あたたかい人
ティーナが次に目を覚ますと、そこはサンタナ家の来客用の寝室だった。
「お目覚めになったのね」
と、ティーナの隣には、水差しからグラスに水を注ぐレイチェルが椅子に座っていた。
「レイチェルさん」
「ルシアーノ様が助けに来てくれたのですよ。私だって、好きな方から助けを求められたら、応じずにはいられませんからね。ドアの鍵を渡して差し上げました」
レイチェルはティーナにグラスの水を渡す。
「、、、、あの、どうしてあんなことを?」
「あなた、気づいていなかったのですか?私は、、、ずっとルシアーノ様のことが好きだった。美しくて、冷たくて、けれど、やさしくて、、、そんなあの人を独り占めしたかった」
レイチェルがため息をつく。レイチェルの言葉は半ばあたりから独り言のようになっていた。
「でも、あの人はあなたのようにあたたかい人によって、心の氷が溶かされたのね。それを認めたくなかったの」
レイチェルとティーナの視線がかち合った。
「、、、、ごめんなさいね。ティーナ」
「あの、私、知らずにレイチェルさんのことを傷つけていたなら、、、」
レイチェルが手で、ティーナを制した。
「あーっと。謝らないでくださる?恋のライバルに謝られるなんて、それこそ本当に負けたみたいじゃない」
ティーナは慌てて言葉を飲み込んだ。その様子を見たレイチェルが言う。
「、、、、本当に素直な人なのね。あなた」
そのとき一瞬、レイチェルが微笑んだように、ティーナには見えた。




