椿と渚①
椿は双葉病院に勤務する看護師。
2か月前から入院している渚の担当看護師だ。
身長は高く、173cmの渚よりも背が高い。
歳も2歳年上だ。
椿は始めから渚に好意を寄せていて、渚の世話をよくしていた。
トイレに行こうとしている渚を見つけると。
(椿)
ねぇ、トイレに行きたいの?私が連れて行くよ。
(渚)
お願いします。
その、トイレで……シて(照)
(椿)
何言ってるの?それはできないよ。
(渚)
手でシコってくれるだけで良いから。
(椿)
え……でも……それは……
困った表情をする椿。
(渚)
だって、一昨日から勃起が治らないんだ……
(椿)
媚薬、入れすぎたかな?(ボソっ)
(渚)
えっ?
(椿)
いえ、なんでもないわ。
えーっと、私と一緒にいても、治らないの(ニヤッ)
(渚)
だって……(照)
(椿)
私も君と一緒に居ると、ドキドキしちゃうからね。
獲物を見る目で渚を見る椿。
心なしか舌舐めずりをしていた。
(渚)
うん(照)
(椿)
そこは"お姉様"でしょ(ニヤリ)
もはやエサを目の前に置かれた肉食獣のような目で渚を見る椿。
(渚)
はい、お姉様♡(照)
(椿)
ふふふっ♡可愛い♡お姉さんも大好きだよ(捕食者の目)
(渚)
えへへ♡(照)
(椿)
私達、これまで以上に仲良くなれそうね(ニヤッ)
(渚)
はい、お姉様♡
(椿)
ねぇ、出口付近だし、早く行きましょうか。
そっと渚の手を握る椿。
(渚)
はい、お姉様♡
垂れそうになる涎を我慢して、繋いだ手を放さずにいる椿。
(椿)
病室に戻ると、また忙しくなるものね。
(渚)
うん。
(椿)
じゃ、こっち来て。
椿は空いている病室に渚を引き入れる。
(椿)
ふふふっ♡
(渚)
このまま一緒に居たい(照)
(椿)
ふふふっ♡私は構わないけど、看護師としてはダメなの(微笑み)
(渚)
じゃあ、お仕事終わってから(照)
(椿)
そうねぇ、仕事が終わったらゆっくり時間を取って、デートしましょう。
(渚)
はい、お姉様♡
(椿)
一緒に居るの、楽しい?
はにかみ、甘えた声で渚に問いかける椿。
(渚)
うん、楽しいです♡
(椿)
ふふふっ♡私も楽しいよ。
君と一緒になら、毎日こんな感じでも良いな(微笑み)
(渚)
お姉様ったらぁ〜♡(照)
そこへ、上司が入ってきた。
めっちゃ気まずい。
(椿)
えっ?
(渚)
わっ!(驚)
上司と目が合うと、慌てて目を背けて渚との関係を誤魔化した。
(椿)
何もない!看護中に話しかけたりしないでよ!
(渚)
はい!ごめんなさい。
上司が居なくなると、ため息をついて渚に謝る椿。
(椿)
ごめんね……変なことさせちゃって……
(渚)
ううん、そんな事ないよ。
(椿)
本当に大丈夫?
心配そうな顔をして、渚の顔を覗き込む椿。
(渚)
うん、だって、お姉様だから。
(椿)
ふふふっ♡可愛いわね。
でも、私、看護師なの。
冷静にならなきゃね。
(渚)
お仕事中は、ですよね。
(椿)
ええ、お仕事中は……ね。
しゅんとする渚を慰めるように頭を撫でる。
(椿)
だからさ、退院しても会ってよ。
(渚)
はい♡お姉様♡
(椿)
退院後は、普通にデートとかしたいしね。
(渚)
うん♡
(椿)
ねぇ、図書館に行きたいな。
私、推理小説が好きなんだよね。
(渚)
そうなんだ。
ボクはライトノベルが好き。
特に異世界転生もの。
(椿)
へぇ〜、そうなんだ。
私も一度読んでみたいと思ってるんだ。
興味あるんだよね。
(渚)
面白いよ、スカッとするし。
(椿)
えと……内容が知りたいんだけど、教えてよ。
(渚)
えーっとね、主人公が異世界転生する話。
(椿)
でしょうね、おい!
(渚)
あはは。
転生した主人公がチートになってて、色々無双するんだ、面白いよ。
(椿)
へぇ〜、それって凄いね。
実際にあったら最強じゃない。
(渚)
そうそう!実際にあったら楽しいよね!
(椿)
ふふふっ♡でも、現実世界で生きるのが好きかな。
(渚)
えぇぇぇっ!!!やっぱ異世界だよ(笑)
(椿)
異世界に行きたいのは、逃避願望があるからじゃないの?
クスリと笑い、からかった口調になる椿。
(渚)
でしょうね。
それと、チートで無双でウハウハな生活って良くない?(笑)
(椿)
え〜?それで現実を無視しても良いの?
(渚)
もはや無視して良いレベル(笑)
(椿)
ふふふっ♡君のその一面も好きだけど、現実逃避は良くないと思うよ。
(渚)
あはは(笑)
優しい眼差しで渚を見つめる椿。
(椿)
現実が嫌になったら、私に相談に来なさい(微笑み)
(渚)
はい♡お姉様♡
(椿)
それで退院したら、図書館に行こうね。
是非、推理小説の好きな作家の本を紹介するから。
(渚)
はい、楽しみにしています♪
(椿)
ふふふっ♡楽しみにしてて(微笑み)
(渚)
うん♡
数日後、退院した渚。
晴天の下、二人は街を並んで歩いている。
渚が身につけた服装に、椿が同じように服装を整えているのが見て取れた。
(椿)
今日は最高の天気だね。
(渚)
はい♡お姉様♡
(椿)
ねぇ、どこに行きたい?
にこにこ明るい声で渚に尋ねる椿。
(渚)
じゃあ、図書館行きましょう。
(椿)
あっ、こからだとショッピングモールに行った方が近いわよ。
(渚)
ならショッピングモールに行きましょう、何か食べません?ラーメンとか?
(椿)
ふふふっ♡ラーメンね、私はカレーが良いかな。
(渚)
じゃあ、カレーにしましょう。
どこ行きます?CoCo三番屋とか。
(椿)
えっ?あの有名店よね。
うーん、良いけど、女の子としては不本意かな。
(渚)
本格インド料理のタージマルとかかな?
(椿)
あそこはまた違うよね。
個別に好きな物が出来上がっているし、お値段も高いから、"ご褒美"的な時だよね。
普段は行けない。
(渚)
たしかに高級店ですよね。
じゃあ、無難にフードコートですかね。
(椿)
フードコートね。
でも、少し歩くけど、先に図書館に行って、帰りにショッピングモールで買い物ってどう?
(渚)
良いですね、そうしましょう。
という事で図書館に行く渚と椿。
(椿)
ほら、あれ、私の好きな作家のコーナーよ、行きましょう!
推理小説コーナーを指差し、渚を連れて行く椿。
棚に挟まっていた本を抜き取り、熱心に説明する椿。
(椿)
この作家、ミステリー作品が多いんだけど、時々ロマンスも書いているの。
(渚)
そうなんだ……あれ?お姉様!足元に……
これは転移魔法陣!異世界転移ですよ!捕まってください。
(椿)
えっ?何を言い出すの?
(渚)
ほら、足元、光ってるから!
(椿)
えっ?
慌てて周りを見回す椿。
(椿)
誰か!
(渚)
大丈夫です、ボクが一緒に居ます。
一緒に転移しますから。
(椿)
えっ?!異世界転移!?
(渚)
そう、これ、"勇者召喚"ですよ!
本当に経験するとは思わなかった!
(椿)
マジで……
目を丸くする椿。
(渚)
行きましょう、お姉様、異世界へ!
(椿)
えっ?ちょっと待って、私、現世で君を看病したいのに……
(渚)
大丈夫です、一緒に居ますから。
召喚魔法に導かれ、異世界へ転移する。
(椿)
えっ?……本当に異世界に……?
(渚)
やっぱり異世界だ。
(椿)
凄い……畑や森があり、家もあるし……人里よね!
(渚)
ですね、中世ヨーロッパみたいなところですね。
(椿)
ふふふっ♡本当に異世界に来ちゃったね……
(渚)
はい、来ちゃいました、異世界!
しばらく歩き、道端にあった石碑を見つけて止まる。
(椿)
あら、これは何だろう?
(渚)
うーん、何だろう?
文字を見た途端、表情が青ざめた椿。
(椿)
何これ!
(渚)
えっ?ボク達のお墓?
(椿)
えっ?なぜ?!
(渚)
ひょっとして、転移じゃなく転生?
死んじゃったかな?
(椿)
嘘でしょ!そんな事!
(渚)
まぁ、この世界で生きて行けば良いし。
えーっと、ステータスはと……凄い!ほら、チートだよ!
(椿)
嘘……!?どうして私は低いの?!
(渚)
えっ?なんで?じゃあ、ボクがお姉様を守るのかな?
(椿)
えっ?私が守られる側?
(渚)
反対な気がする……
(椿)
どういう事?
(渚)
お姉様に守られたい(照)
(椿)
ふふふっ♡冗談でしょう?
(渚)
でも、このステータスだと。
(椿)
でもね、私は強くなって、誰かを守りたいの。
(渚)
じゃあ、守ってください。
ってか、お姉様はレベルアップしますよ?
ほら、"成長加速"ってありますから。
これ、経験値積むと強くなるヤツですよ、多分。
(椿)
えっ?レベルアップ!?
(渚)
うん。
ボクはカンストしてるけど、お姉様は成長してレベルアップしていくステータスですよ。
(椿)
ふふふっ♡それは良いかもね……頑張って強くなりたい。
(渚)
強くなって守ってください。
お姉様に守られたい(照)
(椿)
えっ?本当に私を頼りに?
(渚)
ダメですか?
(椿)
ふふふっ♡大丈夫だけど(ニヤッ)
(渚)
わーい♡
手を繋ぎ、小道に入ると、妖精のような魔物が現れた。
(椿)
あら、魔物……
(渚)
ホントだ。
(椿)
この子達、私を狙っているみたいね。
(渚)
やっちゃってください、お姉様。
(椿)
頼むぞ!
杖を使って魔法を放ち、殲滅した。
(渚)
凄い、お姉様!
(椿)
どういたしまして。
でも、この感じだと……王都とかに向かう?
(渚)
そうですね。
王都に向かい、ギルドで冒険者登録っていうのがテンプレですね。
(椿)
うふっ、テンプレ。
でも、その通りかもね。
街に着き、宿屋に泊まる。
翌日、朝に起床すると同時に出発した。
(椿)
冒険者ギルドは王都の正門の右手にあるって書いてあるね。
(渚)
そうですね。
早速行って冒険者登録しましょう。
(椿)
ふふっ、そうだね。
(渚)
で、その、あの……
(椿)
ん?どうしたの?
(渚)
昨日、身体を確認したら、"ふたなり"になってた。
ちん●とマン●の両方あるんです、胸も膨らんでいるし……
こういうのを"ふたなり"って言うんですが……
自分が"ふたなり"になってるなんて……
(椿)
えっ?!そうなの?
(渚)
はい、ちょっと嬉しい。
"ふたなり"には興味あったから(嬉)
(椿)
ふふふっ♡大丈夫よ……
(渚)
お姉様……
(椿)
えっ?何?(ニヤッ)
(渚)
ふふふっ♡
(椿)
あっ!もう!
渚の背中を叩いた椿。
(渚)
あれっ?胸が大きくなった!
(椿)
えっ?
(渚)
ほら。
(椿)
見せてごらん……凄いね!
(渚)
これ、Dはあるよね。
(椿)
そうね。
揉んでみたけど、柔らかいね。
感度も高そうよ(ニヤッ)
(渚)
あっ♡お姉様♡(照)
(椿)
うふふっ♡可愛い♡(ニヤッ)
意味深な笑みを浮かべる椿だった。
(椿)
冒険者ギルド、着いたね。
(渚)
ここかぁ……如何にも、ですね。
(椿)
ふふふっ♡そうね。
(渚)
じゃ、入りましょう。
(椿)
よし、入るよ!
扉を開ける椿。
(渚)
頼もう!
完全スルーされた渚。
(渚)
お姉様(涙目)
(椿)
えっ?
(渚)
・・・(半泣)
(椿)
嘘よ、おいで(微笑み)
椿に抱きつき、慰められる渚。
受付に案内される
(ギルド職員:女)
新しい冒険者ですか?
(渚)
はい、そうです。
冒険者登録をお願いします。
(ギルド職員:女)
お名前と年齢、出身地を教えてもらえますか。
(渚)
名前は渚、歳は22で出身は異世界です。
召喚されました。
(ギルド職員:女)
えっ?……
(渚)
召喚魔法で、二人とも異世界からの召喚です。
こちらはお姉様の椿様です。
(ギルド職員:女)
は、はぁ……
しばらくして……
(ギルド職員:女)
お待たせしました。
登録証とこのメダルを渡します、無くさないでくださいね。
(渚)
はい、ありがとう。
ギルドカードを受け取り、ポケットに入れる。
(椿)
これで冒険者としての活動が可能ね。
(渚)
そうですね。
(椿)
このメダルは、街の外壁や門での防衛に参加し、敵を倒すと発行されるクエスト報酬証だって。
(渚)
へぇ〜……
(椿)
この冒険者カードは、最下級から始めて、上位ランクに昇格するにつれて色が変化するって。
緑、青、黄、赤、銀、金の順ね。
(渚)
ボク、金だ。
(椿)
えっ?本当?!
(渚)
ほら。
測定とかしてたから、それでかな?
(椿)
ふふっ、凄いね!私は銀よ。
(渚)
お姉様も凄いですよ。
(椿)
ふふふっ♡ありがと(微笑み)
(渚)
では、何かクエストでも受けます?
(椿)
そうね……でも、今、王都では大変なことが起こってるみたいよ。
(渚)
えっ?
(椿)
見て、この張り紙。
魔物が大量に現れて被害が拡大しているそうよ。
(渚)
ほんとだ!
(椿)
早くなんとかしなければ。
(渚)
じゃあ、それ絡みのクエストを受けましょう。
(椿)
そうね、どうしようか?
(渚)
とりあえず、受付で詳しい話を聞いてみましょうか?
(椿)
そうね、じゃあ、行きましょうか。
椿と渚は詳しい話をギルドの受付に聞きに行った。