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続RPG~召喚から始まる魔王生活~  作者: 柊雪葵
第一幕 神族と封印されし大地
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第四章「アマゾネス攻略戦」5

 あれから10分ほど歩いたところで、正成(まさなり)が言っていた王宮らしき建物に到着した。



 パッと見た感じではあまり他の建物と変わりはない。

 強いて言えば少し古く、少しそれっぽい感じはしているのだが、それでもこれが王宮だとは思えない。



 しかし、目的地はここでよかったようである。



「間違いなくここだね」



「…………」



 魔力に長けたフランとサシャには俺には分からない何かが分かるらしい。

 魔力が使えない環境であっても、この2人を連れてきたのはどうやら正解だったようだ。



「そうじゃない。あそこに書いてある」



 サシャは何かを否定するように建物の一方を指差す。



 そこにはこちらの言葉で書かれた看板が掲げられていた。

 もちろん、俺には何が書いてあるのかは読めない。

 まあ、でもこの流れ的には『王宮』って書かれているんだろうな。



「本当ですね。『結界入口』と書いてあります」



 って、王宮じゃないんかい!

 結界入口とかまんま過ぎるだろ!

 いや、王宮でもまんま過ぎるけど、もう防衛するつもりすらない観光名所みたいな扱いとかおかしすぎるだろ!

 防衛機能はどうした!

 防衛機能は!



「おに──お姉さん、どうしてそんなに怒ってるの?」



「これは怒ってるわけじゃないと思うから放っといていいと思うよ」



「多分いつものツッコミとかいうやつですね」



 何故お前ら2人はそれが分かる!?

 なんか喋れなくても思ってることが伝わるのは助かるんだが、ここまで来ると気持ち悪さの方が勝つからな。



「はぁ……魔お──みっちゃんは放置して先に進むとしましょう」



 リア、どうしてそんなに呆れたような声を出している。

 俺何かしたか?

 お前らにそんな扱いされるようなことしたか?



「お姉さん……ドンマイ」



 うう、慰めすらも今の俺には辛い。



「ほら、そんな顔してないでみっちゃんも早く行くよ」



 そして次はフランに腕を引っ張られて王宮ならぬ結界入口へと進んでいく。



 そこは本当に観光名所らしく、入口には料金所が設置されていた。



「みっちゃん、キールを持っていないのですが」



「みっちゃん、僕もキールは持ってないよ」



「せっ──私も今はきらしています」



「…………」



 そして何故こいつらはお金を持っていないんだ……

 魔族領域では使われていない貨幣だからリアが持っていないのと、まあ、自称神の誰かさんが持っていないのは分かるが、サシャと正成は持ってないといけないだろ……



 てか入場料1人辺り1万キールとか高くね?

 稀に見るレベルのぼったくりじゃね?



 なんて思いはするけど、こいつらの分も払わないことには話が進まないんだよな。



 エスシュリー(仮)を提示し、そのまま5人分の入場料を決算する。

 何食わぬ顔で中へ入っていったフランは後で殴るとして、今は結界について調べないと。



「それでは私は別行動しますね」



 まずは正成を、と思っていたところで自分から任務を果たすため建物の奥へと忍び込んでいった。

 まあ、正成なら死なないだろうし放置でいいだろう。



「ところでみっちゃん」



「ヴァレリア、どうしたの?」



「ずっと気になっていたんですが、彼女は誰ですか?」



 その質問今さら過ぎはしませんか?

 てか、俺ちゃんと説明したよな?



 ああ、これが若年性アルツハイマーというやつか……

 恐ろしや。



 そして変わりに返事をしてくれるサシャ、グッジョブ。



「あれはござる」



「成る程。ござるでしたか」



 毎回正成でござるって言ってるのに、やっぱりあいつの呼び方はござるで統一されているのか。

 不憫だとは思うが、まあ、ござるござる言ってるから悪いんだよな。



 普通に喋れない訳じゃあるまいし。



「…………個性…………大事……」



 うんうん。

 個性が大事なのは分かったから昔みたいな喋り方に戻さなくていいですよ。



「……個性ですか。私も何かあればいいのですが」



 いや、リアは人一倍個性まみれだから。

 そんな悪趣味な仮面を着けた上に、変な語尾をつけて喋ろうものなら個性が飽和するから。



「お姉さんが充分だって」



「そうですか?」



「…………」



 普段のサシャのようにコクコクと頷く。

 なるほど。

 なんか少しサシャの気持ちが分かった気がする。



「──もう、みんなここに残ってるなんて! これじゃ真面目に探していた僕が馬鹿みたいじゃないか!」



「フラン……バカ」



「やぎゅ──みっちゃん、それは酷いんじゃないかな?」



 とばっちりを受けて睨まれた俺はとりあえず首を横に振る。



 フランは馬鹿じゃんって思う前にサシャが口にしたのだから俺は無実だ。



「それ、同罪」



 違う。



「同じ穴の狢」



 それはちょっと使い方が違う。



「人のフリ見て我がフリーダム」



 うん。

 もう色々とめちゃくちゃだな。



「難しい……」



「そんな2人にしか分からない漫才はしなくていいから! それより結界が見つかったの!」



 えっ?

 早くね?



「何その疑ったような顔は!? そこの角を曲がって階段を上がったところにあるんだって」



「とりあえず行ってみましょう」



「…………」



 サシャと2人、コクコクと頷く。



 実際、悪い予感しかしないんだけどな。



 そして俺たちはフランを罠避け──もとい先頭に角を曲がり、階段を登っていく。



 そこにあったのは、結界と、こちらを睨む高貴そうな女の姿だった。



「この街に悪しき気の持ち主が侵入した事は知っていたが、本当にここを狙ってくるとはな……」



 悪しき気の持ち主?

 ああ、リアか。

 そりゃあれだけ黒いオーラみたいなのを垂れ流しにしていたら分かるわな。



「目的はこの結界の破壊か? それならくれてやろう。どうせ魔力が枯渇して残りわずかの命だ」



「ねぇ、この人なんか1人で盛り上がってて怖いんだけど」



「確かに、頭がいかれているとしか思えませんね」



「こんなのを大事な結界の守り人につけるなんてダメ」



「おい、貴様ら全員酷くないか!?」



 高貴そうな女というのは訂正しておこう。

 こいつもバカだ。

 間違いない。



「それでみっちゃん、結界は譲ってくれるみたいだけどどうするの?」



 どうするもこうするもねぇよ。



 フランが質問をすると同時に俺は刀を抜いた。

 同じようにリアも剣を構えている。



 まあ、分かっていたけど、そんな甘い話なんてあるわけないよな。

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