9.溜めてきた気持ち
不定期投稿で申し訳ありませんどうにか頑張ります(;_;)。楽しんでください!
「……………」
「……………」
(どうしましょう、ものすごく気まずいわ。何でマリア行っちゃったの!?なんか言わなくちゃ……)
「あの、そういえば、どうして迷子を助けている所の写真があったんですか?」
「………え、あぁ。それはですね、」
(…………………自分で聞いといてあれだけど、めちゃくちゃ怖いわ!どうしましょうストーカーだったら、いろんな意味で大問題じゃない!!)
「僕はですね、パーティーに行くときは、近くに警備を、置いておくんですよ。」
「そ、そうなんですね。あはは………」
(結構遠かったよね………警備の範囲広すぎない!?)
「リリアさんはどうして、このパーティーに出てたんですか?」
「え!?私ですか!?私はパトラさんに招待されることが多くて。」
「……………いやなら出席しなくてもいいのに」
カクは小声でぽつりと喋った。
(あれ?)
「え?なんか言いました?」
「いえ、何でもありませんよ。ただ毎回こんな感じなのかなって思いまして。」
「…………そうですね、毎回こんな感じと言われれば違う気もしますが、私をからかっているのかなって思うことは結構ありますね。でも!よくあることなので。」
(優しいな、何でだろう、胸が締め付けられるような、)
その痛みから逃れるため、窓を見ると雨が降っていた。大雨なので帰りはずぶ濡れだろう。
「この前もありがとうございました。助けていただいて、重かったですよね……」
「いえいえ。軽すぎたぐらいです。ちゃんと食べてます?風邪は治りました?」
(…………あ、)
「はい。だいぶ良くなりましたが、昔から少食でして…あまり食べれないんですよ、」
昔のことは思い出せないが一応昔からと付けておく。
(話しちゃいけないのに口が勝手に動いて、もう……動かないでっ、なんっ……で。これ以上話したら、っ……だめなのに。)
「いいですよ、いくらでも話してください。あなたの辛いこと全部受け止めます。記憶喪失の事も、お父さんのことも、妹さんのことも。」
(止まれ)
「っ~~~!」
視界がぼやけてくる。
(止まれっ)
「なにがなんだか……分かんないのにっ……起きたら……叩かれて、」
頬には叩かれた跡がまだ残っている
「急に……っ離れで暮らせ………だとか、薬屋やれだとか、愛もなにも感じられなくて……でも…涙もでてっ……こなくって、もうどうでも良くなって、でも、辛くてっ…」
止めようとしても涙は止まらない。記憶喪失してもなにも心配してくれなかった、家族にずっと溜めてきた気持ちが爆発した。カクはなにも聞かずにただうなずいてくれた。
「泣いて良いです、苦しくても良いです、必ずあなたを助けます。」
ポッケから出したハンカチで、優しく涙を拭う。
「ありがと…ございます。ありがとう……ございますっ…………」
次回マリアサイドのお話です
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