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続RPG~召喚から始まる魔王生活~  作者: 柊雪葵
第二幕 エルフ族と結界修復
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第十章「刀と魔法と」1

 決戦当日。

 その目覚めはとても良好なものだった。



 昨日いじめぬいたはずの肉体も、サシャの回復魔法の甲斐もあってか普段以上に軽く感じた。

 リリィの膝枕に癒された事もあり、心身ともに万全な状態だと言える。



 そこに決戦に向けて考え抜いたのであろうミリエリ姉妹の食事と、正成(まさなり)によって整備された飛道具の数々。

 ゼノやリアがジークについての情報をまとめていてくれていたりと、これから独りで戦うというのに、それを感じさせないだけの仲間の力を感じる。



 本気で負けるわけにはいかない。

 そう強く思うことができた。



 そんなことを考えながら旧魔王城の控え室でその時を待っていると、訪問者が現れた。



「マスター、入っても良いですか?」



「リリィか。構わないよ」



「はい。失礼します」



 来たのはリリィだけかと思っていたが、どうやらそうではなかった。

 リリィの後ろからぞろぞろと仲間たちが入ってきて、気が付けば広々としていたはずの控え室がどんどんと手狭になっていく。



「揃いも揃ってどうした?」



「どうしたとは何よ! せっかく応援しに来てあげたと言うのに」



「そうだよ。気が付いたら一人でいなくなっちゃってるし、いつもそうだけど三厳(みつよし)は勝手すぎるよ!」



「そうでござる。水くさいでござるよ」



「うむ」



「そうですよ、マスター」



「…………」



 ミリエリ姉妹に正成(まさなり)、アーク、リリィ、とどめは頷くサシャとかつてここで共に戦った仲間たちに苦言を呈される。



 そして次は半分呆れたような表情でゼノが話始めた。



「先に言っておくが、俺は集中できなくなるから我慢しておけと言ったからな」



「私も邪魔をするのは良くないと思っていました」



 それに続いてリアもゼノの発言を肯定する。

 そのせいかちょっと雰囲気がピリピリしだしているが、今ここで喧嘩をするのはやめてほしいものだ。



「みんな……喧嘩……ダメ」



 そんな場を治めたのは俺の気持ちを察した──というよりも俺の心を読んだサシャだった。



「そうね。私たちはこいつの応援に来たんだから」



「そうだよ。よく分からないけど負けたらダメだからね」



「三厳殿ならやれるでござる」



「やるときはやる男だと信じている」



「今のマスターはあの時よりも遥かに強くなっています。あの、その、勝ったらご褒美も用意しているので頑張ってください」



「お兄さん……がんばって」



「お前が負けたらその後が大変なことになる。必ず勝って戻ってこいよ」



「魔王様は絶対に負けません。それは私が保証します」



 各々が思い思いのことを口にする。



 途中普段はダメなのかとか、赤面しながらのご褒美って何考えてるんだよとか、負けた後の心配かよとか、色々とツッコミたくなるところもあったが、応援していることには代わりないのだろう。


 やはり頼もしい仲間たちだ。



「まあ、やれるだけやってくるさ」



「締まらないわね」



「そうだねぇ」



「でもそれが三厳殿らしいでござる」



「うむ」



「だ、大丈夫ですよ! マスターはやる時はしっかりやってくれますから!」



「…………」



 前言撤回。

 お前らもう帰れよ。



「ほら、用が済んだなら戻るぞ。観戦なら他の場所でも出来る」



「そうですね。魔王様、誰か残った方がいいですか?」



 そう言われて答えに困る。

 正直誰かいてくれると気持ち的には楽なのだが、誰を選ぶかというのが問題になってくる。



 何だかんだで誰を選んでもトゲが立ちそうで怖いと言うのが正直なところだった。



 さて、どうしようか……。

 そう考えようとしたところで、入口付近に気配を感じた。



「誰も残らなくていいよ。頼もしい来客が来たみたいだからな」



 その言葉に全員が入口の方を見る。



 そこに立っていたのはどうしてここにいるのかが分からない、ある意味予想外の二人だった。



「親父……」



「それにバルハクルト様も……。お身体は大丈夫なのですか?」



「うむ、心配ない。それよりも席を外してもらっても構わないか?」



「分かりました。ほら、全員撤退だ」



 そしてベルちゃんとバルハクルトを除いた全員が部屋を後にする。



 残された俺はというと、何か異様な雰囲気にどこか居心地が悪かった。



「時間は残り僅かですね。では早速本題に入りましょう」



 バルハクルトが厳かにそう言う。

 その後に彼の口から続いた言葉はとても意外なものだった。

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