5.ただ一つの存在する記憶 2
不定期投稿で申し訳ありません。どうにか頑張ります(;_;)。楽しんでください!
(記憶喪失ってあれでしょ本の中に出てくる、あの記憶がスポーンって抜けてなにも思い出せないあれでしょ。実在したのがびっくりなんだけど。)
しばらく考えていると医師から声をかけられた。
「リリアさんこの人が誰か分かるかな?」
目の前にいたのは40代ぐらいの男性だった。
「……分かりません。」
「そうかい、この人はね君のお父さんだよ。」
「………………え?お父様?」
「リリ、心配したんだよ?大丈夫かい?」
(愛称呼び、お父様、まっっっったくもって覚えてないわ。見た目をみる限り、階級は上の方、いや国王に値する人ね。この人は心配っていうか……)
「失礼ですが、発言をお許しいただけますでしょうか。」
「普段はそんなこと言わないのに、珍しいね。これも記憶喪失が関係しているのかな?いいよ。発言を許可する。」
「ありがとうございます。では。」
こほん。と口に手を当て、軽く咳払いをしてから。のどを開く。
「………あなた、喜んでませんか?」
「……………………は?」
「いやあのですね、なんかこう、私には喜んでいるように見えたんですの。間違ってたら申し訳ないんですが、まるで私が記憶喪失になること知ってた…………」
「すいません。彼女が思い出せることがあるか、考えたいそうなんですが、人数が多いと混乱してしまうかもしれないので、ご退出することは出来ますか?」
「………分かりました。国王様とリリアさんの話が、終わるまで、我々は客室で待っています。…………こっちまで巻き込まれるのは勘弁だ。」
「え?今なんか小声で言いまし…………」
「はい。ありがとうございます。」
ドアからリリア達以外が、退出したところで場の空気は180度変わった。
「あの、お父様。これは、」
ばちん
次の瞬間、その痛々しい音が部屋中に響きわたった。
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