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羊飼いは霧深い山道を

 皆様こんにちはこんばんは、遊月奈喩多と申すものでございます!


 いくつも連載しているのに新作を書くのか、と思われそうですが、迸る熱いパトスは止められない!と昔誰かが言ったように、遊月も思い出を裏切ってしまうわけです(何の話だ)


 ということで、本編スタートです!!

 きっと始まりは、夕焼けに染まったあの帰り道。

 下校中、まだ校門も程近い場所だというのに無神経に飛んで来たあの声が、俺たちの今が始まるきっかけだった。


『ゆーちゃんゆーちゃん、一緒に帰ろ!』

『いいよ、そういうの』

『でも。でも今日はゆーちゃんの、』

『いいからやめろって! (はるか)はいつも鬱陶しいんだよ! 頼むからどっか行けよ、この依存体質女!』


 空気が凍ったのを感じた。

 言い過ぎた、とは一瞬思った。

 だけど口から出た言葉は飲み込めなくて。

 そのくせ、謝る言葉は喉の奥でつかえて。


 両目に涙を(にじ)ませて「ごめんね」と呟いて走り去った遥が次に見つかったのは数ヵ月後。俺たちの住む町から少し離れた地区の、独り暮らしの男の家だった。

 詳しいことはもう知りようがない。

 そこで暮らしていた男は、単身その家に辿り着いたらしい遥の父親によって殺されたらしいし、遥の父親もそいつの抵抗に遭って死んでしまった。その場所で何があって、どういう目に遭わされてきたのか、もう誰にもわからない。だけど保護されてからの遥は、もう俺の知る遥ではなくなっていた。


 メェェェェェ……

 メェェェェェェェ……


 春どころか初夏と呼ぶことすら躊躇われる、暑い日の夕方。今日も、見上げた家からは(かす)れた鳴き声が聞こえてくる。胸が苦しくなるように聞こえるのは、こんな事態を招いた俺を責める気持ちがその声に宿っているからなのか。

 あぁ、いま行くよ。

 インターホンを鳴らして、やはり他には誰もいないことを確認して。

 俺は鳴き声の主──遥のもとへ向かった。


 あのとき『明日』に回してしまった、謝罪の言葉を今も届けられないまま。

 前書きに引き続き、遊月です。今回もお付き合いありがとうございます! お楽しみいただけますよう、どんどん書かせていただきますね♪


 本作はWebで字を書いている方々の祭典、『書き出し祭り』という催しで出させていただいたお話を連載用に加筆したものとなっております。

 書き手の皆様がご自分の性癖をこれでもかと発露させ、めくるめく快楽と恐怖、喜悦と絶望の世界を披露してくださるなかではあまりにも凡庸だった本作ですが、それでも素敵なコメントを下さったり、『面白いぞ!』と押してくださる皆様の温かな愛情に答えられるように、作者も頑張っていきたいと思います。

 愛情といえばですが、私が日々楽しみに読んでいる幼馴染みヒロインの寝取られ漫画の最新刊が今月(このお話を書いているのは2024年5月の上旬です)の中頃に配信されるということで、もう生きる糧が増えたような心地です。様々な方向から心をゴリゴリ削られていくような物語に、もう遊月も首ったけなわけでございます……いやぁ~……いえ。イヤーッ!! 楽しみですねぇ!!


 ということで、また次回もお会いしましょう♪

 ではではっ!!

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