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煤木カナン

次の日、闇斗は大学に来なかった。

「僕、やっぱりドクター、諦める。僕にはきっと、ドクターなんて向いていないんだと思う。」


―――――あいつは、本当に夢を諦めてしまったのだろうか。

念願のドクターになる事が出来たのに、心に罪悪感が残る。

…二人でドクターになりたかった。

それでも俺は奇病の患者たちの為に、ドクターとして、大人として、全てを尽くさなければならない。



小児奇病科医師試験に合格した人達は、まずその試験を取り締まった監督官に説明を受けることになっている。それぞれドクター免許、シスター免許、勤め先となる病棟の事などを説明されるのだ。


コンコン。

「…失礼します。」

威圧感がする、木製の扉を叩く。ここは、特別会議室。ここにいたのは、あの時の監督官と、1人の女性だった。


美しい白銀の短い髪に、雪を象ったような白い目。まるで雪の精霊のような、人では無いような美しさを彼女は持っていた。


「あの…私たち、これからペア組みますよね!」


優しい声がした。


「あっはい。ということは、貴方は俺と組むシスターさんですか?」


彼女はニコっと微笑み、首を縦に降った。


「あぁやっぱり!これから初勤務、何だか緊張してきますよね…!あっ、自己紹介まだでしたよね!私は、シスターの煤木(すすき)カナンです!貴方のお名前は…?」


「俺はドクターの金城 慶次、です。これからよろしくお願いします…!」


シスター、ドクター。あの日夢見た二人が、揃った。

俺は今、緊張と興奮で胸がドキドキしていた。


二人で挨拶をしていると、重い空気を纏った監督官が俺たちの間に入り、こう言った。


「ドクター、金城。シスター、煤木。君たちは、自分に苦しむ奇病の子供たちに全てを捧げる事を誓うか?」


これは、ドクターとシスターになること、そして奇病患者たちに目を向け、自分の命に変えても彼らに尽くす事を暗示する儀式。ドクターとシスターが必ず乗り越える式だ。


俺たちは右手を天高く上げ、自分の胸に手を当てる。


『はい。私たち、ドクター(シスター)は、死を恐れる奇病患者たちに全てを捧げ、心と体の治療、ケアをすることをここに誓います。』


すると監督官は、優しく微笑み、拍手をした。


「…おめでとう。これで君たちは、立派なドクター、シスターだ。」


彼はコホン、と咳払いをし、何枚か資料を出した。


「早速、ドクター金城とシスター煤木には、真弥ノ島にある病棟で治療してもらう。ここはどうやら、つい最近一組のペアが抜けてしまったという事だ。…いいか、二人とも。この先は、辛くて苦しい事が沢山ある。それでも、子供達の為に、逃げず、前を向いてくれるか?」


俺達は顔を見合わせ、『はい!』と高らかに返事をした。




―――覚悟は出来ている。これから俺は“ドクター”として、人間の死を目の当たりにするだろう。…それでも、この命を、患者達に捧げるつもりだ。きっと…いや、彼女も同じ決意を持っているはずだ。そしてドクターとシスター、奇病患者たちの物語が幕を開ける。






二話を公開しました!



話の展開が難しく、ミスもあると思いますが、第三話以降もよろしくお願い致します…!!


アドバイス等々を頂けると幸いです!

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