サンタナ家を訪れて
幌馬車に乗り、2時間かけて、ティーナはサンタナ家へとやってきた。
サンタナ家は丘の上にあり、煉瓦造りの大きな邸宅だった。
ティーナが玄関のチャイムを鳴らすと、レイチェルが姿を現した。
今日は、ガラス細工のイヤリングを耳につけ、青いレースのワンピースを着ている。
「ようこそ、ティーナ様。遠いところまではるばるありがとうございます」
「お招きいただき、ありがとうございます」
レイチェルは、ティーナを招き入れる。
◆ ◆ ◆
リビングに向かうまでの廊下の棚には、すでにルシアーノの作品が並んでいた。
天使と悪魔が争いをしているような彫像に、小さなドラゴンやグリフォンの細工など、どれも精巧に作られている。
「わぁ、これもルシアーノさんが作ったんですか?」
「ええ。これは『幻獣』シリーズですわ。空想の生物をモチーフに、さまざまなポーズを想像して作っているの。ほら、このグリフォンはいまにも飛び立ちそう。生々しく美しい、、、まるで生き物のありのままを見ているようでしょう?」
と、レイチェルが微笑みながら語る。
ティーナはうんうん、とうなづきながらガラス細工を見て回った。
「お茶にいたしましょうか?それとも先に奥にある『氷姫』シリーズも見ていかれますか?」
「はい!ぜひ、先に作品を見せてください!」
と、ティーナが笑う。
「(こんなどこにでもいそうな女の、どこがルシアーノ様は好きなのかしら)」
と、レイチェルはティーナを値踏みしていた。
「(私が見定めてやろうと思ったけど、さっきから作品を見ても何も喋らないし、本当にルシアーノ様の作品の価値をわかっているのかしら?凡庸な女、、、こんな女がルシアーノ様の恋人だなんて本当に苛つくわ)」
と、レイチェルは笑顔を貼り付けたまま、ティーナを奥の部屋へ案内する。




