

 言われなければ角と認識できない程に小さな、もこもこに半ば埋もれた形ではあったが。

 あれで角と言い張ってもいいものなのだろうか、等と思いながら謎ボードの種族名を見ていると……。




{ホーンラビ:

 ラビの進化種の一つ、額に生えた小さな角が特徴。

 低位の風魔術を操り、その脅威度はラビとは比較にならない}




 謎ボードから小さなアイコンが生えてこんな表記が現れた。

 どうやらこの謎ボード、かなりユーザーフレンドリーな仕様らしい。




{ホーンアタック:

 角獣種の基本戦闘技能}



{エアジャンプ:

 宙を蹴り空を跳ねる体術}




 ホーンアタックはそのまま過ぎてなんの感想も出てこないが、エアジャンプはかなり有用そうなスキルである。

 これに加えて風魔術も使えてこのステータス、ファザー強し。

 と、いうよりもむしろ進化強し?

 姉妹やマザーとは比較にならないこのステータス。

 我の詰んだ兎生にもどうやら一筋の光明が差したようである。


 目指すは進化、底辺からの脱却。

 そう心に決め拳を握……る代わりに片前足を頑張って握ろうと試みる。

 軽く曲げる程度ならまだしも、どうも握り込める構造ではないらしく四苦八苦している我が視界にまた現れる謎ボード。




=====================================

名前:『  』

種族:ラビ(♀)  《ヴォーパルバニー》

状態:生まれたて

称号:なし


Lv  :1

HP  :5/5  《10/10》

MP  :1/1  《500/500》

筋力 :1  《2》

耐久 :1  《2》

敏捷 :5  《1,200》

魔力 :1  《412》

幸運 :3  《2,000》


【スキル】

  逃げ足

  エアジャンプ


【固有技能】

  《欺ク者》

  《見定メル者》

  《首刈リ兎》


【神授】

  《道化神(トリックスター)の加護》

=====================================



 へ~、我メスだったんだ。















 ……うん、現実逃避はやめよう。

 向き合わなくちゃ、現実と。



{ヴォーパルバニー:

 ラビの突然変異種。

 神眼による看破さえ無効化する "欺ク者"

 あらゆる隠蔽、偽装を看破する "見定メル者"

 神すら屠る可能性を秘めた "首刈リ兎" という三種の固有技能を持つ。

 道化神の暇つぶしの思いつきにより産み出されたこの生命体は、その固有技能の所為で道化神以外には存在を知られていない。


                「ちなみに君は四代目だよ♪ by道化神」 }



{欺ク者:

 あらゆる鑑定スキルを欺き、騙す技能。

 鑑定スキルの最上位である "神眼" をもってしてもこの技能を抜く事は適わない。

 《》内の表記ステータスは本人以外には視認不可}



{見定メル者:

 あらゆる隠蔽、偽装スキルを看破し対象を鑑定する技能。

 この技能の前に一切の誤魔化し、偽りは通用しない}



{首刈リ兎:

 物体、幽体を問わずそこに在る者であれば一撃で屠る技能。

 霊体である神やゴーレム、アンデッドなどの擬似生命体ですら葬り去る可能性を持つ。

 技能の成功率は使用者の幸運のステータスに依存する。


               「首刈リって銘打ってるけど

             首のない相手でも発動するよっ♪ by道化神」 }



道化神(トリックスター)の加護:

 |電柱|・ω・) ミテルヨー}





 ……言いたい事や突っ込みたい所は山程あるが、とりあえず。



 我、最初から底辺からの脱却は終えていたらしい。


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