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15:我、飢える

 {始祖神(アドミニストレーター)の加護:

  [壁]△=) ジー}



 これはきっと 『見てんぞオラ、なんかやらかしたら即ヌッ殺すからな』 っていう警告なんだろうなぁ。

 けどさ、美人さんの時にも思ったけどこれって加護なの?

 監視の間違いじゃないの?

 まぁ、即座に処分される訳じゃないっぽいのは心底ありがたいですけども。

 品行方正、お天道様に顔向けできないような真似は全力で避けませう。

 ぷるぷる、我わるいウサギじゃないよ?




 明けて翌朝、今日もまたゲテご飯なワケですが。

 いつもなら朝食用ゲテモノを置いて昼食用ゲテモノを狩りに行くファザーが今日は巣穴で寛いでいますね。

 これはあれでしょうか、期待してもいいのでしょうか。

 期待に胸を膨らませつつ生ドクダミ(スライム)をちみちみと齧るとしましょう。

 うん。 不味い、もう一口。

 食べなきゃ死んじゃうもんね、仕方ないね。



 吐き気を堪えて生ドクダミ(スライム)を胃に流し込んで待つこと少々。

 他の兄弟姉妹ズも食事を終えたのを見計らってファザーが動く。

 ってあれ、なんでファザー我の首ねっこを咥えるのかな?

 咥えてー、持ち上げてー、兄弟姉妹ズを見やってー、移動を開始してー?

 兄弟姉妹ズはファザーの後ろをついてきている。

 カルガモ親子の行進みたいだね?

 けどファザー、それなら我もちゃんと皆の後をついていくよ?

 咥えて運搬する必要ないんじゃないのかな?

 我、足ぷらーんぷらーんさせながら抗議しちゃうよ?

 喋れないけど。



 足だけでなく全身をぷらんぷらんさせながら身を任せるだけで目的地へと辿り着きました。

 草原よ、我は帰ってきたっ!!

 ……どっちかって言うと連行されてきた?

 流石に二度目はそこまで衝撃ではないようで兄弟姉妹ズもそれなりに落ち着いている。

 と、思ったら一匹ぽてんと倒れた。

 あれ、多分前回もばたんきゅ~してた子じゃない?

 大丈夫? そんなんじゃ世間の荒波を乗り越えていけないよ?


 などと考えている内にやっとファザーが降ろしてくれました。

 ただいま地面さん、やっぱり我は君の上に立っているのが一番落ち着くよ。

 ってゆーかにゃんこでもあるまいにあの運び方はどうかと思うデスよファザー。

 そんな気持ちをこめてキッとファザーを睨むが対するファザーは首を傾げてこちらを見返してらっしゃる。

 どうやらまったく通じていませんね、それどころか何を勘違いしたのか我の頭頂部に顎下を擦りつけ始めやがられましたね。

 今日もまた非常にごわごわ湿り臭いです、そろそろ我ぷっつんしても許される気がしてきました。

 喋れれば必殺 「パパくさ~い」 が使えるのにっ。

 きりがなさそうなのでファザーの顎下からもがくように逃れるとなんだか残念そうな顔をされた。 知らんがな。

 ファザーには悪いが我には目的があるのだ。

 ご飯、それもできればおいしくてお腹に溜まって長期保存の効く持ち帰り可能な食材を。

 欲張り過ぎな気がしなくもないけど妥協するより常に上を目指すっ!

 ふんす、と鼻を鳴らす我を微笑ましいものを見る目でファザーが眺めているけど気にしない。


 と、決意したまではいいのですけれど。

 さて、どうやって食材探しにでかけよう。

 まずはちょっと動いてみましょう、前方へぴょんぴょんぴょん。

 はい、ファザーがついてきましたね。

 兄弟姉妹ズの中にも三匹ほどこちらを見ている子がいますね。

 うん、無理。

 これ食材を見つけても口をつける直前で阻止される流れだよ。

 まぁ前回はそれでぽっくり逝っちゃった訳だし、ファザーや兄弟姉妹ズの気持ちは分かるよ、うん。

 でも、我も命がかかってるんだよねぇ。

 ゲテご飯? あれを食べる位ならラビゴーストにクラスチェンジでいいです。

 でもやっぱり出来ることなら死にたくないのですよ、怖いし。

 て、ゆーか?

 そもそもほんとに我、死後クラスチェンジとかできるん?

 美人さんが言ってたのもただの冗談でした~、とか美人さんパワーが加わればな、的なオチとか……。

 ……うん、大目標は死なない事で。


 しっかし本当にどうしよう。

 そもそもさ、ファザー達がおかしいのが悪いと思うんだ我。

 ラビでしょ? ウサギなんでしょ?

 なんで肉食一択なの? 野菜や果物も食べようよ、っていうかむしろそっちを主食にしようよ。

 血の滴る生肉を貪り齧る兎とか誰得なのさ。

 それ寧ろ種族的に我の役処じゃないの!?

 いや頼まれても断固御免だけども。


 く~きゅるる。


 嗚呼、お腹減ったなぁ。

 けどそれでも無理なものは無理なの、だからファザーその毛虫は兄弟姉妹ズにでもあげてください。

 お腹が鳴った瞬間に矢のように飛び出したと思ったらすぐさま口に咥えて戻ってきたその狩りの腕前は素直に賞賛するよ?

 我、愛されてるなぁって凄く実感したよ?

 でも無理、毛虫丸齧りとかできません。

 しかもそれまだ微妙に生きてるやん、もそもそ動いてるですよ?

 あ~あ、せめて植物型のモンスターでもいればなぁ。

 それなら多分目を閉じて我慢すれば食べれるだろうに。











 ………うん、所謂フラグっていうやつですね。

 我がそんな事を考えるのと地響きと共に何か巨大な影がこちらへと向かってくるのはほぼ同時だった。


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