1:我、目覚める
真っ暗な闇の中、周囲でごそごそと蠢く気配。
一つや二つではないその気配に気をやっていると、不意に何か柔らかいものが我の頭に触れた。
同時に感じるのはふんふんと鼻を鳴らす音と獣臭………獣臭?
って臭い、本当に臭い。
この匂いの元、これ絶対ロクに身体洗ってないだろってレベルで臭い。
しかもなんか我の頭部に当たっていた柔らかいものもごわごわして湿った何かに変わったし!?
って臭っ、ごわごわで湿った何か臭っ!?
それを我に擦り付けるなぁぁぁぁぁぁーーーーーっ!!?!?!?!?
~数分後~
我、汚れちゃった……。
頭部に感じるのは謎生物から擦り付けられた湿り気。
そしてその湿った我が頭部から感じるのは例のごわごわで湿った何か臭……。
元凶の謎生物? 一頻り我にごわごわで湿った何かを擦り付けた後そのまま去っていったよ。
多分、謎生物のマーキング的な行為だったんじゃないかな。 と我の中の冷静な部分が分析するがそんなものはどうでもいい。
今、我を満たす感情はただ一つ。
身 体 を 洗 い た い っ ! !
とはいえ、先ずは現状を把握しない事にはお話にならない訳で。
やたらと重い、張り付いたかのようにすら感じる瞼を無理矢理開いた我の目の前には……
「 ・ ・ ・ ・ 。 」
なんだか白い毛玉がいた、それも沢山。
ナニコレ?
我がそう思った瞬間、視界に何かが浮き上がってきた。
半透明のボードのようなそれに目をやってみれば、表示されていたのはこんな感じである。
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名前:『 』
種族:ラビ(♀)
状態:生まれたて
称号:なし
Lv :1
HP :5/5
MP :1/1
筋力 :1
耐久 :1
敏捷 :5
魔力 :1
幸運 :3
【スキル】
逃げ足
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…ナニコレpart2。