確かな気づき
「わぁ、、、、!」
氷姫シリーズとは、氷の姫、をテーマとしたルシアーノの作品である。
どの作品も、どこか寂しさをまとったような表情を浮かべた姫君の彫刻だ。
奥の部屋には、部屋の中央にそれぞれ
青の姫、白の姫、銀の姫、という作品が並び、ロゼッタのエレメントによって姫のドレスにはそれぞれの色の星空のエレメントが閉じ込められていた。
その周りの棚には、ルシアーノや他の工芸士のガラス細工がおびただしく並んでいる。
ダイヤモンドが散りばめられたように、部屋全体が輝いていた。
「とっても綺麗ですね」
「この『氷姫』の憂いをおびた表情と精巧な細工は素晴らしいでしょう。これは22歳のルシアーノ様の作品。ルシアーノ様は魅惑的な影のある男性だったのでしょうね。そしてきっととても純粋なんだわ、、、なんて美しい」
と、レイチェルが感嘆のため息をもらす。
「すごいなぁ、、、綺麗ですね」
「あなた、さっきから綺麗、綺麗と言ってますが、本当にこの作品の良さが理解できていて?」
と、レイチェルがむっとする。
「あっ、私には難しいことはわかりませんが、こんなドレス着られたら素敵でしょうね。とっても綺麗な作品を見せてくれて、ありがとうございます」
とティーナがぺこりと頭を下げた。
「(は?ありがとう?)」
「すごいなぁ、、、どうやったらこんなものが作れるのかなぁ、、、私も作ってみたいな」
思わずティーナが呟いた言葉に、レイチェルの背筋がぞわりとした。
「(あぁ、、、、、わかったわ。ルシアーノ様がこの子を選んだ理由が)」
「やはり、いまの生ぬるい作風など、ルシアーノ様らしくないですわね」
とレイチェルが言った。
「レイチェルさん、ルシアーノさんの作風は変わってしまったかもしれないけど、でもルシアーノさんは、心を込めて作品を作っていますよ。だから、また新しい作品も見てほしいです、、、」
レイチェルは奥歯をぐっと食いしばるが、一呼吸置いてにっこりと笑顔を作ると、ティーナに向かって言った。
「、、、ティーナ様、よろしければ地下にも、ルシアーノ様の作品がありますから、見に行きませんか?」
「えっ!本当ですか!ありがとうございます!」




